続24・賄いパスタ7種
この処ずっとパスタを作るモードじゃなかったものだから、このシリーズの久々の更新となりました。
賄いですから、冷蔵庫内の残り物や、在庫食材などで作るのがルールです。
いつもの通り、パスタ名には怪しげなイタリア語名も付けていますが、添削大歓迎です(笑)。
※特に記載がなければ、使用しているパスタ量は、乾燥重量で、ロングパスタが1人当たり80~100g、ショートパスタが1人当たり60gです。
※全ての写真はクリックすることで、大きなサイズで見ることができます。
イタリアのアマトリーチェで大きな地震が発生して(8/24日)多数の死者が出ました。
地震で被災された方々に、心からお見舞いを申し上げます。
このパスタの記事を書いている8/29日時点で、まだ救出活動が続いています。
一人でも多く無事救出されますようにお祈り申し上げます。
アマトリーチェはローマの北東近郊にあってアマトリチャーナの発祥地。
この地震で、ここずっとアマトリーチェという地名がTVで連呼されています。
さすがにこれだけ連呼されたら、
私 :「今日のお昼はなんにする?」
家内:「アマトリチャーナ!」
となるのは、まあ、必然でした。 聞くまでも無かったな(笑)。
アマトリチャーナで使用するグアンチャーレも自家製で常備在庫しているし、もともとアマトリチャーナは大好きなパスタです。
[ スパゲッティアマトリチャーナ ]
Spaghetti all'amatriciana in rosso.
(スパゲッティ・アッラマトリチャーナ・イン・ロッソ)
- 鍋にEx.V.オリーブオイルを入れ、この自家製グアンチャーレを切って入れて炒める。
グアンチャーレはカリカリにしないで一旦取り出す。 - タマネギの微塵切りを鍋に入れ、少し透明になるまで炒める。
タマネギ量は2人分で小サイズ1/2個程度(あまり多いとその甘さがかえっていやみになる)。 - 400g缶詰のホールトマト3/4をマッシャして鍋に加え、強火で酸味を飛ばし、中火に落とし、グアンチャーレを鍋に戻し、少し油が分離するまで煮詰め、塩(必要なら)コショウで味を調える。
※パスタにつく茹塩の塩分、グアンチャーレ、チーズの塩味で塩は多分必要無い筈。 - スパゲッティ(この日はΦ1.9mm)は1%の茹で塩で茹でる。
後でソースの中で煮る分、1分短く茹でる。 - 茹で上がったスパゲッティを鍋に投入し、おろしたパルミジャーノ・レッジャーノを振りいれ、さらに1分程煮てパスタにソースを吸わせる。
- 皿に盛り、おろしたパルミジャーノ・レッジャーノを散らし、刻んだイタリアンパセリを散らし、ミックスペッパー(黒、白、ピンク等のミックス)を粗く挽きかけ、香り高いEx.V.オリーブオイルをタラリとかけて完成(下写真)。
現在在庫が切れていて・・・いや正確には在庫している筈なのだけれど行方不明なので、パルミジャーノ・レッジャーノで代用しました。
ほんとにいつ作っても美味しいパスタですナ♪
↑のアマトリチャーナで使ったグアンチャーレを久しぶりに食べて美味しかったものだから、グアンチャーレを使う代表パスタ、カルボナーラを作ってみました。
カルボナーラはどこの店のメニューにも必ずある位一般的なパスタだけれど、私はその濃厚さがあまり好きではなく、多分3年に1回位しか作らないパスタです。
ちなみにこの前作ったのはこの時だから・・・えーっ!6年と7ヶ月前です(笑)。
[ スパゲットーニのカルボナーラ ]
Spaghettoni alla carbonara.
(スパゲトーニ・アッラ・カルボナーラ)
- スパゲットーニ(この日はΦ2.1mm)は1%の茹で塩で茹でる。
- ボウルに卵黄(1個/一人当たり)を入れてかき混ぜ、おろしたパルミジャーノ・レッジャーノとよく和えておく。
- スパゲットーニの茹で上がり3分前にソース鍋にEx.V.オリーブオイルを入れ、自家製グアンチャーレを切って入れて炒め、茹で上がり2分前にはスパゲットーニの茹で湯をソース鍋に加える(大匙4~5杯/一人当たり)。
- 茹で上がったスパゲットーニを湯切りしてソース鍋に加え、強火で数十秒一気にかき混ぜて、卵&チーズのボウルにあけ余熱でよく和え、塩、胡椒で味を調える(茹塩でつく塩味、グアンチャーレの塩分、チーズの塩分で多分塩は不要の筈)。
- 皿に盛り、おろしたパルミジャーノ・レッジャーノを散らし、刻んだイタリアンパセリを散らし、ミックスペッパー(黒、白、ピンク等のミックス)を粗く挽きかけ完成(下写真)。
最後に卵黄を絡めながら、「自分の好みからは、やっぱり卵黄は余計だなぁ・・」などと考えていました(笑)。
でも卵黄を絡めなければ、それって殆ど玉ねぎ無しのアマトリチャーナ・ビアンコ(白いアマトリチャーナ、別名グリーチャ)だし、ついでにグアンチャーレも外せばまさにカチョ・エ・ペペ。
カルボナーラもカチョ・エ・ペペもローマのパスタだし、アマトリチャーナはローマ近郊アマトリーチェ村のパスタです。
レシピも味も似ているし・・・ローマ人の好みって何だか判りやすいわ(笑)。
この3種はきっとバリュエーションの過程で発生した兄弟パスタ・・・かな。
週末に遠出をして、自宅周辺では絶対に採れない野のキノコ採集をしてきました。
採ってきたものは量は少ないけれど、ヤマドリタケ(ポルチーニ)、ハナイグチやキノボリイグチのイグチ系、ショウゲンジ、オオカシワギタケのフウセンタケ科、ヌメリササタケやアブラシメジモドキなどのヌメリのあるフウセンタケ科、おまけに毒菌のベニテングタケ。
私の周りではヤマドリタケモドキ(学名:Boletus reticulatus)は沢山採れるけれど、こちらはモドキのつかない本物ヤマドリタケ(学名:Boletus edulis)。
正真正銘の国産ポルチーニです(下写真)。
これはそんじょそこらでは採れません。
この本物ポルチーニを2本使ってパスタに仕立てました。
[ 国産ポルチーニとナスのスパゲッティ、バター風味 ]
Spaghetti con melanzane e funghi porcini giapponese,al burro.
(スパゲッティ・コン・メランツァーネ・エ・フンギ・ポルチーニ・ジャッポネーゼ・アル・ブッロ)
- ポルチーニはスライス、ナスはヘタを取って1cm幅で半月に、キャベツは太い葉柄と葉を切り分け、太い葉柄は1cm幅に刻み、葉は4~5cm幅くらいに手で千切る。
- スパゲッティ(この日はΦ1.9mm)は1%の茹で塩で茹でる。
- ソース鍋に多めのバターを入れ、微塵切りしたニンニク、微塵切りした鷹の爪、自家製ベーコンを入れ炒め、ベーコンの脂、ニンニクの香りをバターに加える。ニンニクは焦がさない。
- スパゲッティの茹で上がりの2分半前に、ソース鍋にナス、1分前にポルチーニを加え、バターを吸わせながら、強火で一気に炒め、塩胡椒で軽く味をつける。
- キャベツの方は、スパゲッティ茹で上がりの2分半前に太い葉柄、1分前に残りの葉の部分をスパゲッティ鍋に投入し、パスタと一緒に茹でる。
- スパゲッティの茹で上がり直前に、茹で湯(一人当たり大サジ2)をソース鍋に加える。
- 茹で上がったパスタをキャベツごと湯きりしてソース鍋に投入し、加熱しながら、数十秒、一気にかき混ぜて余分な水分を飛ばし、乳化させてパスタと絡め、塩胡椒で味を調える。
- 器に盛り、下ろしたパルミジャーノ・レッジャーノをかけ、Mix胡椒を荒く挽きかけて完成(下写真)。
※ベランダ菜園のハーブが養生中で香葉は当面無しです。
先週に続き又週末に遠出をして、野のキノコを少し採取してきました。
ハナイグチやキノボリイグチ、ヌメリササタケ、ツバアブラシメジなどヌメリのあるキノコが多かったのだけれど、採取してきた中の数少ないヌメリの無いキノコを使ってアーリオオーリオ系のパスタにすることにしました。
使ったキノコはアンズタケ1本、オオカシワギタケ2本、アイシメジ2本(下写真)。
この3倍位あるといいのだけれど、無いものはしょうがない。
すこし小さく解して使います(下写真)。
[野のキノコと鶏とキャベツのスパゲットーニ、アーリオオーリオ仕立て]
Spaghettoni con funghi selvatici,pollo e cavolo all'aglio e olio.
(スパゲットーニ ・コン・フンギ・セルヴァーティチ・ポッロ・エ・カーボロ・アッラーリオ・エ・オーリオ.)
- 鶏肉は小間に、ピーマンは粗微塵、キャベツは太い葉柄と葉を切り分け、太い葉柄は1cm幅に刻み、葉は4~5cm幅くらいに手で千切る。
- スパゲットーニ(この日はΦ2.1mm)は1%の茹で塩で茹でる。
- ソース鍋にE.X.オリーブオイル、刻んだ唐辛子(この日は自家産のチレ・アルボル:Chile de Arbol)、小間に切った鶏肉を入れ、鶏肉に火を通す。
- 微塵切りしたニンニクをソース鍋に加え、ニンニクの香りを油に移す。ニンニクは焦がさない。
- スパゲットーニの茹で上がり3分前にソース鍋にアンチョビー魚醤を加え(一人分あたり小さじ1)、中火で魚醤臭さを飛ばす。
- 魚醤臭さが飛んだらスパゲットーニの茹で湯をソース鍋に加える(大匙3杯/一人当たり)。
- スパゲットーニの茹で上がり2分前にキャベツの太い葉柄、1分前に残ったキャベツの葉部分と微塵切りピーマンをパスタ鍋に投入し、一緒に茹でる。
- スパゲットーニの茹で上がり2分前にソース鍋にキノコを加え火を通す。
- 茹で上がったスパゲットーニをキャベツ、ピーマンと一緒に湯切りしてソース鍋に加え、強火で数十秒、一気にかき混ぜて余分な水分を飛ばしながら、乳化させてパスタと絡め、塩胡椒で味を調える(アンチョビー魚醤を使っているので多分塩は不要)。
- 皿に盛り、下ろしたパルメジャーノ・レッジャーノをかけ、黒胡椒を粗く挽きかけて完成(下写真)。
※ベランダ菜園のハーブが養生中で香葉は当面無しです。
八百屋キノコと違って野のキノコはやっぱり絶品。
特にキノコの種類が良かった所為もあるけれど、数種類合わせると、美味さも引き立ちます。
こんな美味しいパスタならいつでも食べたいけれど、野のキノコはそうそう手に入らないし、オオカシワギタケなどはそんなに沢山捕れるキノコでもないのですナ。
使った唐辛子(アルボル)も良かったかな。
この唐辛子は日本では手に入らないけれど、香り高くてお気に入りです。
長期熟成だぶか長期熟成ヘシコが妙に食べたい日。
夕食にお茶漬けで食べることにしたけれど、それはそれ、夕食まではとても待てない。
お昼の賄いパスタにすることにしました。
探してみたら長期熟成だぶは在庫無し・・・そう言えば完食したのでまた作らなきゃって思っていたのだった。
ヘシコの在庫は消費中のものがいくつかあるので、食べる分をスライス。
このヘシコはこの時頂いたものですから、我が家に来てからだけでも4年と4ヶ月と7日。
勿論、賞味期限なんてと~~~っくのとうに過ぎているけれど、この手の保存食品は、保存の仕方さえ間違わなければ、冷蔵保存でずっと持つ上、熟成も進んで旨さも増します。
実際、断面の色だけは時間の経過に合わせてメイラード反応(Maillard reaction)で濃くなっているけれど、品質はびくともしていません(下写真)。
この長期熟成ヘシコを使ったペペロンチーノパスタに仕立てました。
[ スパゲトーニのヘシコを加えたアーリオ・オーリオ・ペペロチーノ ]
Spaghettoni all'aglio, olio, peperoncino e "heshiko".
スパゲトーニ・アッラーリオ・オーリオ・ペペロチーノ・エ・ヘシコ
- 糠を除き(丁寧に除かなくても可)スライスしたヘシコは粗く刻む。
- ソース鍋にE.X.オリーブオイル、刻んだ唐辛子(この日は自家産鷹の爪)、スライスしたニンニクをソース鍋に入れ弱火で加熱し、ニンニクの香り、唐辛子の辛味をオイルに移す。ニンニクは焦がさない。
- スパゲットーニ(この日はΦ2.1mm)は1%の茹で塩で茹でる。
- スパゲットーニの茹で上がり4分前にソース鍋に刻んだヘシコを加え、少し崩すように炒める。
- スパゲットーニの茹で上がり2分前にソース鍋に茹で湯(大匙3/1人当たり)を加える。ここではまだ乳化させない。
- 茹で上がったスパゲットーニを湯切りしてソース鍋に加え、強火で数十秒、一気にかき混ぜて余分な水分を飛ばしながら、乳化させてパスタと絡め、味を見て塩を加える(ヘシコを使っているので多分塩は不要の筈)。
- 皿に盛り、刻んだ香り葉(この日はイタリアンパセリ)を散らして完成(下写真)。
長期熟成させたこの手の食材を使ったパスタは、妙に後を引く旨さがあります。
家内がキノコが沢山出ている公園があると見つけてきました。
家から近い公園ですが、マイキノコスポットには入っていない公園です。
早速チェックに行って来ました(この記事)。
見かけたのはチチアワタケ、ヒメコウジタケ、テングタケ、ニオイワチチタケ、ヒロハチチタケ、カワリハツ、アカモミタケ、キチャハツ、クロハツモドキ、アイバシロハツ、カレバキツネタケ、ウラムラサキ、アンズタケ、トキイロラッパタケ、ミイノモミウラモドキ、ズキンタケ、マンネンタケなど。
あまりパッとしたキノコはなかったけれど、ウラムラサキとズキンタケの綺麗な写真が撮れたのでまあまあラッキー。
取りあえず食材用にアンズタケを採って来ました(下写真)。
アンズタケはフランスではジロール(girolle)と呼ばれる人気の食用キノコで、アンズの香りがします。
でもセシウム137などの放射性金属を蓄積しやすい性質があることや、猛毒ドクツルタケなどの毒成分アマトキシン類を極々微小ながら持っていることが判明し、従って極端な多食は控えた方が良いようです。
採って来た位の量をたまに食べる程度なら何の問題もありません。
翌日の昼食でアンズタケのパスタに仕立てました。
これまではアンズタケとの相性が良いクリーム系にしていたのですが、この日はオイル系にしてみました。
アンズタケはフランスではジロールですがイタリアではガッリナッチョ(gallinaccio)と言います。
[ アンズタケのスパゲッティーニ、アーリオ・オーリオ仕立て ]
Spaghettini all'aglio, olio e funghi gallinaccio.
スパゲッティーニ・アッラーリオ・オーリオ・エ・フンギ・ガッリナッチョ
- アンズタケはサッと土汚れを洗いキッチンペーパーで水気を切る。
- スパゲッティーニ(この日はΦ1.6mm)は1%の茹で塩で茹でる。
- E.X.オリーブオイル、刻んだ自家製ベーコン、スライスしたニンニクをソース鍋に加え加熱し、ニンニクの香りを油に移す。
ニンニクは焦がさない。 - パスタが茹で上がる2分前にバターを一欠け、パスタの茹で湯(大匙4/1人当たり)、アンズタケを入れて火を通す。
- 茹で上がったパスタを湯きりしてソース鍋に投入し、加熱しながら、数十秒、一気にかき混ぜて余分な水分を飛ばし、乳化させてパスタと絡め、塩胡椒で味を調える。
- 器に盛り、下ろしたパルミジャーノ・レッジャーノをかけ、刻んだ香り葉(この日はイタリアンパセリ)を散らし、Mix胡椒を荒く挽きかけて完成(下写真)。
街の公園で普通に収穫できる自然の恵みに感謝♪
自家製のグアンチャーレが最近とみに美味しくなって尾を引きます。
今使っているものはこの時仕込んだものなので、仕込みから9ヶ月と10日ほど、完成からは(この記事)8ヶ月と10日ほどになります。
その間冷蔵保存で長期熟成。
熟成が進んで大分美味しくなって来たのでしょう。
この日の昼食は、グアンチャーレの脂の旨さが十分に出るパスタ、グリーチャにしてみました。
グリーチャは別名「白いアマトリチャーナ(Pasta all'amatriciana in bianco.)」とも言われ、トマトがイタリアに伝わる前のアマトリチャーナの原型です。
グアンチャーレの脂を加熱で十分に溶かし、パスタに纏わりつかせます。
[ グリーチャ ]
Spaghettoni alla gricia.
スパゲトーニ・アッラ・グリーチャ
- スパゲットーニ(この日はΦ2.1mm)は1%の茹で塩で茹でる。
- ソース鍋にE.X.オリーブオイル、粗くカットしたグアンチャーレ、少しの唐辛子を入れて、弱火でじっくりとグアンチャーレの脂を溶かす。
- 脂が十分溶け出したら、粗い微塵に切った玉葱(中半分/2人分くらい)を加えて炒める。
- スパゲットーニの茹で上がり3分前に、ソース鍋に白ワイン(大匙2/1人当たり)、パスタの茹で湯(大匙4/1人当たり)を加える。
- 茹で上がったスパゲットーニを湯切りし、ソース鍋に加え、加熱しながら、数十秒、一気にかき混ぜて乳化させてパスタと絡める。
- 火を止め、下したパルミジャーノ・レッジャーノをタップリと加えてパスタと和え、塩胡椒で味を調える。
- 皿に盛り、さらに下したパルミジャーノ・レッジャーノをかけて完成。
パスタに纏わりついたグアンチャーレの脂が何とも存在感を出して、美味しいです。
この手のパスタは、パンチェッタやベーコンでは絶対に代用出来ませんネ。
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