自家製原木生ハムの近況
まず今年の1/30日と1/31日にそれぞれ仕込んだ2本の原木生ハムの状況(先回の状況はこちら)。(下写真)・・・3/20日
表面にはしっかり酵母菌が発生しています(下写真)。
この時期は表面にしっかり酵母を発生させてから、パテ付けまでに適正な具合まで乾燥を進める工程。
この酵母菌や良質のカビの力を借りて香り高い原木生ハムに熟成させますナ。
カビや腐敗が怖くて、冷蔵庫に入れたり、外に干しっぱなしにすれば、香りも無いただの固い干し肉になってしまいます。
本来は乾燥具合が良い具合になったらパテ付けをするのだけれど、なかなかスケジュールはままならない。
パテ付けの日程はもう決まっているので、後は乾燥具合をその日程に合わせていきます(笑)。
次に、消費中だった2年熟成原木生ハム。
この原木は昨年の10/17日から消費を開始したものですが(この記事)、完食です(下写真)。・・・3/20日
替わりに熟成中の1年物を綺麗に清掃してハモネロにセット。
いくらカビの力を借りて熟成させているとは言え、消費始めたら以降、一切カビは禁物です(下写真)。・・・3/21日
2014年12/28日の仕込みなので(その記事)、正確には仕込からほぼ15ヶ月もの。
これからの消費なら食べ終わりが初夏にかかってしまうので、5月末の山上げ直前までで消費を中断し、切り出し面をパテで覆って、再度山上げし2年目の熟成をさせる予定。
早速切り出して見ました(下写真2枚、2枚目の写真は数日後のスライスで勿論手切り)。
発色も素晴らしいし、味もなかなか。
思ってた以上に薄塩に仕上がっています。
これまでの自家製原木生ハムは、1年物も2年物も全てハモンセラーノの味と香りに仕上がっています。
何故か今回のこの原木は、食感も味も香りもパルマのプロシュットの方に似ています。
特にハモンセラーノとプロシュットでは脂の香りが違うのです。
・・・なんでだろ?
作る工程でこの原木が他と何処が違ったかなぁって考えたら、うん、何だか、又少し掴めたような気がする♪
と言うことは、国内の同じ環境で、同じ豚を使用し、同じ様に寛骨を取らず、抜骨をせずに、ハモンセラーノとプロシュットを作り分けられるということだな。
えー、それより何より、切って食べてみてとんでもない事が判明しました(笑)。
どうやら、食べ終わった原木が1年物で、こちらが2年物のようです。(^^;ゞあちゃー!
何人かのブログのお友達に、この食べ終わった方の原木から切り取った生ハムブロックを、2年熟成物として差し上げています。
済みませ~ん!差し上げたのは1年熟成物でした。ゴメンナサイ。m(_ _)m
実は食べ終わった方の原木のスライス開始時期には、豚の原木生ハムは2年物が1本、1年物が2本の計3本を一緒に吊るしてあったのですが、1年物の2本の内の小さいほうの1本と、2年物の外観が結構似ていて少し迷ったのです。
でも表面の縮み具合から、まあこちらが2年物で間違いないだろうと、食べ終わった方の原木をハモネロにセットしたのです。
スライスして切り始めてみると、思ったより若い味だし、チロシンの析出も無いし、脂肪もまだ固く、ひょっとして間違えたかなぁ・・・と疑念はありました。
両方スライスしてみれば良かったのですが、「まさかね!」と思ってそのまま消費してきました。
今回セットした方は、何より脂が柔らかく、甘く熟成していてまるでラルドのよう、肉部分の旨みも強く、塩味はマイルドで、一目、いや一口瞭然、こちらが2年熟成物で間違いありません(とすれば、この時仕込のものなので、正確にはもう27ヶ月もの)。
ということはこの原木、5月末の山上げ直前までで消費を中断し、切り出し面をパテで覆い再度山上げですから、山下げ時には3年熟成物の原木生ハムになるということです。v(^^)v ヤッタネ!
2年物だけれど、切り出し始めなので、まだまだ水分が少し多い状態です。
消費するにはもう少し水分が抜けた方がより美味しくなります。
当面は、その日の切り出し終わりに、切り出し面にオリーブオイルを塗布し(カビ防止&酸化防止)、油紙状態のキッチンペーパーを貼り付けておく方法にします(勿論全体にサラシのカバーを掛けます)。
この方法を取ることで、切り出し面から水分が抜け、消費をしながら、最適な状態にもって行きます(下写真)。
水分が抜けすぎ固くなるようなら、切り出し面をスライスした脂で覆う方法に切り替えます。
そのための薄くスライスした脂はしっかり確保(下写真)
2日前に1年熟成の猪の原木生ハムもハモネロにセットして消費を始めました。
こちらは2014年11/18日の仕込なので(仕込記事)、仕込から16ヶ月ちょっとのもの。
猪原木は小さいのでどうしても乾燥気味になります。
なのでちょっと固めの仕上がり(下写真)。
これ以上乾燥が進まないように、毎回の切り出し終わりには切り出し面を脂でしっかり覆って維持します。
最初に毛皮付きで仕込んだせいか、良い味ですが香りが気持ちワイルドかな(笑)。
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