続47・野のキノコ(トリュフが採れたゾ♪)
時々は山菜も加わります。
勿論まだ知識不足ですから、推定できなかったり、推定間違いだったりすることも多い筈です。
掲載したキノコや山菜のそんなケースで、正しい名前をお判りの方がおられましたら、ぜひにも教えて頂けると大変嬉しいのです。・・・宜しくお願いいたしますm(_ _)m
なお、この記事で食べられる、又は食べたと掲載したキノコや山菜の安全を保障するものではありません。
特にキノコは食菌と知られていても、人によっては中毒を起こしたりすることもあります。
野のキノコや山菜を食べて楽しむのはあくまで自己責任でお願いいたします。
※全ての写真は、クリックすればより大きなサイズでご覧になれます。
10/22日(土)
この日は、八王子市で行われた東京きのこ同好会が主催する「秋のきのこ観察会」に参加しました(下写真)。
※観察会は地権者、又は管理人さんに事前に許可を取って行われています。
まずはヒラタケから。
このヒラタケ、倒木に発生していたのだけれど、外観をみると栽培種の胞子が飛んできて根付いたもののようです(下写真)。
ヒラタケ科ヒラタケ属ヒラタケ(食菌)
学名:Pleurotus ostreatus (Jacq.) P. Kumm.(プレウロトゥス・オストレアトゥス)
属名Pleurotusは「側耳」、種小名ostreatusは「牡蠣の」の意味。
こちらはムジナタケ(下写真)
ナヨタケ科ナヨタケ属ムジナタケ(可食)
学名Psathyrella velutina (Pers.) Singer(プサティレッラ・ウェルティナ)
属名Psathyrellaは「壊れやすい」、種小名velutinaは「ビロード状の」の意味。
新分類でヒトヨタケ科(Coprinaceae コプリナケアエ)からナヨタケ科に変わりました。
ヒメツチグリ科ヒメツチグリ属シロツチガキ(食不適)(下写真)
学名:Geastrum fimbriatum Fr.(ゲアストルム・フィムブリアトゥム)
属名Geastrumは「土+星」、種小名fimbriatumは「フリンジが付いた」の意味。
ムラサキシメジもありました(下写真左:傘表、下写真右:傘裏)。
キシメジ科ムラサキシメジ属ムラサキシメジ(食菌)
学名:Lepista nuda (Bull.) Cooke(レピスタ・ヌーダ)
種小名nudaはヌード(裸)の意味で、傘表面の特有な滑らかさに由来するそうです。
かなり巨大なスッポンタケ(食菌)?の幼菌(下写真)
ここでは何個も出ていて、3個だけ収穫。
何と、こんな立派なシイタケが生えていたのです(下写真)。
勿論シイタケ原木ではなく、自然の切り株に発生していたのですが、あまりにも綺麗なシイタケなので、どう見ても栽培種の胞子が飛んできてできたものと思われます。
ツキヨタケ科シイタケ属シイタケ(食菌)
学名:Lentinula edodes ( Berk.) Pegler.(レンティヌラ・エドデス)
種小名edodesはギリシャ語のedodè(食物)から「食物の」の意味。
誰でも知っているシイタケだけれど、その所属科はキシメジ科やハラタケ科、ホウライタケ科など別説があります。
こちらはアンズタケ。
フランスではジロール(girolle)と呼ばれる人気の食用キノコです(下写真)。
アンズタケ科アンズタケ属アンズタケ(食菌)
学名:Cantharellus cibarius Fr(カンタレッルス・キバリウス)
種小名cibariusはラテン語で「食用の」という意味。
タマバリタケ科ナラタケ属クロゲナラタケ(食菌)(下写真)
学名:Armillaria cepistipes Velen.(アルミラリア・ケピスティペス)
ヒメヒガサヒトヨダケ(下写真)
ナヨタケ科ヒメヒガサヒトヨタケ属ヒメヒガサヒトヨタケ(食不適)
学名:Parasola plicatilis (Curtis) Redhead, Vilgalys et Hopple(パラソーラ・プリカティリス)
属名Parasolaは「日傘」の意味、そして種小名plicatilisは「ヒダを付けた」を意味します。
新分類でヒトヨタケ科ヒトヨタケ属からナヨタケ科ヒメヒガサヒトヨタケ属に変わりました。
スッポンダケと思われた幼菌を、一番大きいのを残してカットしてみました。
間違いなくスッポンタケのようです(下写真)。
各自サンプル採取したキノコを集めて鑑定会を行います。
鑑定後、鑑定を行った先生方の説明ありました。
※鑑定後、キノコは全て集められて放射線量測定にかけ、八王子市の野生キノコの放射線量データとなります。
いつものように、この日見たキノコを確認できる範囲でメモしておきます(アイウエオ順)。
アオゾメタケ、アクイロウロコツルタケ、アシナガタケ、アシナガタケの仲間、アンズタケ、ウスヒラタケ、ウチワタケ、ウラムラサキ、エリマキツチガキ、オニナラタケ、カイガラタケ、カラカサタケ属、カレエダタケモドキ、キアシグロタケ、クサウラベニタケ、クロゲナラタケ、クロラッパタケ、コカブイヌシメジ、コバヤシアセタケ、コブアセタケ、サナギタケ、シイタケ、シラガツバフウセンタケの仲間、シロタマゴテングタケ、シロツチガキ、シロハツ、スギエダタケ、スジチャダイゴケ、スッポンタケ、チチタケの仲間、チャワンタケの仲間、ドングリキンカクキン、ナラタケモドキ、ニッケイタケ、ノウタケ、ノボリリュウタケ、ハナウロコガサ、ハナサナギタケ、ヒイロタケ、ヒメヒガサヒトヨタケ、ヒラタケ、フウセンタケ属、フクロツルタケ、ベニヒガサ、ホウロクタケ、ホコリタケ、ミヤマタマゴタケ、ムジナタケ、ムラサキシメジ、モリノハダイロガサ、ユキラッパタケ、ワタゲナラタケ
野のキノコではないけれど、原木マイタケのその後の話。
5月の白樺湖オフ会「山上げ会」の折、Miyakoさんから自作のマイタケ原木を頂いて、帰ってきてからプランターに伏せ込みしていました(この記事)
北のベランダに置き、乾かないように時々水をあげていたのですが、10/2日に橙色のモコモコとしたものが2個飛び出していたのを発見したのです(下写真)。
舞茸が発生する直前の状態がこれ?
舞茸に関してNETで調べてもこんな画像は出てこないし、友人は違うというし・・・マイタケに関係ないとすればこの正体不明のスットコドッコイは一体何だ~!(笑)
触ると固いのです。
掘って確かめたいけれど、それが原因で出るものが出なくなっては大変だ。
気づかない内に一気に出た位成長が早いのだから2、3日もすれば判るに違いないと待ったのです。
・・・・・
2、3日が過ぎ、8日9日10日経ち・・・成長がピタリととまったまま何の変化も無いのですな。
出るとすれば10月中くらいまでと言われた時期も過ぎ、11/10日にはすこし萎びて小さく、色も濃くなってしまいました(下写真)。
流石に今年はもう出ないだろうから、このモコモコの正体を確かめることにしたのです。
赤玉土を少しづつ取り除いてみると、中は萎びてなく長く伸びて原木まで続いていたのです。
色も原木と同じ色です。
やっぱりマイタケが発生する部分のように思えます(下写真)。
そっと赤玉土を戻しておきました。
今年は無理だったけれど、来年こそは発生する・・・かな♪
11/16日(水)
平日だけれどこの日は仕事を休んで、東京きのこ同好会の有志数名で行っている、学名と分類関係の勉強会に出席してきました。
会場の脇で、ムラサキシメジ(食菌)とシロシメジ(食菌)を見つけたので、ついでに採取してきました(下写真)。
11/20日(日)
この日は、私の住んでいる町で野生のトリュフ探索。
「えーっ!日本でトリュフが採れるの~?」って思う方も多いと思うけれど、日本でもトリュフ(セイヨウショウロ属)は少なくとも5グループ、20種あるのが判明しているそうです。
日本で採れた黒トリュフの画像を見て以来、ここ4年程探してはいるのだけれど、皆目見つからない。(^^;ゞ
そんな折、日本で一番国産トリュフを見つけている地下生菌の大家、中島稔氏に案内して頂けるという機会があり、喜び勇んで参加したのです。
この日のメンバーは中島さんと東京きのこ同好会のトリュフに目が眩んだ物好き7名(私を含んで)の総勢8名。
待ち合わせの場所に向かう道すがら、キノコを発見。
キシメジ科キシメジ属シロシメジ(食菌)(下写真2枚)
学名:Tricholoma japonicum Kawamura(トリコローマ・ヤポニクム)
属名のTricholomaは「縁に毛のある」、種小名japonicumは「日本産の」の意味。
食べられるけれど苦みがあって、それ程美味しいって訳じゃないので、私は食べません。
全員と合流し、早速探索開始。
凄い! 探す場所も、探し方も全く違うゾ (◎_◎;)
早速見つかったのはヒメノガステル属(Hymenogaster)の一種(下写真)
この地下生菌は、ワカフサタケ属と近縁なのだそうです。
そして、何だかあっけなく目的のトリュフを発見(下写真)。
もっとも、中島さんが既に見つけているシロで探しているのだから、あっけなく見つかっても当たり前なのだけれど、でもこの場所は私はしょっちゅうキノコ眼で見ながら歩いている所です。
要は闇雲に探したって見つからないってことだな(笑)
黒トリュフと呼ばれるものは一種類だけではなく、通称ペリゴールトリュフ、冬トリュフ、夏トリュフ、紫トリュフ、あるいは秋トリュフ、中国トリュフ、インドトリュフ等があり、この発見したトリュフ(イボセイヨウショウロ)はいわゆるインドトリュフになります。
セイヨウショウロ属イボセイヨウショウロ(広義)(食菌)
学名:Tuber indicum Cooke & Massee(トゥベル・インディクム)
種小名indicumは「インドの」の意味。
前記した国内で採れるトリュフ5グループの中のメラノスポルム(Melanosporum)というグループに属する種となります。
(広義)と記述している理由は、国内で採れるイボセイヨウショウロがDNA解析の結果で2種類に分かれることが判明したようなのです。
そしてその内の一種は新種の可能性が高いのだそうですから、ゆくゆくは新しい学名で単離されることになるのだと思われますが、顕鏡判定も含め形態的な特徴で見分けるのは困難だそうで、いちいちDNA鑑定が必要ならそれも困ったことですナ(笑)。
セイヨウショウロの仲間は、チャワンタケやアミガサタケなどで知られる子嚢菌が進化の過程で地下に潜った地下生菌。
子嚢菌は胞子を入れた子嚢という袋を表面に持つキノコ。
地下に入るために子嚢のある表面を内側に包み込み、さらに子嚢のある表面積を増やすために脳細胞のように表面を幾重にも畳み込み、その結果、断面に見える大理石模様になったのですナ。
又別の所でも次々見つかりました(下写真2枚)
中島さんには地下生菌が好む木の種類、嫌う木の種類、適する土や枯れ葉の状態、木のどの辺をどう探すかなど、実地で詳しく教えて頂きました。
それに合致した場所で必ず採れるって訳じゃないけれど、闇雲に探すより、可能性の高い場所を重点的に探したら、的中率も全然違ってくる筈。
教えて頂いたシロは荒らさないで、このトリュフが有りそうな場所のパターンだけをしっかり覚えて、私だけのMyトリュフスポットを開拓しようと思います。
場所を移動して他の場所も探索。
これは多分ハタケチャダイゴケ?(下写真左)。
カップの中は空のようですから、ペリジオール(Peridioles)はみな飛び出した後なのでしょう。
ハラタケ科 チャダイゴケ属ハタケチャダイゴケ(食不適)
学名:Cyathus stercoreus (Schwein.) De Toni(キヤトゥス・ステルコレウス)
新分類でチャダイゴケ目チャダイゴケ科からハラタケ目ハラタケ科に変わりました。
そしてこの時期多いカキシメジ(下写真右)
美味しそうな外観のため食中毒が多い毒菌です。
キシメジ科キシメジ属カキシメジ(毒菌)
学名Tricholoma ustale (Fr.) P. Kumm.(トリコローマ・ウスターレ)
種小名ustaleは「焼けた」の意味で、このキノコの色に由来します。
タマチョレイタケ科チャミダレアミタケ属エゴノキタケ(食不適)(下写真左:傘表、下写真右:傘裏)
学名:Daedaleopsis styracina (P.Henn. et Shirai) Imazeki(ダエダレオプシス・スティラキナ)
属名のDaedaleopsisは「迷路状の」の意味。実際この属のキノコはヒダが迷路状です。
種小名styracinaは「エゴノ木に生える」の意味。
割れた地下生菌がありました(下写真左:割れた地下生菌、下写真右:断面)。
中島さんによれば、担子菌であるベニタケの仲間が地下生菌になったもので、割れて胞子を撒いている状態のものとのこと。
なんと希少な高級キノコのショウロ(松露)も見つかりました(下写真)。
ショウロは担子菌のイグチの仲間から進化の過程で地下生菌になったもの。
地下生菌同士はみな近縁に思いがちだけれど、色々なキノコから別々に地下生菌化していているため、外見は似ていてもそれぞれ全く系統が異なる所がとても興味深いところです。
ショウロ科ショウロ属ショウロ(食菌)
学名:Rhizopogon roseolus (Corda) Th. Fries(リゾポゴン・ロセオルス)
属名のRhizopogonはギリシャ語の根(Rhiz-)ヒゲ (-pogon)から来ていて、この属の多くの種の子実体で見られる根状菌糸束に由来しています。
そして種小名のroseolusは淡紅色の」の意味。
実際、掘り出したり傷つけたりすると淡紅色に変わります。
切って見ました。
断面は真っ白で、ちょうど食べるには最高の状態です。
種小名の通り、断面の一部が少し淡紅色に変化しました(下写真)。
カワタケ科カワタケ属ツクシカワタケ(食不適)(下写真2枚)
学名 : Peniophora nuda (Fr.) Bres.(ペニオフォラ・ヌーダ)
※あるいはカミウロコタケかスミレウロコタケかも知れません。
ホコリタケも胞子を放出している真っ最中(下写真左)。
ハラタケ科ホコリタケ属ホコリタケ(幼菌は食菌)
学名:Lycoperdon perlatum Pers.(リコペルドン・ペルラトゥム)
属名Lycoperdonは「狼の屁」、種小名perlatumは「広く拡散する」の意味。
スッポンタケもありました(下写真右)
スッポンタケ科スッポンタケ属スッポンタケ(食菌)
学名:Phallus impudicus Linnaeus(ファッルス・イムプディクス)
属名のPhallusは「勃起した陰茎」、種小名impudicusは「羞恥心のない」という意味。
と言うことですから、「恥知らずにも勃起したペニス」という学名になります。
まあ形が形だからしょうがないとしても、こんな学名を付けるヨーロッパ人の下ネタ好きさは、奥ゆかしい日本人には到底理解の外です(笑)。
この季節、あちこちで見られるムラサキシメジ(下写真)。
学名等は前述。
実に有意義なトリュフ探索会、いや地下生菌観察会でした。
ご案内&ご指導頂いた中島稔さんに感謝申し上げます。m(_ _)m
教えて頂いたことと、発生環境をこの目で見たことで、今後は自分でも探せる・・・かな?
折角ですから、ムラサキシメジ(下写真左)と黒トリュフ(下写真右)を食用に採取してきました。
黒トリュフはもうしっかり黒トリュフ特有の香りがしています。
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