続23・賄いパスタ7種
で、作らざるを得ないその休日の、特に昼食を、私は「賄い」と言っているのですが、そんな賄いで作ったものの中で、これまで掲載機会がなかった、それもパスタだけを7つ集めるシリーズです。(先回は続22・賄いパスタ7種)。
賄いですから、冷蔵庫内の残り物や、在庫食材などで作るのがルールです。
いつもの通り、パスタ名には怪しげなイタリア語名も付けていますが、添削大歓迎です(笑)。
※特に記載がなければ、使用しているパスタ量は、乾燥重量で、ロングパスタが1人当たり80~100g、ショートパスタが1人当たり60gです。
※全ての写真はクリックすることで、大きなサイズで見ることができます。
行者ニンニクは山菜採りにいって採って来たものを(この記事)、冷凍保存していたもの。
いつもはさっと茹でて、醤油漬けで食べていたのですが、パスタにも使ってみようかとトライしてみました。
[ 行者ニンニクのスパゲッティ ]
Spaghetti con l'aglio serpentino.
(スパゲッティ・コン・ラーリオ・セルペンティーノ)
- 行者ニンニクは自然解凍し、2cm幅位に刻む。
- スパゲッティは1%の茹で塩で茹でる。
- ソース鍋にE.X.オリーブオイル、微塵切りしたニンニク、刻んだ唐辛子、刻んだ自家製ベーコンを入れて加熱し、香りをオイルに移す。
ニンニクは焦がさない。 - 鍋にアンチョビー魚醤を加え(小さじ1/1人当り)、中火でオイルの中でふつふつ状態で魚醤臭さを飛ばし旨みだけを残す。
魚醤臭さが飛んだら火は最弱にする。
この状態ではニンニクが焦げてくるので、丁度、次項の茹で湯を加える茹で上がり2分前になるように始まりを調整する。 - パスタ茹で上がりの2分前に茹で湯を鍋に加え(一人分当たり大さじ2位)、塩コショウで味を整える(アンチョビー魚醤を使っているので多分塩は不要の筈)。 ここではまだ乳化はさせない。
- 茹で上がって湯切りしたスパゲッティ、刻んだ行者ニンニクをソース鍋に加えて、1分程強火で加熱したまま良くソースと和え、余分な水分を飛ばす。
- 皿に盛り、下ろしたパルメジャーノ・レッジャーノをかけ、刻んだ香り葉(この日はイタリアンパセリ)を散らし、Mix胡椒(黒、白、ピンク、緑胡椒のミックス)を粗く挽きかけて完成(下写真)。
頂きもののサボイキャベツがあったのでキノコ(ハナビラタケとエリンギ)と合わせパスタにしてみました。
野のハナビラタケはキノコの季節でもなかなか手に入らないけれど、最近は栽培物が簡単に手に入るようになって重宝しています。
[ サボイキャベツとハナビラタケ、エリンギのスパゲッティ ]
Spaghetti con verza,funghi sparassis crispa e funghi cardoncelli.
(スパゲッティ・コン・ヴェルツァ,フンギ・スプラッシス・クリスパ・エ・フンギ・カルドンチェッリ)
- サボイキャベツは茎の部分(葉脈の太い部分)は1cm幅の小口、葉の部分は4、5cmサイズに千切る。
ハナビラタケは食べやすい大きさに切り分け、エリンギは3cm長さに輪切りにしてから繊維に沿って3mm幅でスライス。 - パスタは1%の茹で塩で茹でる。
- 鍋にEx.V.オリーブオイルを入れ、ニンニクスライス、刻み鷹の爪、刻んだ自家製ベーコンを入れて炒め、オイルに香りを移す。ニンニクは焦がさない。
- オイルがふつふつしているところに、アンチョビー魚醤を加え(小さじ1/1人当り)、中火で魚醤臭さを飛ばす。
- パスタの茹で上がり2分前に、ハナビラタケ、エリンギ、パスタの茹で汁(大さじ4杯程度/1人当たり)を加えて炒め、塩コショウで味を整える(アンチョビー魚醤を使っているので多分塩は不要の筈)。
ここではまだ乳化はさせない。 - サボイキャベツは茎部分をパスタの茹で上がりの3分前に、葉の部分は1分前にパスタ鍋に投入して、パスタと一緒に茹でる。
- 茹で上がったパスタをサボイキャベツごと湯きりして鍋に投入し、強火で加熱しながら数十秒一気にかき混ぜ、乳化させてパスタと絡めると同時に、余分な水分を飛ばす。
- 皿に盛り、下ろしたパルメジャーノ・レッジャーノをかけ、刻んだ香り葉(この日はイタリアンパセリ)を散らし、Mix胡椒(黒、白、ピンク、緑胡椒のミックス)を粗く挽きかけて完成(下写真)。
TVの「試してガッテン」で焼きパスタなるものをやっていました。
確か乾麺のままフライパンで炒めてからオリーブオイルをかけて又少し炒め、コンソメの素と水を加えながらパスタに水分を吸わせていくような作り方だったかな。
焼きパスタのレシピの詳細には全く興味も無いけれど、大元はイタリアのリゾッタータだとのこと。
つまり、米の代わりにパスタ(このケースはロングパスタ)を使ったリゾット。
それなら「試してガッテン」の焼きパスタの作り方とは多少違うけれど、普通に作れますナ。
どんな感じに仕上がるのかを見るのには、余計なものを殆ど入れないのが一番。
そこでベーコン入りア-リオ・オ-リオ・エ・ペペロンチーノのリゾッタータにしてみました。
[ ア-リオ・オ-リオ・エ・ペペロンチーノ風パスタ・リゾッタータ ]
Pasta risottata all'aglio, olio e peperoncino.
パスタ・リゾッタータッラリッオリーオ・エ・ペペロンチーノ
- フライパンにEX.V.オリーブオイルを入れ、微塵切りのニンニク、刻んだ自家製ベーコン、刻んだ鷹の爪を加え加熱し、オイルに香りを移す。ニンニクは焦がさない。
- 鍋に乾麺のスパゲッティを入れて、部分的に表面が白くなったり、焦げ色が付いたりする程度まで炒める。
- 鍋にブロード代わりの水と鶏醤少々を加え、時々かき混ぜながら所定時間煮る(普通に茹でるより、2~5割増し位の時間がかかる筈)。
水量は足りない位で煮て行き、途中でお湯を随時追加し調節し、塩、胡椒で味を調える。 - 皿に盛り、香り葉(この日はイタリアンパセリ)を散らし、特別に香りの高いEX.V.オリーブオイルをタラリとかけて完成(下写真)
材料は同じでも、通常のア-リオ・オ-リオ・エ・ペペロンチーノとは全く別物です。
通常のア-リオ・オ-リオ・エ・ペペロンチーノならパスタは特有の芯に残るアルデンテ、それに完成直前に乳化させ絡める時の加熱による香り高い香ばしさ。
こちらはアルデンテには違いがないものの、全体がモチモチっとした生パスタの様な食感、乳化で絡めるというより、この場合は乳化ソースの中で煮ている様なものだから、香ばしさではなく纏わりついた濃厚さ・・・かな。
感じは全く異なるけれど、これはこれで有りです。
国産超強力小麦粉「ゆめのちから」で作った乾麺パスタを頂きました(この記事)。
このうちのフェットゥチーネの方でピーナッツソースの賄いパスタを作ってみたのです(下写真)。
ピーナッツソースは佳厨のピーナッツソースを利用したもの。
この佳厨のピーナッツソースは格安で売られているのを見つけ、中身がパウダー状なのでピーナッツパウダー代わりに使えると5袋ほど購入していたものです(この記事)。
カレーに使い(この記事)、ラーメンに使い、フォーに使い、何れもなかなか使い勝手がいいものだから、パスタでも試してみたのです。
[ ピーナッツソースのフェットゥチーネ ]
Fettuccine con salsa di arachidi.
(フェットゥチーネ・コン・サルサ・デ・アラーキデ)
- パスタを茹でる。茹で塩は使わない。
- ソース鍋にE.X.オリーブオイル、佳厨のピーナッツソース(パウダー)、牛乳を入れ加熱しながら、とろみが出るまで混ぜる。
佳厨のピーナッツソースは通常の煎りピーナッツを砕いてすり鉢等で摺ったピーナッツで代用できます(と言うより、佳厨のピーナッツソースの方が代用です) - ソース鍋の火を止め、下したパルミジャーノ・レッジャーノを振り入れ、生クリームで延ばし、塩、胡椒で味を整える。
- パスタが茹で上がったら湯切りしてソース鍋に入れて、良くソースとあえる(火は止めたまま)。
- 皿に盛り、下したパルミジャーノ・レッジャーノをかけ、Mix胡椒(黒、白、ピンク、緑胡椒のミックス)を粗く挽きかけ、刻んだ香り葉(この日はイタリアンパセリ)を散らし、特別に香り高いE.X.オリーブオイルをタラリとかけて完成(下写真)
国産超強力小麦粉「ゆめのちから」のフェットゥチーネはコシも強く、なかなか。
一方ピーナッツソースの方は美味しかったけれども、佳厨のピーナッツソースに既に入っている砂糖の甘さがちょっと余計でした。
代用せずに、通常市販の煎りピーナッツを摺って使った方がより美味しくできるかな。
まあでも、あるものを使ってちゃっちゃと作るのも賄いの本道ですネ。
ここのところ、行きつけのスーパーに鮮度の良い墨イカ(甲イカ)が超安価で出回るのです。
スルメイカやヤリイカと違って、甲イカ類は肉厚で美味しく私は大好きなのですが、さらにこの時期の墨イカは卵を持っていて、それもなかなかの珍味です。
身やゲソはお刺身で食べていると、ワタが余ってしまうのでパスタのソースに使ってみました。
墨イカのワタはスルメイカ等と較べると小さいですが、味はやはり格別なような気がします。
墨イカですから、ワタだけじゃなくイカ墨も使いたかったのですが、流通の過程で墨は吐いてしまって、墨袋は大抵空っぽのようです。
[ 海鮮パスタ、墨イカのワタソース仕立て ]
Pasta alla pescatora al fegati di seppia.
パスタ・アッラ・ペスカトーラ・アル・フェガティ・デ・セッピア
- パスタは1%の茹で塩で茹でる。
- ソース鍋にE.X.オリーブオイル、微塵切りしたニンニク、刻んだ唐辛子を入れて加熱し、香りをオイルに移す。 ニンニクは焦がさない。
- 鍋にアンチョビー魚醤を加え(小さじ1/1人当り)、中火でオイルの中でふつふつ状態で魚醤臭さを飛ばし旨みだけを残す。
魚醤臭さが飛んだら、墨イカのワタを加え、ワタ袋を破いて炒め、火が通ったらパスタの茹で湯(一人分当たり大さじ4位)を加えてのばす。 - パスタの茹で上がり1分半前に魚介(イカ、海老、ホタテ)をソース鍋に入れ、さっと炒めて火を通し、塩、胡椒で味を整える(魚醤を使っているので、多分塩は不要の筈)。
- 茹で上がって湯切りしたスパゲッティをソース鍋に加えて、30秒程強火で加熱したまま良くソースと和え、余分な水分を飛ばす。
- 皿に盛り、刻んだ香り葉(この日はイタリアンパセリ)を散らし、黒胡椒を粗く挽きかけて完成(下写真)。
春の一時だけ採れるアミガサタケ、今年は春のきのこも早いようで、週末の散策途中でマイキノコスポットのチェックに行ったら随分採れたのです(この記事)。
アミガサタケは、フランスではモリーユ(Morille)、イタリアではスプニョーラ(Spugnola)と呼ばれる人気のきのこ。
このアミガサタケを少し贅沢に使ってパスタにしてみました。
本当は生クリームを使いたかったけれど、在庫に無かったので牛乳で代用、あるもので済ませるのも賄いの本道です(笑)。
使ったパスタはこの時仕込んだキタッラです。
※注:アミガサタケは生食では食中毒を起こすので、必ず加熱して使います
[ アミガサタケのキタッラ ]
Chitarra ai funghi spugnola.
キタッラ・アイ・フンギ・スプニョーラ
- アミガサタケは2つ割りにし、水で洗った後30分くらい水に漬け、虫出しをした後、水を切り、大きいものは一口大に切り分けておく。
- キタッラは1%の茹で塩で茹でる。
- ソース鍋にバターを溶かし、微塵切りしたニンニク、刻んだ唐辛子を入れ、ニンニクの香りをオイルに移す。
ニンニクは焦がさない。 - ソース鍋にアミガサタケを加え、少しシンナリするまで炒めた後、牛乳を加えて沸騰するまで加熱する。
- ソース鍋の火を止め、下したパルメジャーノレッジャーノをタップリ振り入れ混ぜ、塩、胡椒で味を調える。
ソースは生クリームの代わりに牛乳を使用したが、加えたバターとパルメジャーノレッジャーノで、少し温度が下がると粘度が出る。 - 茹で上がったスパゲッティを湯切りしてソース鍋に加えてソースとよく和える。
- 皿に盛り、下したパルメジャーノレッジャーノを振りかけ、香り葉(この日はイタリアンパセリ)を散らして完成。
アミガサタケの食感とキタッラのモチモチ感が最高でした♪
国産豚の挽肉が安かったので購入してきたのです。
夕食には使うとして、でもタップリあるので、昼食にも使ってパスタに仕立てることにしました。
挽肉といえばラグーソースだけれど、ただのラグーソースでは面白くも無い。
散策中に採取してきた野生の山椒の若葉が沢山あったので、冷凍保存中の実山椒も加え、山椒風味のラグーソースにしてみたのです。
[ 豚ラグーソースのフェットウチーネ、山椒風味 ]
Fettuccine col ragu di maiale e pepe giapponese.
フェットウチーネ・コル・ラグー・デ・マイアーレ・エ・ぺぺ・ジャッポーネーゼ
- 玉葱、人参、セロリをFPで細かい微塵にし、少し多めのオリーブオイルで揚げるように、色が着くくらい強火でしっかり炒めて(15分程度)ソフリットを作り、一旦ボウルに取り置き、油を鍋に戻す
- 鍋に豚挽き肉をいれ、強火でカリカリになるまで炒める。
多少鍋に焦げ付いても、ソースでこそげ取るので構わない。 - 鍋に刻み唐辛子、刻みニンニクを加えて炒め、ニンニクが焦げないうちに、取り置いたソフリット、実山椒、トマトジュース、若干のブロードを加えて少し煮詰める。
鍋に焦げ付いている挽肉は、煮詰めている間、丁寧にへらでこそげ取ってソースに溶かし込む。 - フェットウチーネは1%の茹で塩で茹でる。
- フェットウチーネの茹で上がり直前に、ソース鍋に刻んだ山椒葉、おろしたパルミジャーノ・レッジャーノを加え、塩、胡椒で味を調える。
- 茹で上がったフェットウチーネを湯きり、ソース鍋に投入し、30秒加熱しながらフェットウチーネにソースを絡める。
- 器に盛り、おろしたパルミジャーノ・レッジャーノをかけ、刻んだ山椒葉を散らし、香り高いEx.V.オリーブオイルをタラリとかけて完成(下写真)。
およそイタリアには無い、マー(麻)なラグーソースです。なかなか痺れます(笑)。
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