続48・野のキノコ
時々は山菜も加わります。
勿論まだ知識不足ですから、推定できなかったり、推定間違いだったりすることも多い筈です。
掲載したキノコや山菜のそんなケースで、正しい名前をお判りの方がおられましたら、ぜひにも教えて頂けると大変嬉しいのです。・・・宜しくお願いいたしますm(_ _)m
なお、この記事で食べられる、又は食べたと掲載したキノコや山菜の安全を保障するものではありません。
特にキノコは食菌と知られていても、人によっては中毒を起こしたりすることもあります。
野のキノコや山菜を食べて楽しむのはあくまで自己責任でお願いいたします。
※全ての写真は、クリックすればより大きなサイズでご覧になれます。
3/24日
トガリアミガサタケが出始まったとの声も聞こえてきたこの時期、私の周りではキノコらしいキノコはまだ欠片もない状態。
全くキノコらしくは無いけれど、雑木林の枯れ枝の表面をルーペでよく見たら、直径1~1.5mm位のこんなキノコがありました(下写真)。
これは多分、スティクティス科クリプトディスクス属ロパロイデス(Cryptodiscus rhopaloides Sate)か・・・な
属名Cryptodiscus(クリプトディスクス)の意味は、ラテン語で、Crypto-(隠れた)+discus(円盤)。
成程ね!ただの枯れ枝もルーペで良く見たら、こんな円盤が隠れていたって訳です。
種小名rhopaloides(ロパロイデス)の意味は、rhopalo-(棍棒の)+-oides(~に似ている)。
それが由来かどうかは判らないけれど、上から見たらラッパ型も、横から見ると確かに棍棒型ではあります。
こちらは5~10mm位で、シジミタケ科 シジミタケ属クロゲシジミタケ(Resupinatus trichotis (Pers.) Sing.)(下写真)
属名Resupinatus(レスピナトゥス)はラテン語で「背着性の」の意味。実際裏面(ヒダ面)を上にしています。
種小名trichotis(トリコティス)は「毛の」の意味で表面は毛が生えています。
ちょっと下がっている針の長さが短いけれど、これは多分シワタケ科アカギンコウヤクタケ属サガリハリタケ(Radulodon copelandii (Pat.) N. Maek. )(下写真)
属名Radulodon(ラドゥロドン)の意味は・・・多分ラテン語で、Radula(ヤスリ)+-odon(~の歯)
種小名copelandii(コペランディイ)はアメリカの生物学者Copeland, Herbert F.氏への献名
キノコらしいキノコが無い時こそ、こんな地味なキノコに目を向ける数少ない機会です(笑)。
4/1日
桜も少し咲き始めたけれど、通常のアミガサタケより先に出るトガリアミガサタケも全く出ないのです。(^^;ゞ
こちらはディプロシスティス科ツチグリ属ツチグリ(Astraeus sp.又はAstraeus hygrometricus [non (Pers.) Morgan] sensu auct. jap.)(下写真)。
和名のツチグリは、従来はAstraeus hygrometricus (Pers.) Morganとされていたのだけれど、DNA解析の結果それとは違うことが判ったものだから、ツチグリ属の不明種(Astraeus sp.)とするか、又は日本の著者が使っている意味( sensu auct. jap.)でのAstraeus hygrometricusであって、Astraeus hygrometricus (Pers.) Morganではないよってことですナ。
こちらはカンゾウタケ科ヌルデタケ属ヌルデタケ(Porodisculus pendulus (Fr.) Murrill (1907))(下写真)
属名Porodisculus(ポロディスクルス)はPorodiscusの愛称で、ギリシャ語で「気孔、細孔のある輪」。
種小名pendulus(ペンドゥルス)はラテン語で「下垂した」の意味で、実際少し下方を向きます
これはヒメキクラゲ科ヒメキクラゲ属タマキクラゲ(Exidia uvapassa Lloyd (1918))(下写真)
属名Exidia(エクシディア)は「滲み出る」の意味。
種小名uvapassa(ウウァパッサ)はラテン語でレーズン(Uva Passa)の意味と思われますが、確かに干しブドウのような外観ですからこの意味で妥当でしょう。
こちらは一応食菌だけれど、大抵の人はまず食べない・・・かな。
4/10日
昨年はこの日が年初のアミガサタケとハルシメジだったなあと(この記事)気が付き、マイスポットを回ったけれど、全く出ていません。
でも土筆が出ていたので代わりに採取してきました(下写真)。
早速、袴を取って夕食に土筆のキンピラと(下写真)、
土筆の卵とじに(下写真)
年初の土筆、このほろ苦さが如何にも春の味でたまりません♪
4/18日
何だか今年のキノコは異常です。
ハルシメジもアミガサタケも全く出る気配がありません。
代わりにようやく出始めたイタドリを採取してきました(下写真)。
皮を剥いて一晩水にさらし、炒め煮に (レシピはこちら)(下写真)
イタドリって抜群に美味しいんですよ。
もともと持っている特有の酸味とシャキシャキっとした歯ざわりが実にいい。
でも美味しく食べるにはコツがあって、それは加熱し過ぎないこと。
火を通し過ぎるすぐとクタクタになってしまいます
4/20日
相変わらずハルシメジもアミガサタケも出て来ません。
キクラゲ(食菌)を見つけたけれど、小さすぎてもっと育つまでパスです(下写真)
キクラゲ科キクラゲ属キクラゲ(Auricularia auricula-judae (Bull.) Quél. (1886))
属名Auricularia(アウリクラリア)は、ラテン語でAuricula(耳)+-aria(~のような)
種小名auricula-judae(アウリクラ-ユダエ) はauricula(耳)+judae(ユダの、又はユダヤ人の)の意味。
4/24日
食べられない、又は食べる価値のないキノコですが、取りあえずようやくキノコらしいキノコが発生してきました。
ホウライタケ科モリノカレバタケ属の一種(Gymnopus sp.)(下写真左:傘表、右:傘裏)
属名Gymnopus(ギムノプス)はラテン語で、Gymno-(裸の)+pus(足、キノコの場合は柄)の意味。
この属の種の無毛な柄に由来しているのでしょうか。
ツキヨタケ科(Omphalotaceae)と記述しているサイトもあるのですが、近年ツキヨタケ科自体がホウライタケ科 (Marasmiaceae)のシノニム とされたので、どちらにしろ間違いではありません。
キノコらしいキノコを久々見たので、これは期待できるかもと、ハルシメジのスポットに行ってみたら、やっと発生していました♪♪
これは桜型ハルシメジ(ノイバラハルシメジ)で、このスポットでは毎年カリンの木の根元に発生します(下写真)。
イッポンシメジ科イッポンシメジ属ノイバラハルシメジ(Entoloma clypeatum f. hybridum)
属名Entoloma(エントロマ)のentoはギリシャ語のἐντόςで「内側」の意味、そしてlomaはλῶμ(α)で「縁、ヘリ」の意味で、 傘縁が内側に巻くことを言及しています。
種小名clypeatum(クリペアトゥム)はラテン語で「丸い盾」を意味します。
品種名hybridum(ヒブリドゥム)はいわゆるハイブリッド(hybrid)のことですが、ここでは一般的な「交配種の」という意味よりは「異なる要素を持った」ぐらいの意味でしょうか。
イッポンシメジ属は毒菌が多いのですが、これは美味しい食菌です♪♪
そして、やっとアミガサタケ類も発生していました~♪♪
これはトガリアミガサタケ(食菌、生は有毒)になるのでしょうか(下写真)。
アミガサタケ類内の細かな分類分けは微妙過ぎて自信がありません(味の違いも無いし、笑)。
トガリアミガサタケなら
アミガサタケ科アミガサタケ属トガリアミガサタケ(Morchella conica Pers. (1818))
属名Morchella(モルケッラ)は「キノコ」を意味する古いドイツ語のmorchelに由来。
種小名conica(コニカ)はラテン語で「円錐形の」の意味。
トガリアミガサタケではなく普通のアミガサタケなら
アミガサタケ科アミガサタケ属アミガサタケ(Morchella esculenta (L.) Pers. (1801))
種小名esculenta(エスクレンタ)はラテン語で「食用の」の意味。
こちらはヒロメノトガリアミガサタケ(食菌、生は有毒)?(下写真)
アミガサタケ科アミガサタケ属ヒロメノトガリアミガサタケ(Morchella costata Pers. (1801))
種小名costata(コスタタ)はラテン語で「肋のある」の意味。
この日の収穫は、アミガサタケ類が8本、ノイバラハルシメジが大小合わせ13本、イタドリがドッサリ(下写真)。
アミガサタケとハルシメジハは全部使って炊き込みご飯に(下写真)。
アミガサタケはこれまでクリーム系の洋風料理にだけ使っていたのだけれど、特段旨みがある訳じゃないし、食感だけで、何だか今一だなぁって思っていたのです。
初めて和風で使ってみたのですが、バターを少し加えた炊き込みご飯ではハルシメジより旨みがあって、凄く美味しかったのですナ。
バターとの相性良さは前から知っていたけれど、こんなに旨みがあるキノコだったなんて、ちょっと再認識です。
4/26日
年初のアミガサタケを採った2日後。
そろそろ又次のが出てるかなと見に行きました。
イタチタケがあちこちに出ていました(下写真左:傘表。右:傘裏)。
一応可食だけれど、食べるに値するかどうかは疑問。
ナヨタケ科ナヨタケ属イタチタケ(Psathyrella candolleana (Fr.) Maire (1937))
属名Psathyrella(プサティレッラ)はラテン語で、Psathyra+ella(小さいを表す接尾語)。
Psathyraはギリシャ語のpsathuros(砕けやすい、脆い)からきているので、「小さく脆い」の意味となります。
種小名candolleana(カンドッレアナ)はスイスの植物学者Augustin Pyramus de Candolle氏への献名。
この日の収穫はアミガサタケ類が14本(下写真)。
このスポットで、もう一回くらい採れるかな。
下のランキングに参加しています。記事がまあまあ良かったから応援しようという方、それ程でもないが今日は気分がいいから応援しようという方、俺ゃー心が広いから応援ばしちゃるという方、是非クリックして応援お願い致します。m(_"_)m |