続54・野のキノコ
常々キノコに詳しくなりたいと思っているので、それが食べられるキノコであろうと、食べられないキノコであろうと、散策に見かけたキノコは写真を撮って、知らないキノコなら後でNETや図鑑で調べ、できるだけ何のキノコであるか推定をしています。
時々は山菜も加わります。
勿論、推定できなかったり、推定間違いだったりすることも多い筈です。
掲載したキノコや山菜のそんなケースで、正しい名前をお判りの方がおられましたら、ぜひにも教えて頂けると大変嬉しいのです。・・・宜しくお願いいたしますm(_ _)m
なお、この記事で食べられる、又は食べたと掲載したキノコや山菜の安全を保障するものではありません。
特にキノコは食菌と知られていても、人によっては中毒を起こしたりすることもあります。
野のキノコや山菜を食べて楽しむのはあくまで自己責任でお願いいたします。
※全ての写真は、クリックすればより大きなサイズでご覧になれます。
11/26日
福井に来ています。
道脇の倒木にクロハナビラタケ(毒)が出ていました(下写真)。
さてこのクロハナビラタケの学名は、Ionomidotis frondosaとCordierites frondosusのどちらとすべきなのでしょう?
国内では、日本産きのこ目録2016や大菌輪などIonomidotis frondosaとしているのが大半ですが、Index Fungorumでは、Cordierites frondosusの方がCurrent Nameとされています。
ということですから、ここでは併記します。
ビョウタケ科クロムラサキハナビラタケ属クロハナビラタケ(黒花弁茸)
学名:Ionomidotis frondosa (Kobayasi) Kobayasi & Korf (1958)(イオノミドティス・フロンドサ)
属名Ionomidotisは、Iono-(紫色の)+midotis(Midotis属、Midotis Fr. 1828)の意味。
種小名frondosaは「広葉の」の意味で、広葉樹の朽木上に発生します。
ズキンタケ科ズキンタケ亜科クロハナビラタケ属クロハナビラタケ(黒花弁茸)
学名:Cordierites frondosus (Kobayasi) Korf (1971)(コルディエリテス・フロンドスス)
属名Cordieritesはフランスの医師&植物学者François Simon Cordierに対する献名か?
種小名frondosusの意味はfrondosaと同じ。
近くにスエヒロタケ(食不適)もありました(下写真2枚)。
この胞子によるアレルギー性気管支肺真菌症の報告が増えていますので、注意が必要です。
スエヒロタケ科スエヒロタケ属スエヒロタケ(末広茸)
Schizophyllum commune Fr. (1815)(スキゾフィッルム・コンムネ)
属名Schizophyllumは、schizo-(裂けた)+phyllum(葉、つまりヒダ)の意味。
種小名communeは「普通の、共通の」の意味。
3/29日
きのこの研究会で八王子に来ています。
午前はフィールドでの観察ですが、肝心のきのこがまるで無い。
1年中通して何処にでもあるニガクリタケ(猛毒菌)でも、見つけると何だかほっとします(笑)。(下写真)
モエギタケ科ニガクリタケ属ニガクリタケ(苦栗茸)
学名:Hypholoma fasciculare (Huds.) P. Kumm. (1871)(ヒフォロマ・ファスキクラレ)
属名Hypholomaは、Hypho-(菌糸の)+loma(縁)の意味。
種小名fasciculareは「束生の」の意味。
随分探し回って、やっと小さなアラゲコベニチャワンタケ(食不適)が見つかりました。
直径2mm位だけれど、スマホで撮って拡大して見てみたら、ちゃんとまつ毛(周縁の毛)が見えます(下写真)。
ピロネマキン科アラゲコベニチャワンタケ属アラゲコベニチャワンタケ(粗毛小紅茶碗茸)
学名:Scutellinia scutellata (L.) Lambotte (1887)(スクテッリニア・スクテッラタ)
属名ScutelliniaはScutella(皿、杯)+inia でしょうか?
種小名scutellataは「小さな盾のような」を意味します。
4/27日
やっとまともに雨が降った2日後の朝、ようやくマイスポットにハルシメジ(広義)が出ました(下写真2枚)。
これは毎年この時期にカリンの木の下に発生します。
梅の木の下に出るウメハルシメジ(食)ではなく、ノイバラハルシメジ(食)に分類されるタイプになるけれど、将来はさらに幾つかの種類に分かれることになる・・・かな。
イッポンシメジ科イッポンシメジ属ウメハルシメジ(梅春占地)
学名:Entoloma clypeatum (L.) P. Kumm. (1871)(エントロマ・クリペアトゥム)
属名Entolomaのentoはギリシャ語のἐντόςで「内側」の意味、そしてlomaはλῶμ(α)で「縁、ヘリ」の意味で、 傘縁が内側に巻くことを言及しています。
種小名clypeatumはラテン語で「丸い盾」を意味します。
ノイバラハルシメジは学名上はウメハルシメジの中のhybridum(ヒブリドゥム)という品種(f.,forma)という位置づけになっています。
イッポンシメジ科イッポンシメジ属ノイバラハルシメジ(野茨春占地)
学名:Entoloma clypeatum (L.) P. Kumm. f. hybridum(Romagn.) Noordel. (1981)(エントロマ・クリペアトゥム・フォルマ・ヒブリドゥム)
品種名hybridumはいわゆるハイブリッド(hybrid)のことですが、ここでは一般的な「交配種の」という意味よりは「異なる要素を持った」ぐらいの意味でしょう。
ついでにイタドリのマイスポットでイタドリを摘んできました。
マイスポットのイタドリもこれが今期最後になります(下写真:イタドリとハルシメジ)。
時々は山菜も加わります。
勿論、推定できなかったり、推定間違いだったりすることも多い筈です。
掲載したキノコや山菜のそんなケースで、正しい名前をお判りの方がおられましたら、ぜひにも教えて頂けると大変嬉しいのです。・・・宜しくお願いいたしますm(_ _)m
なお、この記事で食べられる、又は食べたと掲載したキノコや山菜の安全を保障するものではありません。
特にキノコは食菌と知られていても、人によっては中毒を起こしたりすることもあります。
野のキノコや山菜を食べて楽しむのはあくまで自己責任でお願いいたします。
※全ての写真は、クリックすればより大きなサイズでご覧になれます。
このシリーズの前回はこちら
11/26日
福井に来ています。
道脇の倒木にクロハナビラタケ(毒)が出ていました(下写真)。
さてこのクロハナビラタケの学名は、Ionomidotis frondosaとCordierites frondosusのどちらとすべきなのでしょう?
国内では、日本産きのこ目録2016や大菌輪などIonomidotis frondosaとしているのが大半ですが、Index Fungorumでは、Cordierites frondosusの方がCurrent Nameとされています。
ということですから、ここでは併記します。
ビョウタケ科クロムラサキハナビラタケ属クロハナビラタケ(黒花弁茸)
学名:Ionomidotis frondosa (Kobayasi) Kobayasi & Korf (1958)(イオノミドティス・フロンドサ)
属名Ionomidotisは、Iono-(紫色の)+midotis(Midotis属、Midotis Fr. 1828)の意味。
種小名frondosaは「広葉の」の意味で、広葉樹の朽木上に発生します。
ズキンタケ科ズキンタケ亜科クロハナビラタケ属クロハナビラタケ(黒花弁茸)
学名:Cordierites frondosus (Kobayasi) Korf (1971)(コルディエリテス・フロンドスス)
属名Cordieritesはフランスの医師&植物学者François Simon Cordierに対する献名か?
種小名frondosusの意味はfrondosaと同じ。
近くにスエヒロタケ(食不適)もありました(下写真2枚)。
この胞子によるアレルギー性気管支肺真菌症の報告が増えていますので、注意が必要です。
スエヒロタケ科スエヒロタケ属スエヒロタケ(末広茸)
Schizophyllum commune Fr. (1815)(スキゾフィッルム・コンムネ)
属名Schizophyllumは、schizo-(裂けた)+phyllum(葉、つまりヒダ)の意味。
種小名communeは「普通の、共通の」の意味。
3/29日
きのこの研究会で八王子に来ています。
午前はフィールドでの観察ですが、肝心のきのこがまるで無い。
1年中通して何処にでもあるニガクリタケ(猛毒菌)でも、見つけると何だかほっとします(笑)。(下写真)
モエギタケ科ニガクリタケ属ニガクリタケ(苦栗茸)
学名:Hypholoma fasciculare (Huds.) P. Kumm. (1871)(ヒフォロマ・ファスキクラレ)
属名Hypholomaは、Hypho-(菌糸の)+loma(縁)の意味。
種小名fasciculareは「束生の」の意味。
随分探し回って、やっと小さなアラゲコベニチャワンタケ(食不適)が見つかりました。
直径2mm位だけれど、スマホで撮って拡大して見てみたら、ちゃんとまつ毛(周縁の毛)が見えます(下写真)。
ピロネマキン科アラゲコベニチャワンタケ属アラゲコベニチャワンタケ(粗毛小紅茶碗茸)
学名:Scutellinia scutellata (L.) Lambotte (1887)(スクテッリニア・スクテッラタ)
属名ScutelliniaはScutella(皿、杯)+inia でしょうか?
種小名scutellataは「小さな盾のような」を意味します。
4/27日
やっとまともに雨が降った2日後の朝、ようやくマイスポットにハルシメジ(広義)が出ました(下写真2枚)。
これは毎年この時期にカリンの木の下に発生します。
梅の木の下に出るウメハルシメジ(食)ではなく、ノイバラハルシメジ(食)に分類されるタイプになるけれど、将来はさらに幾つかの種類に分かれることになる・・・かな。
イッポンシメジ科イッポンシメジ属ウメハルシメジ(梅春占地)
学名:Entoloma clypeatum (L.) P. Kumm. (1871)(エントロマ・クリペアトゥム)
属名Entolomaのentoはギリシャ語のἐντόςで「内側」の意味、そしてlomaはλῶμ(α)で「縁、ヘリ」の意味で、 傘縁が内側に巻くことを言及しています。
種小名clypeatumはラテン語で「丸い盾」を意味します。
ノイバラハルシメジは学名上はウメハルシメジの中のhybridum(ヒブリドゥム)という品種(f.,forma)という位置づけになっています。
イッポンシメジ科イッポンシメジ属ノイバラハルシメジ(野茨春占地)
学名:Entoloma clypeatum (L.) P. Kumm. f. hybridum(Romagn.) Noordel. (1981)(エントロマ・クリペアトゥム・フォルマ・ヒブリドゥム)
品種名hybridumはいわゆるハイブリッド(hybrid)のことですが、ここでは一般的な「交配種の」という意味よりは「異なる要素を持った」ぐらいの意味でしょう。
ついでにイタドリのマイスポットでイタドリを摘んできました。
マイスポットのイタドリもこれが今期最後になります(下写真:イタドリとハルシメジ)。
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