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2009’08.20・Thu

改造で作る実用的な燻製釜

当家ではベーコンはいつも自家製であり(この前作ったベーコン)、又時々丸鶏燻製など他の燻製も行う。
下写真が当家で活躍してくれている燻製釜だ。もう歴戦の勇士で、随分使い込んでいる。
これはガスレンジの上に乗せて使用するが、丁度上部はレンジフードの真下になるので、燻煙が部屋内に漏れず、室内で燻製が作れる優れものだ。
この燻製釜、キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG)の ブランスモーカーセット(円筒型) M-6507という簡易型の燻製器2個を使って改造したものだ。
改造方法を知りたいとの要望がありましたので、この記事を書きました。燻製をやってみたいという方の参考になれば幸いです。

IMG0908155.jpg


このこのキャプテンスタッグの燻製器、NETでの値段は1個3千円台~4千円台だが、実際の店頭では1個2千円を切った値段で購入出来るが、取り合えず燻製をやってみようという入門用のものなので、本格的な燻製を作るのは、ちょっと無理がある。
でもこれを2台使って、多少の改造を加えると、かなり使える本格的な燻製釜として使うことが出来る。

さて燻製のやり方には与える温度によって、熱燻、温燻、冷燻と種類がある。
これらを切り分ける温度に関しては、色々な方が夫々の値を持っていて、なのでこれだという数値を 記述するのはなかなか難しい。
もともと、結果として素材内部に与えられた温度値で切り分けられるべきこれらの分類が、燻製釜内の温 度で定義しようとするところに土台無理があるのだから、各人の値が一致しなくてもなんら間違いではな いと思う。
私はベーコン等の燻製法として使用される温燻をベースにこれらを切り分けるのが妥当だと思ってい る。
蛋白質は変性温度帯の60℃~70℃で低温調理すると特別な効果が得られる。
例えば塩漬けした肉をこの変性温度帯で加熱調理するといわゆるハム化するのであるが、WEBで色 々な方がやられる鶏ハムは保温調理法だが、この低温調理の効果でハムのような食感が得られている例だ。
温燻はこの蛋白質の変性温度帯で調理しながら燻煙をかける方法と定義できるのではないだろうか。
しかしだからといって、温燻が燻製釜内の温度を変性温度帯の60℃~70℃にして燻製するという事ではない。
燻製される素材の温度はすぐ上昇する表面温度に比べ素材の中心温度はなかなかすぐには上昇しない。
素材の中心温度が変性温度帯の60℃~70℃でやっと火が通るための燻製釜内温度は、燻製にかける時間によ って80℃であったり85℃であったりする。
例えば素材表面が80℃で素材中心がやっと60℃強で火が通ったとき、素材全体としては平均的に 70℃程度で調理されているのかも知れない。
この平均的な調理温度次第で、出来上がりのハム化度合いが左右される。
このように温燻をベースにすれば、従って熱燻は温燻より高い温度、つまり蛋白質の変性温度帯より ずっと高い温度で素材に火を通しながら、燻煙をかける方法であって、例えば100℃以上の高温で食材をローストしながら燻煙をかける方法などが典型的な熱燻である。
又、冷燻は火を通さず、純粋に煙のみをかける方法なので、蛋白質の変性温度より余裕を持って低い温度で燻煙をかける方法と言える。

さて以上の通り、燻製にとって釜内温度のコントロールはとても重要だ。
このブランスモーカーセットのガスレンジに乗せてガス火を火元として使う形態は燻製温度のコント ロールの観点からはとても便利だ。
しかしこの燻製器1台では高さが足りず、火元から近すぎるので、冷燻は論外、温燻でもちょっと温 度が高すぎてしまう。
これを2台重ねて高さをかせぐ方法なら、火元から遠くなる分、より低温での燻製が可能になるし、 この高さだとすぐ上がレンジフードになり、煙が他のところに行かず大変便利だ(というより、煙が あちこち行くようでは室内で燻製なんてそもそも無理)。
もとの1台の高さでは燻製できる食材サイズも限られる。2台重ねなら結構なサイズでも燻製が可能 になるだろう。
燻製では熱をかけるので食材から汁が落ちる、この汁受けに対する考慮はこのブランスモーカーセット には全く無い。2段重ねで高さをかせぐことで、この汁受構造の実現も可能になる。

※なお現在ではこのブランスモーカーセットにロングスモーカーセットという既に2段重ねになった形 式のものが販売されているようだけれども、実際の2段重ねで実現できる高さより低くなっているようだ。
この高さは、温度コントロールとレンジフードにより近づけたいという観点で、少しでも高くしたい要素だ。なので1台ものを2段重ねに改造する方がずっと良いと思う。

---- 改造の詳細 ----

しっかり2段重ねを出来るように、下になる燻製器のほうに印籠継ぎ形式の改造を施す。 大きな改造はこの部分くらい。下写真は改造前

IMG0908150.jpg


20~24mm幅程度で1m厚位の長いアルミ板(日曜大工の店等で購入)をリング状に曲げて下写真のように内側に固定する。
リング状に曲げるのは、曲げたい直経より小さ目の円筒(例えば電柱みたいなもの)に手で巻きつける(アルミなので簡単に巻きつけられる)と出来る。

IMG0908151.jpg


印籠継ぎの内側リングは、隙間が開くと燻煙が漏れるので、端は少し重なる長さで、金ノコで切断し、ビス穴をドリルで開けてビスとナットで下写真のように取り付ける。

IMG0908152.jpg


さらに燻製器とリング間の取り付け隙間から燻煙が漏れないように、耐熱性のシール剤で隙間を埋める。

IMG0908171.jpg


加工するわけではないが、汁受け用にステンレスザルとステンレスボール等の汁受け容器を用意する(下写真)。
これらは100円均一で調達できる筈です。
ステンレスザルに3箇所ついている金具は不要。

IMG0908156.jpg


ステンレスザルの底をちょっと凹まして、その上に汁受け用ステンレスボールを乗せる。

IMG0908157.jpg


燻製釜下を被せて、上から汁受け容器を見た写真です。

IMG0908158.jpg


汁受け容器と燻製釜胴体の隙間から燻煙は出てきて釜内に充満する。加温に伴って素材から滴り落ちる汁は汁受け容器が受ける。
食材から滴り落ちる汁が燻材にかかれば、本来の燻煙以外の汁が焦げた煙が大量に発生し、その煙が食材につくわけで、著しく燻製の出来上がりを悪くする。
だから見かけはともかく、この汁受けはかなり重要なアイテムだ。

IMG0908170.jpg


出来るだけ上の位置に網を置けるようにビスで突起を作る。
ビスより小径の穴をドリルで開けタッピンねじを打ち込む。先の尖ったタッピンねじだと、洗うときに怪我したりするので、先端が無いタッピンねじがいいと思う。

IMG0908159.jpg


内側に飛び出たタッピンねじの突起に網を乗せる。
これで食材を吊るす高さが高くなるので、より大きい(長い)食材の燻製も可能になるし、火元からの高さ増える分、温度コントロール幅も広がる。

IMG090815a.jpg


スモーカー温度計を購入し上蓋の温度計用穴にセットする。

IMG090815b.jpg


実際の温燻での使用は、上蓋をあけ、ガスを強火にし煙がもうもう出てきたら、上蓋を締めガスを 最弱火にする。
外側に煙は少しづつしか出ないが、釜内部は燻煙が充満している。
煙が出なくなったら、時々又上蓋をあけ、ガスを強火にしてを何回か繰り返す。この使い方で 釜内80℃~85℃位でずっと制御可能な筈だ。

次は冷燻のための仕掛け。
冷燻は温度をかけない燻製なので、ガス火は使わず(レンジフードは使うのでガスレンジに乗っけては使う)、スモークウッドを使用して、長時間線香のように少しづつ燃えさせ煙を出す。
途中で酸欠で火が消えないように、燻製釜の下部から少し空気を取り入れる必要がある。
これは冷燻用の仕掛けで、針金とペンチでものの1分くらいで作れるもの。

IMG090815c.jpg


こんな感じで下板の縁に引っ掛けて、燻製釜胴体を乗っければ、下板と燻製釜胴体 との間に少し隙間ができて、ここから空気が供給される。
これは冷燻のみに必要であって、ガス火で熱源を供給する温燻、熱燻では使用する必要はない。

IMG090815d.jpg


IMG090815e.jpg


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Categorie燻製  トラックバック(0) コメント(21) TOP

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この度は大変丁寧な解説、誠にありがとうございました!
大変丁寧な解説です、よく分かります。

大変貴重なノウハウですね。
ホームセンターなどで材料を探してみたいと思います。
スタートするにはちょっとまだ時間が掛かりそうですが。

また週末に改めてゆっくり読ませて頂きます。
お忙しいところ、本当に本当にありがとうございました!!

まりん:2009/08/21(金) 06:15 | URL | [編集]

> まりんさん
どのみち今の季節は燻製作りにはちょっときつい季節で、私も当面休みです。
もっと気温が下がって、良い季節になった頃、ゆっくり挑戦なされたら宜しいかと思います。
記事が参考になれば幸いです♪

duckbill:2009/08/21(金) 12:21 | URL | [編集]

ステレオタイプかもしれませんが、なんか炭火でやるとおいしく出来るイメージがあります。でもポイントは温度管理+チップ又はウッドの煙管理できまるんですよねー?熱源の選択で悩んでいます。炭火だと、例えば遠赤外線効果でおいしくなるとか、香りがよくなるとかありますか?うちはIHだし室内では邪魔者扱いされるので、屋外メインで、電熱or炭火orアウトドア用ガスバーナーで考えています。煙はじゃんじゃん出せますよー。始めの目標はおいしいベーコンです。アドバイスいただけたら幸いです。

katteni:2009/08/21(金) 20:01 | URL | [編集]

> katteniさん
炭火はちょっと×
熱源に最も必要とされるのが制御性能です。それだけ燻製の質は温度にうるさいです。
煙がついて燻製になったと満足する方も多いのですが、随分奥は深いです。
煙はじゃんじゃん出しません。屋外とは言え山小屋ではありませんから、住宅街ならお隣さんの洗濯物が燻製臭くなります。
電熱器が良いと思います。電熱器の強さを連続でコントロールできなければ、スライダックを追加。

duckbill:2009/08/21(金) 20:23 | URL | [編集]

ありがとうございます。
では電熱器を採用して、温度に応じて電圧制御すればいいんですね。
夢が膨らみます。

katteni:2009/08/21(金) 20:46 | URL | [編集]

> katteniさん
それがベストだと思います。

duckbill:2009/08/21(金) 22:13 | URL | [編集]

また趣味が広がりそうな話題ですね~^^
自ビールに続く自家製シリーズとしてベーコンを考えていましたが、
燻製釜を作り上げるなんて何者かと思いましたよ。
kattenさんも始められる?ようですし、私も助言頂けそうですね^^

まっく:2009/08/22(土) 16:33 | URL | [編集]

> まっくさん
本物のベーコンは味が格別です。一度作った人は大抵病みつきになりますよ。
いくらでも助言は差し上げられますので、ぜひおやりになってはどうでしょうか?(^^)

duckbill:2009/08/22(土) 21:26 | URL | [編集]

いかにも男の台所の風情が・・・
我が家のまかない料理とは桁違いですね
小さい燻製鍋の購入を考えたこともあるのですが、こんなので作ったベーコン、憧れです

葉っぱ:2009/08/22(土) 23:53 | URL | [編集]

> 葉っぱさん
ふふ!男はおもちゃを作りたがるから(^^)
自家製ベーコン、一度作ると病みつきですよ。
でも、まかない料理、しょっちゅう作らされています。(;^_^A

duckbill:2009/08/23(日) 01:03 | URL | [編集]

これが二段に重ねたという薫製釜なんですね。
先日のベーコンは美味しかったです。
やはりこれは男性の仕事ですので私には真似できそうにありません。
夫はこういうことに全く興味なしです。
熱源は卓上ガスコンロでもいいのでしょうか?
うちのキッチンはIHなので無理だし、スモークウッドは温度が低くくてベーコンには無理ですね。スモークサーモンは火が通りすぎたし。
薫製は難しいです。でも作りた~~いわ。

ポメマル:2009/08/23(日) 09:43 | URL | [編集]

> ポメマルさん
これは電動ドリルを使った改造があるので、やっぱり男の工作ですね。
卓上ガスコンロでもいいし、熱量を可変にできれば電熱器でも大丈夫です。
スモークウッドは冷燻用なのでベーコン(温燻)には温度がたりません。
スモークサーモンは冷燻ですが、スモークウッドから離さないと、温度が上がって、すこし火が通ってしまいます。
丁度この2段重ねなら、高さが稼げてギリギリ冷燻も可能です。

暑い時期は燻製もちょっと無理があってお休みです。
秋になったら又ベーコンを仕込みますので、その時は又送りますね~♪

duckbill:2009/08/23(日) 12:17 | URL | [編集]

またまた教えてください。
スモークチップは途中で足しますか?チップ燃焼用の熱源と、釜内温度調整用の熱源が同一でも、うまいこと行くのかなー、と思いまして。
つまり煙量制御と温度制御のバランス取るのが難しそう。素人としては、ダブル熱源のほうが簡単かなー、などと考えてしまいました。
何事も実行する前に考えすぎる性格なので、たびたびの質問お許しください。

katteni:2009/08/23(日) 13:16 | URL | [編集]

> katteniさん
ダブル熱源の必要はありません。
熱を与えている間、必ず煙を与えなければならない訳ではありません。
必要な燻製時間は、その食材の中心にやっと火が通る時間にすべきです(あまり余分に火は入れない、勿論足りなくては不可)。
煙は使用するチップの量で決めます。
つまり煙の量が十分(色づきが十分)ならあとはチップを足さないでそのまま加熱は続けます

例えばベーコンなら、私は80℃~85℃で3時間燻製しますが、途中でチップは一度足します。
そのチップも早めに煙が出なくなりますが、出なくなってもそのまま必要な時間、加熱は続けます。

私も実行する前に考えすぎるタイプです。納得するまで何度でもどうぞ(笑)。

duckbill:2009/08/23(日) 13:59 | URL | [編集]

> katteniさん
↑の説明がkatteniさんの質問意図を外していたかも知れませんので、追加します。

上蓋を開け(釜内温度が上昇しないように)、強火にしてスモークチップに火を着ける。
火がついてモクモク煙がでてきたら、火を弱め、上蓋をして、所定の釜温度を維持します。
そのうち煙が出なくなったら、再度上蓋を開けて、強火にしてチップに火を着け、
モクモクでてきたら、又火を弱火にして所定の釜温度を維持する・・・とこの繰返しです。

3回くらい繰り返すともう強火にしても煙は出なくなります。これはチップがすべて墨になったからです。
ここでまだ煙付けが足りなければチップを足し、同じことの繰返しです。
煙付けが十分なら、後は所定時間加温だけです。

釜内温度が上がり過ぎたら、上蓋を開けて内部の熱い空気を出し、すぐ閉めます。

duckbill:2009/08/23(日) 17:07 | URL | [編集]

> katteniさん
追加説明2:
スモークウッドと違ってチップは加熱を止めるとすぐ火が消えてしまいますが、多少加熱してやると、ぶすぶす状態が維持されます。
このぶすぶす状態で発生する煙の量は少量ですが、燻製釜内は閉じている(自然な隙間を除いて)ので、この程度の煙で内部はしっかり煙が充満し、外にはあまり漏れ無い状態となります。
一般に温燻に適した温度を維持する程度の加熱だと、次第にぶすぶすが弱くなるので、時々上蓋を開けて強火にしてぶすぶす状態を強くしてやると言うことです。

duckbill:2009/08/23(日) 17:25 | URL | [編集]

燻製作業の何たるかを知らないド素人に、ご丁寧に教えていただき、本当にありがとうございます。どうもチップの燃焼原理がわかっていないので、的を得ない質問になってしまったようです。大変勉強になりました、いろいろ考えて見ます。

katteni:2009/08/23(日) 19:59 | URL | [編集]

ちょっとだけ勉強しました。
つまり、ベーコン温燻の場合、
(チップの燃焼を維持する熱量) > (肉近辺の温度を80~85度に保つ熱量)
だったのですね。当然優先しなければならないのは、肉近辺温度なので悩ましいのです。
始めは逆なのかと思っていました。つまり肉近辺温度を保とうとすると、チップが燃えすぎるのかと...。逆でした。
2段重ねでそれでは、入門セットみたいなものでは、熱が上がりすぎてしまいますねー。
大きすぎる必要はないけど、ある程度大きくないと(熱源から距離を稼げないと)難しそうですねー。ありがとうございます。少し進歩しました。

katteni:2009/08/23(日) 20:44 | URL | [編集]

> katteniさん
全くその通りです。
燻製釜がとても大きい場合は別として、今回のような小型の釜の場合はそうです。
温度を上げるのではなく、チップを燃やしながら、どうやって温度を上がり過ぎない
ようにするかが悩ましいところなのです。
だからこの2段重ねるところはまさにかなめの部分です。
入門セットは大抵熱燻になってしまいます。そして燻製にこだわっている人は熱燻はあまりやりません。

duckbill:2009/08/23(日) 21:14 | URL | [編集]

参考にさせていただきます。m(__)m
以前にも見てたんですけど、汁受けは、すっかり忘れておりました。(汗)

近いうちにとりあえず一度チャレンジしてみたいと思います。
ありがとうございました。(^o^)

akkyan:2014/05/23(金) 08:03 | URL | [編集]

> akkyanさん
汁受けは100均のステンレス皿で十分です。
ぜひチャレンジしてください♪

duckbill:2014/05/23(金) 12:09 | URL | [編集]

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