猪解体&原木生ハムに仕立てる
N君には狩猟をやる叔父さんがいて、秋の「キノコの会」の時にN君から「猪が入用なら送りますよ」と言う話が出たものだから、「ぜひ送って」と言っていたのです。
この猪は今期狩猟解禁第1号で60kgの物。
わらびさんの話では、
N君:「60kg物だけど、1頭このまま送りましょうか?」
わらびさん:「いやいや、さすがにそれは多いよ!半分にして」
という電話のやり取りで届いた荷物。
生足が少しはみ出した破れダンボールから出てきた猪の半身がこれ(笑)(下写真)
少しグロいのでモザイクをかけています。
画像にカーソルを当てるとモザイク無しで見れますから、平気な方はどうぞ。
成る程・・・こういう半分で来たか(笑)
半身と言うから、無意識に縦割りを想像してました。
勿論N君は、わらびさんと私で原木生ハムに仕立てるだろうから、後ろ足が2本取れるこの胴切りスタイルにした訳で、その判断は100%正しいのだけれど、胴切りスタイルの猪なんてこれまで見たことが無いし、グロいっちゃーグロいけれど、結構オマヌケなその姿に思わず吹き出してしまいました(爆)。
元々ジビエ好きな私は、常々解体もやってみたいと思っていました。
殺生は苦手だけれど、死んでいれば食材です(笑)。
内臓はもう取り除いてはあるけれど、皮は付いているし、これは滅多にないチャンス。
狩猟刀や皮剥ぎナイフ(スキナーナイフ)は持ってないから、取り合えず鋸、鉈、出刃、筋切り包丁、剃刀を持ってきました。
・・・さて毛をどうするか?
食べるだけなら毛ごと皮を剥げばいいだけですが、原木生ハムに仕立てる後ろ足が問題なのです。
豚の場合は、国内では法律上踵付きや皮付きでは入手は不可能で、従って踵無し皮無しで作っています。
猪が折角踵付き、毛皮付きで手に入ったのですから、何とかハモンセラーノスタイルの踵付き皮付きで原木生ハムに仕立てたいと思っています。
でもそれには毛が邪魔。
試しに剃刀で剃ってみましたが、私の髭と違って猪の剛毛にはちょっと歯が立ちません。
熱湯をかけると毛が毟れるという情報も有りますが、もう開腹されていますから、皮にかけたお湯が肉にもかかったら、肉に獣臭がついてしまいそうです。
実際は毛皮も全然臭くはなかったのですが、熱湯をかけたら匂いも活性化するかも知れません。
バリカンを当ててみたら短くは出来るので、この際短毛付きで仕立てることにしました。
後ろ足を切り離し(下写真)、
大事な脂をあまり削がないように皮を剥いでハモンセラーノスタイルにVカット(下写真)。
丁寧にバリカンを当てて短毛に・・・奥のやつは多少虎刈りになりましたナ(笑)(下写真)
残った肉の方は毛皮を剥いで(下写真2枚)
この毛皮剥ぎ、初めてやったけれどなかなかに難しい。
皮が結構厚くて固くて自由にならないし、大事な脂を毛皮に残さないように、又脂側に刃が入って脂をザクザクに削がないように際を削いで行くのは至難の業。
筋切り包丁や、ペティナイフ、出刃など色々取り替えてやってみたけれど、以外に出刃で思い切りズズッと刃を入れていくやり方が上手くいって、初めてとしてはかなり上手く出来たかな。v(^^)v
勿論、我が家の出刃は良く研いでいて切れ味抜群です(笑)。
肉の部分もタップリ取れて、この日はこの一部で猪パーティ(笑)。(下写真2枚)
ネット等で入手できる猪の肉は殆どが冷凍物。
一度も冷凍していない生の猪肉は全然違います。
全く臭くなく、脂が甘くてサラっとしてしつこくなくほんとに美味しい。
冬に備えて脂を増したこの時期の猪の脂はオレイン酸の割合が増えるのだそうです。
猪パーティ後、後足も肉も猪ガラも丁度半分分けて頂いて自宅に持ち帰り、翌日は早速猪原木生ハムにするための仕込み。
毛が大分ついているのと、毛皮が匂っても困るので、毛皮部分はしっかりたわしでゴシゴシ、肉部分は流水で付着した毛をざっと洗い流し、キッチンペーパーでしっかり水切り。
血抜きをして、表面をアルコールスプレーで殺菌した後、所定量の塩を刷り込み(下写真2枚)。
塩漬け開始から内部に塩が十分に滲みるまでの間は、水分活性が高く、最も腐敗に弱い期間です。
この間は出来るだけ低温に保ちたい(5℃位が理想)けれど、そうそう家庭ではそんな環境は用意できません。
生ハム仕込みは大抵冬なので、我が家では塩漬けに使用しているこの衣装ケースに入れて蓋をしたまま、北側のベランダに放置します。
冬ならこの状態で5℃~10℃程度で維持されますが、今回はまだちょっと早い季節。
どうなることやらと思ったけれど、この日の夜から気温が下がりずっと気温が低い日が続き、ケースの中は5℃~11℃程度で維持されているようです。・・・日頃の行いかな(笑)
今回の猪後ろ足は塩漬け前で5.5kgでした。
これからすれば塩漬け期間は6日間程度だけれど、皮の部分の塩の浸透はどうなのでしょうか。
どう見ても皮、薄い脂肪層を通して簡単に塩が浸透するとは思えません。
皮の無い脇からの浸透を期待するならもう少し時間をかけるべきなのでしょう。
今回は10日間くらい塩漬けしてみようと思います。
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