自家製ミラノサラミの味見
少し形が変なのは、豚膀胱を縫って作ったケーシングを使用しているため。
太い方と細い方2個の内、これは細い方のものです。
表面はしっかり白カビに被われて、これで仕込みから64日目になります。
切ってみました。
うん、出来てますね。
脂がもっと細かくてもいいけれど、まあまあいいバランス。
発色はいいです(下写真)。
でもクラテッロ(Culatello)で抜群の効果を発揮した豚膀胱ケーシングは、残念ながら殆ど効果を発揮していません。
豚膀胱は当然臭いのです。
これを白ワインで臭み抜きをするのですが、消し切れない膀胱臭、白ワインの香り、クラテッロの熟成香がアンサンブルされて、全く臭くは無い、ちょっとビックリするような良い香り、そして食べた全員が一人残らず大絶賛するどこか蠱惑的な香りに変ります。
わざわざ豚膀胱をミラノサラミのケーシングに使ったのは、通常のミラノサラミを作ろうとしたのではなく、新たなサラミ、クラテッロのような蠱惑的な香り高いサラミを生み出すためでした。
でも残念ながらこのミラノサラミ、単に白カビの香りなのです。(^^;ゞ
勿論、サラミとしては何の落ち度も無いどころか、しっかり白カビで覆われて白カビ香がするなら、サラミとしてはむしろ大成功なのですが・・・うーん、残念!!
さらに嫌な懸念がしてきました。
今回のミラノサラミが、もし白カビの香りが強くて、膀胱ケーシング由来のあの蠱惑的な香りを消してしまったのなら、それは大問題です。
何故なら今期仕込んだクラテッロ、フィオッコ(Fiocco)、ハシッコ(Hasicco)はしっかり白カビを付けてしまいました(この記事)。
もしこれが原因で、今期仕込みのクラテッロ、フィオッコ、ハシッコからあの蠱惑的な香りが無くなってしまうようなら魅力は半減・・・
あぁ、考えるだけで恐ろしい!!
・・・考えてももう始まりませんから、それはフィオッコが完成する晩秋の結果を待つことにしましょう。
ミラノサラミに戻ります。
味はかなり良いのです。
発酵もしっかりしていて穏やかな酸味も感じられます。
白カビの香りもいい。
膀胱ケーシングは取り除いて食べてもいいけれど、天然ですから、多少固いけれどこのまま食べられないことも無い。
少し塩辛味が強いのがちょっとだけ気になります。
実はこれには原因があって、太いミラノサラミをスターター(乳酸菌カルチャー)無しで作るのは少し心配で、これまでのサラミ(ナポリタイプ)より1%塩分濃度を上げているのです。
固さ、熟成的には後10日程(75日間熟成)置いた方がよりいいかも知れません。
今回膀胱ケーシングで仕込んだミラノサラミの太い方なら、さらに期間を延長し90日間熟成位が妥当かもしれません。
高価で入手困難な膀胱を使った効果が無かったのですから、新たなサラミを生み出す目的は一旦保留にして、来期は人工ケーシングを使い、スターターも使って塩分濃度も落とし、正統派なミラノサラミを沢山作るかな。
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