チチタケ採取
知り合いが近所でチチタケ(食菌)を結構採取している模様なのです。
チタケ汁好きの私としては何とも落ち着かない。
ナラタケモドキとチチタケを狙って、久しぶりにマイスポットに菌活に行くことにしました。・・・7/10日
ナラタケモドキ(食菌)が毎年発生するポイントに行ってみると・・・
あちこちに発生しています! それも丁度食べ頃の状態♪(下写真3枚)
和名:タマバリタケ科Desarmillaria属ナラタケモドキ(楢茸擬)
学名:Desarmillaria tabescens (Scop.) R.A. Koch & Aime (2017)(デサルミッラリア・タベスケンス)
種小名tabescensはラテン語で「委縮する」「溶ける」「痩せる」の意味。
※少し前まではナラタケ(食菌)と同じナラタケ属のきのこだったのだけれど、2017年にDesarmillaria属に移されました。
こちらはヘビキノコモドキ(毒菌)(下写真)。
和名:テングタケ科テングタケ属ヘビキノコモドキ(蛇茸擬)
学名:Amanita spissacea S. Imai (1933)(アマニタ・スピッサケア)
種小名spissacea はラテン語で「厚くなった」の意味。
アカヤマドリ(食菌)もあったけれど、私は味が好きじゃないので採らな~い(下写真)。
和名:イグチ科アカヤマドリ属アカヤマドリ(赤山鳥)
学名:Rugiboletus extremiorientalis (Lj.N. Vassiljeva) G. Wu & Zhu L. Yang (2015)(ルギボレトゥス・エクストレミオリエンタリス)
種小名extremiorientalisはラテン語で、「極東の」という意味で、このきのこの分布域から来ています。
こちらはツチカブリ(不食)。
シロハツ(ベニタケ属)と異なり、チチタケ属なので下写真右のようにチチがでます(下写真左:傘表、右:傘裏)。
和名:ベニタケ科チチタケ属ツチカブリ(土被)
学名:Lactifluus piperatus (L.) Roussel, (1806)(ラクティフルース・ピペラトゥス)
種小名piperatusはラテン語で「辛味のある、辛い」の意味。
タマゴタケ(食菌)もありましたが、味に飽きているので採らな~い(下写真)。
和名:テングタケ科テングタケ属タマゴタケ(卵茸)
学名:Amanita caesareoides Lj.N. Vassiljeva (1950)(アマニタ・カエサレオイデス)
種小名caesareoidesは「西洋タマゴタケ(Amanita caesarea)のような」の意味。
アンズタケ(広義)(毒菌)もずいぶん発生していました(下写真2枚)。
アンズタケはヨーロッパでは大変人気のある食用菌だけれど、近年微量な毒が検出されて、毒菌扱いになりました。
でもこれまで私はずっと食べているし、フランス人やイタリア人がこれで食べるのを止める訳も無いし、実際の食中毒例がある訳でもないし、ヨーロッパ人ほど大量に食べる訳でも無いし、そして何より生い先が長い訳でも無いし(笑)、嫌な方が食べなければいいような気もします。
和名:アンズタケ科アンズタケ属アンズタケ(広義)(杏茸)
学名:Cantharellus cibarius Fr. (1821)(sensu lato)(カンタレッルス・キバリウス)
種小名cibariusはラテン語で「食用の」の意味。
つい最近まで日本産のアンズタケはヨーロッパのC. cibariusと思われてきましたが、最近のDNA系統解析の結果、C. cibariusを含む少なくとも4種存在することが判明、そのうちの1種は新種としてCantharellus anzutakeの学名が付けられました。
困ったことに(笑)これ以降、我々が採取、または観察したアンズタケが、その4種のどれに該当するのかは全く不明な状態です。
このアンズタケもC. cibariusに該当するかどうかは不明ですが、従来アンズタケ(C. cibarius)とされてきた広義のアンズタケという意味で、ここでは学名をCantharellus cibarius Fr. (1821)(sensu lato)としました。
※なおsensu latoは広義という意味です。
こちらはケシロハツ(不食)と思って写真を撮ったけれど、写真を見たら傘表面に微毛が無さそうに見えるし、傘縁部も内側に巻いていないのでツチカブリモドキ(不食)の方ですね(下写真左:傘表、右:傘裏)。
和名:ベニタケ科チチタケ属ツチカブリモドキ(土被擬)
学名:Lactifluus subpiperatus (Hongo) Verbeken (2012)(ラクティフルース・スブピペラトゥス)
種小名subpiperatusは「Lactifluus piperatus(ツチカブリ)に似た」の意味。
カレバキツネタケ(不食)が随分発生していました(下写真)。
和名:ヒドナンギウム科キツネタケ属カレバキツネタケ(枯葉狐茸)
学名:Laccaria vinaceoavellanea Hongo (1971)(ラッカリア・ウィナケオアウェッラネア)
種小名のvinaceoavellaneaはラテン語で、vinaceo(ワイン色の)+avellanea(灰褐色の)の意味。
目的のチチタケ(食菌)も案の定発生していました♪(下写真2枚)
和名:ベニタケ科チチタケ属チチタケ(乳茸)
学名:Lactifluus volemus (Fr.) Kuntze (1891)(ラクティフルース・ウォレムス)
種小名volemusは「手の平のくぼみ」の意味で、手の平のくぼみを満たす程の乳の流出があることを指しています。
これがこの日の収穫。
チチタケ、アンズタケ(広義)、ナラタケモドキ。
アンズタケ(広義)、ナラタケモドキはもっと大量に発生していたけれど、そんなには要らない(笑)。(下写真)
ナラタケモドキは消化が余り良くなく、食べ過ぎると消化不良を起こす可能性があります。
我が家では水に漬けて良く洗って、軸の固い所は切り落とし、自家製蕎麦汁と料理酒と水でさっと煮た後、ZIPロックに小分けして冷凍保存。
こうしておけば、何時でもうどんやお汁の具に使えます(下写真)。
一方、栃木県ではマツタケより価値のあるチチタケ。
私は栃木県のチタケ汁も、栃木県のチタケうどんも食べたことが無いけれど、福島県出身の方にチタケ汁をご馳走になってから、大変なチチタケラヴァ~になりました。
なので栃木県の作り方は知らないけれど、私は私で作り方には超~~うるさいのです(笑)。
以前はそのまま冷凍保存もしたけれど、チチが沢山出るフレッシュな内にチタケ汁にして、その状態でZIPロックに小分けして冷凍するのが一番良いような気がします。
通常なら茄子も使うのですが、冷凍保存用なのでチチタケと醤油、水だけで作り、茄子は食べるときに追加する形式にしました(下写真)。
折角、超~~うるさいと書いたので、他の方が言わない肝心の所だけ(笑)。
チチタケはチチが命。
なので、
〇チチタケは必ずヒダを上にして置きます。
つまり流れ出たチチは外に流さず、ヒダに吸わせるということ。
〇チチタケはまな板の上で刻んだりしないで、直接鍋の上でハサミ等で刻む。
つまり刻んで流れ出すチチは全て鍋に入れるということ。
えっ!アンズタケは?って
アンズタケは翌日の昼パスタです。
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