自家製バカラオのスープ
バカラオとは、スペインではバカラオ(Bacalao)、イタリアではバッカラ(Baccalà)、ポルトガルではバカリャウ(Bacalhau)と呼ばれる塩漬け真鱈、又は塩漬け干し真鱈です。
このバカラオ、単に保存食というだけではなく、長期間塩蔵させれば当然のことながらグンと熟成旨みが増して、生の真鱈とは又異なった美味さのある食品です。
日本の棒鱈みたいにカッチンコッチンにしないで、半干し程度の塩蔵状態が熟成も進むし、戻りも早いのです。
塩蔵4ヶ月位から熟成旨みがぐんと増してくるので、最低でもそれくらいの期間は塩蔵したいもの。
でもこのバカラオ、日本では殆ど出回らないので、直前で塩を振ったり、せいぜい1、2日塩に漬けた生真鱈で代用する人もいるけれど、そんなもので代用になる程、保存食の世界、特に長期熟成の世界は浅くはない。
・・・ってことで、長期熟成させたバカラオの美味さにすっかり嵌ってしまっている私は、自家製バカラオを仕込んではせっせと熟成させているのですナ(笑)。
こちらは今年の2/20日に仕込んだものですからほぼ9ヶ月熟成の自家製バカラオ(下写真)
元々の真鱈が抜群のもので、塩蔵具合もまさにいい状態。私にとってはもう殆どお宝です♪
久しぶりでバカラオのスープを食べたくなって、自家製バカラオを切って塩抜きをしました。
こちらのバカラオは皮無しフィレで作ったもので、この時の仕込み物。
ちょいちょい食べていて、あと残りは1/4匹分程。
2014年の10/29日の仕込みなので、1年強の熟成になります(下写真)。
塩抜き時間はこの状態で時々水を交換し、ピルピル(Bacalao al Pil-Pil)にするなら1昼夜、スープで食べるなら9時間程。
このスープは元々ピルピルの失敗(塩抜き時間の不足)のリメイクで出来たもの(この記事)。
そのため、作り方も最初はピルピルのように作ります。
フライパンにEx.V.オリーブオイル、潰したニンニク数片、鷹の爪を入れオイルに香りがつきニンニクが少し色づくまで加熱後、塩抜きしたバカラオの表面の水気をキッチンペーパーで取りフライパンに入れる。
火は弱火のままフライパンを傾けてゆっくり油をまわす。
10分位経過してくる頃、皮目のコラーゲンが熱変性で乳白色のゼラチンとして溶け出してきて、オイルはバカラオからでた水分&ゼラチンと混ざり合って乳化していく。
でもこのバカラオは皮が無い分、この溶け出すゼラチンが残念ながら少ないのが今一。(^^;ゞ
バカラオは適当なところでひっくり返し、全体に低温でゆっくりと火を通す。
殆どバカラオのピルピル状態になったフライパンに水を加え、粗微塵の玉葱、さいの目に切ったジャガイモを加えて煮込む。
ジャガイモは必須。バカラオとジャガイモは黄金の組み合わせです。
バカラオは煮ている途中でお玉を押し付け、幾つかにバラけさせる。
ジャガイモの表面が少しだけ煮崩れる程度まで煮込んだら、胡椒をで味を整えて出来上がり(下写真)。
出汁は一切使いません。
旨みは長期熟成バカラオから出る旨みだけ。
塩も入れません。
塩分はバカラオから出た塩分だけ・・・って、勿論、塩抜きし過ぎなければだけど(笑)。
塩抜き具合のバラつきに合わせ、塩味は加える水の量で調整します。
このスープが何とも美味しいのです。
一口目はむしろ、あれ何か足りないかな?と思うようなおとなしい地味~な味。
でも食べるに従って、口の中でどんどん深い味になっていって、食べ終わる頃には何だかため息が出るほど。
まさに滋味。長期熟成バカラオ、凄いゾ・・・
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