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トマトの肥大スイッチを無理やり入れるの巻他

南向きのベランダでトロ箱水耕栽培しているトマト他の近況です。

一番順調なコストルート・ジェノベーゼ(Costoluto Genovese)は幾つもの果房に結構な数が着果(下写真)。

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着果し過ぎている所為か、最近着果した果房では、着果した筈の実の肥大が始まらない。
落ちるでもなく何週間もこのままです(下写真)。

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大玉トマトでは良くあることで、栄養供給が足りなくなりそうだとトマト自身が判断した場合(人間のように脳で考えるのではなくDNAに組み込まれた判断スイッチ)、栄養不足で全部を駄目にするより、一部の実に栄養を集中させ種子を残すという戦略なのでしょう。

サンマルツアーノも同じ状況で、いつまで経っても肥大が開始しないし、かと言って落ちるわけでもない実が多いのですナ(下写真2枚)。

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この肥大しない実は、例えば熟した実を収穫して負荷が軽くなって栄養供給が大丈夫になった時など、数ヶ月経過したにも関わらず肥大を開始したりします。
必ず効果があるという訳ではありませんが、供給するEC値を上げるのも、トマトに栄養供給が大丈夫と判断させる要因になりますから、肥大スイッチが入るきっかけになったりします。
ここのところ天気が良くても気温が低い日が続きました。
おまけに梅雨入りすればますます葉からの蒸散は少なくなります。
当然、液肥の消費量は減りますから、それに連れ供給EC値を少し上げる必要があります。
いい機会なので、与える液肥のEC値をグンと上げました。
コストルート・ジェノベーゼの方は特段変化が無かったけれど、暴れ気味でECを低く抑えていたサンマルツアーノの方は劇的。
ほら~!肥大スイッチが入った♪(下写真)

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こちらも肥大が始まりました♪(下写真)

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でもね・・・案の定、弊害も。
サンマルツアーノはほんとにふて腐れ尻腐れ易い。
ちょっとECを上げるとこうだもの(下写真) (^^;ゞなんだかな~
もっとも、この肥大スイッチは非可逆性。
一旦肥大を始めたら途中で肥大が停止することは無いので、又EC値を戻すと言う詐欺的手法も無い訳では無い(笑)。

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もともと着果していたエバグリーン(Evergreen)も大分肥大してきました(下写真)。
このトマトは味は抜群なのですが、根が大変弱く、特段のトラブルがなくても液肥層の中の根は段々茶色になってきて調子を落とし、そのうち真っ白い新根が出てきて調子を持ち直しの繰り返し。
根の強いトマトを台木にして接木にすることも考えたけれど、エバグリーンのToMV抵抗性遺伝子型が判らず、適当にサンマルツアーノと接木したらやっぱりうまくいきませんでした(笑)。
トマトの接木では台木と穂木のToMV抵抗性遺伝子型を合わせないとうまく接木ができません。
日本のトマトはToMV抵抗性遺伝子型をしっかり記述しているけれど、海外種のトマトではそんな情報は何処にも書かれていないのです。

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グレイトホワイト(Great White)は着果したのかしていないのか、この状態が3Weekくらい続いているかなぁ(笑)。(下写真)
でも元々このトマトは、いくら花が咲いても早いうちはなかなか着果しない後半型。

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ポーターハウス・ハイブリッド(Porterhouse Hybrid)もようやくまともな花が咲いてきたので、そろそろ着果するかな(下写真)

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yaefit1500さんのところでトマトがサビダニっぽいと聞いたので、時期的にはちょっと早いけれど我が家もチェックを厳しくすることにしました。
早速少し黄色っぽくなっている葉を発見!
でもこれはサビダニの仕業には見えませんね(下写真)。

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早速葉裏をルーペでチェック。
どうやらハダニの仕業のようです(下写真)。

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我が家はハダニに関しては何の対処もしません。
トマトは人間にも有害なくらい強力な忌諱物質トマチンを分泌するので、もともとハダニなどは寄せ付けません。
大抵ハダニにやられるのは不健康な弱い株であって、このような株はトマチンの分泌量も少ないのです。
なのでガンガントマチンを分泌する頑健な株に育てていれば、ハダニ対策は不要というのが持論です。
ではサビダニは何故トマチンに平気なのだろうと言えば、多分トマトサビダニはトマチン分解酵素トマチナーゼを体内で生産しているのだろうと考えています。

トロ箱水耕トマトはもう草丈2m。
すっかりグリーンカーテンになりました。
もうすぐジャングル化する予定(下写真)。

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PETボトル水耕のペッパー類もグリーンカーテンになりつつあります(下写真)。

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目下絶好調中のサボイキャベツ(縮緬キャベツ)。
完全無農薬なのにイモムシも、アブラーも一切受け付けない! (ノ*゚▽゚)ノ すごいゾ!
大きく結球しそうです♪(下写真)

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育苗中のペッパーミント。
種が極小だと発芽しても極小で、普通のサイズに育つまでは何だか長そうです(下写真)。 (^^;ゞ

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Comments 6

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いずみ

>大玉トマトでは良くあることで、
知らなかったです。(;^_^A アセアセ・・・
大玉って、そうなんですね。

うちのぜいたくトマトが大きめの中玉サイズなのも、ひょっとして液肥が薄いからかも。
尻腐れがこわくて、やや薄ぐらいで育てています。
小さいまま、着色しそうになってきましたが、ちょっと濃くしてみるべきか、迷うところです(;`・_・´)ン-
でも、知ってよかった。
ありがとうございます。

duckbill

Re: タイトルなし

大玉は1果1果で随分エネルギーを必要とするので、やりくりするのにトマトも色々考えるんだなぁってのが良く判る所が大玉栽培の面白さのような気がします(笑)。

サイズや収穫量は、吸肥能力(根量や液肥の濃さ)と日照量の低いほうで頭打ち。
なのでもし日照量が限界になっていてサイズが小さいのだったら、液肥の濃さは効果なしになります。
尻腐れも怖いけれど、尻腐れにくい品種も結構あるし、何処かで一度位テスト(液肥を濃く)をして見るのもいいかも知れませんね。

  • 2015/06/11 (Thu) 23:06
  • REPLY
akkyan

忌諱物質トマチンとかトマチン分解酵素トマチナーゼとかドラマチックですねえ。
ペギラに対抗するペギミンHみたいですね。。。(゚.☆)ばきっ!
(こういう例えしか頭に浮かばないのが・・・。_|~|○)

肥大スイッチ・・・私は実を減らす事かと思ってたから、
スイッチがある事は判っても私の目には見えなかった。(笑)
栄養の方を増やす方法のスイッチもあるんですねえ。f(^^;)

こちらのスイッチもなんだか高等戦術っぽいので
私が使えない事に変わりはないんですけどね。_|~|○

ま、うちもとりあえず収穫できたので良しとします。(笑)

duckbill

Re: タイトルなし

> ペギラに対抗するペギミンHみたいですね。

そうそう!ヽ(▽⌒)アウッ!(゚O゚(☆バキッ\(-_- )
そのうち、トマトが対抗してトマチナーゼナーゼを作って、サビダニがトマチナーゼナーゼナーゼでやり返し、今度はトマトがトマチナーゼナーゼナーゼナーゼ アウッ!☆(++ )舌噛んだ!

欲張っているから実を減らす方には考えが及ばなくて、もっぱら高等戦術(何せトマトを騙くらかすのだもの、笑)の方を。

  • 2015/06/12 (Fri) 17:00
  • REPLY
akicici

EC値で肥大化スイッチをONできるんですかぁ(・o・)
うちの水耕トマトがミニミニミーみたいに小さくなったのは、なんらかの原因で(液肥の稀釈率を間違えた?など)EC値が低下していたからだったのかも。

真鍮材から亜鉛が溶出して亜鉛過剰になった?からかもと思ってましたが、枯れた根を掃除して液肥を入れ替えた現在は復活して普通の大きさに肥大化してますからEC値が低下していたのかもしれません。
(因みに真鍮の継ぎ手が腐食している様子はありませんので液肥の電解度で真鍮材が侵されることは無いみたいです)

越冬したイエローアイコは株がまだ弱っちいのか葉ダニまみれになっちゃって、アーリーセーフを噴霧しても効果がなくて仕方ないからコロマイトしちゃいました(^_^;)
そしたら、効果覿面、葉ダニは全滅♪

ですが、地植えのトマトがモザイク病に患ったみたいです(;_;)
Sちゃんがせっせとわき芽かきしたのでつぎつぎと感染・・・水耕栽培トマトは脇芽かきしないので感染してません(^_^;)

duckbill

Re: タイトルなし

> あきちゃん
小さな実をより大きくする肥大化ではなく、着果した後、実が肥大を開始するスイッチです。
小さくたって取りあえず実が太ったら、それは肥大スイッチはもう発動済み。

トマト種の袋に書いてある実のサイズ、営農さんや熟練者ならそのサイズで作れるだろうけれど、一般の素人さんは実際色々な方のブログを見てみると、大抵はそれよりずっと小さいサイズでしか収穫できていません(笑)。
収穫量(サイズ×個数)は給肥量(根からの栄養)と光合成量(日照、葉量)のどちらか低いほうの限界で頭打ちします。
給肥量は吸肥量(根量、根の状態による)、液肥EC値で変わります。
つまり液肥EC値を濃くしても、根が充実していなければ給肥量は増えないし、日照が少なかったり葉が充実してなければ、肥料をいくら与えても無理です。

水耕容器中の液肥は濃縮したり、薄くなったりします。
トマトは賢くて、与えた液肥より濃い液肥が欲しいときは、液肥中の肥料分を選択的に吸収します。
従って水耕容器中に残る液肥は肥料分が薄くなります。
逆もその通りで、与えた液肥より薄い液肥が欲しいときは、液肥中の水分を選択的に吸収します。
従って水耕容器中に残る液肥はどんどん濃縮されます。
気がつかないでずっとやっていると肥料不足になったり、又は濃縮された濃い液肥で根をやられて障害が発生したりします。
時々は液肥の総入れ替えが重要です。

ダニ類に対するコロマイトの効果は他のものと比べ劇的です。まさに特効薬。
でもサビダニと違いハダニは全滅はせず、一定%コロマイト耐性ハダニが出ることが既に確認されています。
コロマイト耐性ハダニからはコロマイト耐性ハダニが生まれます。
つまりハダニに使いすぎるとコロマイト耐性ハダニだけになって大変なことになりますから、ハダニ程度に多用は禁物です。

野菜の病気の大半は土壌由来です。
なので水耕栽培では、収量だけでなく、簡単に無農薬栽培が出来ることも魅力の一つです。

  • 2015/06/15 (Mon) 09:09
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