ストック用自家製トマトソース
トマトソースの瓶詰め長期保存仕様
煮沸殺菌した保存瓶に出来上がったばかりの熱々のトマトソースを詰め、蓋のちょい下位までのお湯にいれ
25分間煮沸する。蓋は閉めず、軽く乗せているだけ。
トマトソースは出来るだけ瓶に一杯に入れ(といっても温度上昇によるトマトソースの膨張分を少しだけ残す)、内部の空気容積を減らす。
25分という数字に何か絶対的な意味がある訳ではない。
この蓋をする前の加熱の目的は殺菌ではなく(殺菌は蓋を閉めてからの煮沸で十分)、脱気である。
いくら熱々のトマトソースとはいえ、瓶に詰める作業だけで85~90℃程度に温度は下がる。
つまり25分という煮沸時間は、この下がった温度を、25分くらい又加温すれば、再度瓶内温度をほぼ100℃まで上げることができるだろうということから来ている。
直接火にかけるわけではなく、100℃の沸騰湯で間接加温するのであるから、瓶内温度を同じ温度にするには、思っているより時間がかかる。
トマトソースではなく、瓶詰めが素早くできないものなら、瓶詰め後はさらに瓶内温度が下がるのであるから、もっと時間を掛けなければならない。
25分煮沸したら急いでお湯から出し、急いで蓋を完全に閉めて今度は逆さにお湯に戻す。完全にかぶる位お湯を足して、25分ぐらぐら煮沸する。
ここでの目的は今度は完全殺菌だ。瓶内部も100度になっており、完全な滅菌状態となる。
瓶内の空気は100℃になるにつれ急激に膨張する。従って、蓋を閉める直前には内部温度を殆ど100℃ にしておかないとまずい。
どうせ後でまた煮沸するからと、温度が多少低い状態で蓋を閉めて煮沸すれば、煮沸 中に瓶内の空気が急激に膨張し、内部が高圧になるので、瓶が割れたりすることもあり危険だ。
お湯から出し、逆さま状態で冷ます。
内部の温度が下がるにつれ収縮するので蓋が凹んでくる。
これが中がほぼ真空で密封されている証拠なので、 蓋が凹んでいるのをチェックする。凹んでいなければ失敗であり保存には適さない。
腐敗は腐敗菌が増殖して腐敗させる。菌がなければ腐敗はしない。
中がほぼ真空で完全に滅菌され、その後外との空気の出入りも一切遮断されている(凹んだまま)のであるから、何時までたっても内部の菌数は0であり、従って蓋を 開けない限り常温で暗い所に長期保存が出来る。要は缶詰と同じである。
冷めたトマトソース瓶にシールを貼って、今回は熱収縮のキャップシールも付け、ドライヤーで収縮させ完成。 常温で1年間位長期保存が出来るトマトソースが今回は5瓶完成。
この後最低2ヶ月位常温で熟成させるとぐんと 旨みが増す。使用した保存瓶は先日仕込んだもの
一見似たように見えるビンでもこのような煮沸保存に使用できないものもあるので、要注意だ。
例えばこの100均に置いてある保存瓶。蓋は煮沸保存用の蓋ではあるけれど、瓶の方には蓋をキッチリ閉め るためのストッパーがない。
これは強く締めていくとまた緩んでしまうので、煮沸保存用の瓶としては不適格だ。
一方こちらは私が使っている保存瓶。この様にストッパーがあると煮沸保存用に使用できる。そして このストッパー位置まで必ずキッチリ閉めることが重要だ。
なお、脱気がしっかりされた瓶詰めは、瓶内部が殆ど真空となっています。
このため蓋を手で開けようとしても通常の力ではなかなか開けることが出来ません。
100円均一等で販売されているような、瓶を開ける道具を使用して開けてください。
私が使用しているものは下写真のようなもので、100円均一で購入(でも100円ではありませんでした)しました。
この道具を使用しても、1人で開けるのは中々困難です。私のところでは、瓶の下を誰かに押さえてもらって、2人がかりで開けます。
なお瓶を暖めれば、比較的簡単に開けることが出来ます。
なかなか面倒ですが、しっかり脱気した瓶詰めとはこのようなものです。