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さらしなの生一本(湯捏ね)に挑戦

〇2018 No.26 十割さらしな蕎麦(湯捏ね)2.5人前
 粉:高山製粉「御膳粉」265g
 加水60%(熱湯139g、水21g)
 ※手打ち麺は今年から1年通しのロットナンバーを入れています (2018 No.25はこちら

高山製粉の「玄挽」二八が成功して(2018 No.24)、御膳粉(さらしな粉)の二八も上手くうてました(2018 No.25)。
いよいよ残るは、どちらも難易度がSSS級の「玄挽」十割(水捏ね生粉打ち)と、さらしな生一本(湯捏ね)。
と言うことで、この日の昼に、まずはさらしな生一本(湯捏ね)に挑戦してみたのです。

難しい蕎麦打ちでも、最も難しい蕎麦の一つに入るさらしなの生一本は、全国でも打つ人が極めて少ない幻の蕎麦になります。
さらしな生一本を出す蕎麦屋さんをNETで調べると、全国でたった20店程。
ホームページを持っていなかったり、通常のメニューには無いけれど、予約では出せるという店を加えれば、多少は増えるだろうけれど、まあ多少程度です。

さて、取りあえず出来上がった幻のさらしな生一本から(下写真)。
茹では25秒。
味は抜群で、コシも強く、のど越しもいいけれど、とにかく旨みが強く、甘味も強い!
先日打った二八のさらしな蕎麦が、少しアホらしくなるような素晴らしい味。
やっぱり繋ぎの小麦の味は、蕎麦の味の邪魔をするのだな。



どうです?
真っ白でツヤツヤ♪
大根の千切りのように硬そうな、麺線エッジのシャープさは、十割さらしな蕎麦ならではです(下写真)。



長さもしっかり繋がっています(下写真)。



と、このように出来上がりだけ見ると大成功だったようだけど、実はちと違うのですww
実際打ってみて、その半端ない難しさにビックリ、打てる人が殆どいないのも頷けました。
水回し後の生地を纏めるだけでも大変。
結果的に纏まった生地はちょっと加水不足だったのだけれど、この澱粉糊で纏まっている生地は普通の蕎麦粉生地と違い、くくり途中で加水過多なのか不足なのか極めて判りづらいのです。
捏ね終わりの状態で、さすがに加水不足と思い、かなり手水を付けて少し捏ね直しましたが、何故そんなに加水不足になるのかに納得いかず、追加する水量に躊躇が出てしまいました。
前回二八で打った時、そして今回、冷蔵庫から御膳粉を室温に出して結露した分、御膳粉の持っていた水分が失われていたことと、特に今回は気温が高く、水回し時にどんどん乾燥していく水分の量が、想像を超えていたということなのでしょう(下写真)。



ヘソ出しで出したヘソを手で潰して、平らに均しただけで、周辺部にはもう割れが入っています(下写真)。
勿論原因は加水不足だけれど、捏ねる前のくくり途中で判らないとダメですね。

反 省:
  • さらしな粉生地でも、くくり途中で加水の過不足を判断できる技量、又は方法を身につける。
  • 結果的に加水不足を感じた時は、常識で躊躇せず、感覚に従いしっかり加水する。




延すだけでどんどん割れが入り、広がります(下写真)。


この生地(澱粉糊で繋がった生地)は、通常の麺棒を転がす延し方では全然ダメ。
ゆっくり押すように延すと割れが広がらないことに、途中で気が付きました。
丸延し自体も問題ありで、考えてみれば、グルテン繊維で編み込んだように繋がっている蕎麦生地と違い、単に澱粉糊の粘着性だけでくっついているさらしな粉生地では、円周方向の伸びを要求する丸延しで、割れが入るのは当然のような気がします。
又、今回は、全加水量の内87%程を熱湯、13%を水としたけれど、ただでさえ繋がらない生地ですから、全量を熱湯にして澱粉糊を出来るだけ多くする方が打ちやすい筈ですね。
打ちやすいと言えば、さらしな生一本(湯捏ね)は、多少ズル玉気味にした方が打ちやすいのかも知れません。

反 省:
  • 調整分を除き、加水量の全量を湯捏ね分とする。
  • 丸延しをせずに、最初から四角延しとする。
  • 加水不足の玉を作ること自体が問題だけれど、結果的に加水不足の玉になってしまった場合は、今回気づいた延し方(ゆっくり押すように延す)で延す。
  • 折り畳み箇所で切れる場合は、包丁長さの蕎麦で良しとする。
・・・かなww

取りあえず蕎麦に切った分。
加水不足で生地が固い分、すこし切れ気味に見えるけれど、茹でられた蕎麦は案外切れていませんでした(下写真)。



さて問題はこれだ!ww(下写真)
延す時に割れが出た周囲の部分や、蕎麦には出来るけれど短い蕎麦になりそうな部分は除外。
その除外した部分がこれになります。
御膳粉265gで打ったけれど、蕎麦になった部分は200g程でしょうか。
今回は歩留まりに大いに問題ありです(笑)
でもこれは、蕎麦カッケで美味しく頂くので勿論無駄にはなりません。


今回は、出来たさらしな生一本の蕎麦自体は合格だけれど、歩留まりが悪かった分、蕎麦打ちとしては不合格かなww。
よって今回は「クリアならず!!」

今回の反省で、次回は歩留まり良く、上手く打てそうな気がします。
早速リベンジをしたいけれど、残念ながら購入した「御膳粉」は今回で使い切りました。
なので、リトライは暫く後になるかな・・・

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Comments 6

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kasugai90

やはり、こうした物は試行錯誤ですよね~

duckbill21
duckbill

Re: タイトルなし

> kasugai90さん
大変難しい蕎麦なので、元々一発でうまくいくなんて期待していなかったのだけど、結構いい線いったのと、問題点を色々出すことが出来て、大変貴重なトライでした。

  • 2018/07/23 (Mon) 01:08
  • REPLY
akkyan

おお、すごい・・・出来ちゃってるじゃないですかあ。(^-^)b
見栄えも美味しそうですし、味にも満足されてるみたいですね。(^o^)

あ、うちも昨日はざるそばでしたよ。
もちろん、インスタントですけども・・・。(涙)
そばの香りってどこに置いてきたの?ってなヤツでした。(笑)

途中で気付きましたけど、やっぱり問題は歩留まりなんですね。f(^^;)
でも75%はいってるんですから、
30%くらいを価格に転嫁しちゃえば・・・。(激汗)

duckbill21
duckbill

Re: タイトルなし

> akkyanさん
蕎麦自体は出来ちゃったけど、蕎麦打ちとしては失敗でしょww

> あ、うちも昨日はざるそばでしたよ。
こんなに暑いとざるそばとはソーメンとか、そんなのがいいですね。

> 途中で気付きましたけど、やっぱり問題は歩留まりなんですね。f(^^;)
いや歩留まりというよりは、蕎麦打ちで歩留まりという言葉がでた時点でアウトかなぁww

> 30%くらいを価格に転嫁しちゃえば・・・。(激汗)
転嫁してして家内から徴収?怒りに点火しちゃうかも(爆)

  • 2018/07/24 (Tue) 00:50
  • REPLY
akicici

子供の頃食べた田舎そばが蕎だと刷り込まれているので、さらしな蕎には馴染めない私ですがとても美味しそうですね。

湯捏ねって、熱湯で粉の一部を蕎麦掻のように糊状にしてつなぎに利用する方法なのでしょうか?
それでも粘りが出なくてかものはし様を手こずらわすとは難攻不落のそば粉みたいですね。

最近話題のライスジュレなんてのがありますが、おかゆをミキサーで粉砕すると時間が経っても固まらないジュレ状になるのだそうです。
なぜそうなるか原理は解明できていないそうですが、湯コネに利用できそうな。

ミキサーに加水量の熱湯と更科粉の一部を入れて、そば糊のジュレを作って、それにそば粉を足して捏ねるなんて手法はどうでしょう?

duckbill21
duckbill

Re: タイトルなし

> あきちゃん
外側のそば殻まで挽いた「挽きぐるみ」、殻は除いて挽く「抜き」、中心の1番粉だけの「御膳粉(さらしな粉)」、各々特徴があって、どれも味わい深いものです。
機会があれば、さらしな蕎麦も出来れば十割を召し上がってみて下さい。中々美味しいですよ。
通常の蕎麦はたんぱく質グルテンで繋がりますが、さらしな粉はほぼ澱粉なのでグルテンは無く、従って熱湯で一部を糊状にしてそれで繋ぎます。
別に取り置いたさらしな粉で澱粉糊を作り、それをさらしな粉に混ぜて練り上げる「友繋ぎ」と呼ばれる方法。
あきちゃんの言う「そば糊のジュレを作って云々」はこの「友繋ぎ」法になりますね。
湯捏ねはそれを捏ね鉢の中で行う方法。
捏ね鉢にさらしな粉を入れて熱湯をかければ、熱湯に触れた部分は澱粉糊に変わります。
そのまま熱湯に触れていない部分の粉とを均一に混ぜ合わせて練り上げるのが湯捏ねです。
澱粉糊で繋がった生地は、元々粘りは弱く、小麦粉生地のように引っ張って伸びてきたりはせず、すぐ千切れます。
今回は粘りが出なかった訳では無く、最終的に捏ね上がった生地が少し水分不足だっただけですね。
まあ難易度が超高いさらしな生一本なので、初めて打つ一回目はこんなものでしょう(笑)
次回はもう普通に打てると思います。v(^^)v

  • 2018/07/25 (Wed) 23:23
  • REPLY