名残の鱧(ハモ)
そして送られてきた、楽子さんからの嬉しい頂き物です(10/2)。(下写真)
写真手前左がお手紙、右がうおぜ(関東ではエボダイ)。エボダイは関東では干物では良く見ますが、生ではあまり見たことがありません。
写真中央が頭と骨付きの骨切りされた鱧2匹。
関西ではこのように必ず頭と骨がついて出回るようですが、これは鱧出汁をとる必需品ですから、外さないところはさすが関西です。
関東でも、ごくたまには、落とし(湯引き)ではない骨切り後の鱧がでることもあるのですが、頭も骨もついていません。何を考えているのでしょうか、基本を外しています、ぷんぷん!・・・っとそれは置いといて、その右にある緑の蓋のタッパウェアが2つ。
これは楽子さん手作りの味噌で、一つは2008年版、もう一つが2009年版です。
次に道の駅で購入したという野菜類のお裾分けで、鱧のすぐ上左が無花果、これは私の家内が大の無花果好きなので、家内用に入れて下さったもの。そしてその右が巨峰。
一番上の左から右へ、新生姜、つるむらさき花、酢橘と沢山入っていました。
楽子さん本当に有難うございました。
さて鱧です。10月ですからもう名残の鱧でしょう。
今年の鱧おさめだと思うとちょっと気合も入ります。o(`⌒´*)oヨッシャ!
※今年のこれまでの鱧記事
鱧(ハモ)の季節
鱧(ハモ)を捌く
さて今回はこれまでやっていない鱧の焼霜薄造りから。
[ 鱧の焼霜薄造りの造り方 ]
薄造りにする分を切り取り、皮目だけをさっとバーナーで焼く。
すぐ氷水につけ冷やし、キッチンペーパー等で水を切る。
骨切り前なら、骨切りの要領で、そのまま皮目まで切ってしまう。つまり骨切りと同時に薄造りをしてしまい、盛り付ける。
もし骨切り後の鱧なら、骨切りされた切れ目に沿って、皮目を切り離し、盛り付ける。
今回は既に骨切りされている鱧なので、その骨切りされた切れ目に沿って、皮目を切り離し、盛り付けました。
勿論鮮度が良いことと、骨切りが綺麗にできていることが必須ですが、この方法なら、誰でも焼霜薄造りができるのではないでしょうか。
薬味として小ネギ、モミジおろしを付け、ポン酢でいただく鱧の焼霜薄造り、大変美味しいものでした。
花を開かせる落とし(湯引き)や焼霜は、開いた花の根元にどうしても水分が残りぎみで、水っぽさが否めませんが、この焼霜薄造りならそんなこともなく、鱧の香りも味も十二分に楽しめます。
今回は蒸し物も試してみました。
[ 蒸し鱧の梅肉あんの造り方 ]
鱧は酒蒸しにする。
あんの分量の鱧出汁を火にかけ、叩いた梅肉を混ぜ、葛粉でとろみをつける。
器に酒蒸しにした鱧を盛り、梅肉あんをかけ、木の芽を飾る。
と、至って簡単ですが、鱧に梅肉や山椒はとても相性抜群なので、これが実に美味しいのです。
蒸し鱧に直接梅肉では梅肉が立ち過ぎるかもしれません。鱧出汁に梅肉を合わせているので、十分な鱧の香りと旨みに、梅肉の爽やかさが相まって、家族にもかなりの高評価でした。
なお鱧出汁は後述の土瓶蒸しに使う出汁と同じです。
そして鱧の天麩羅。
鱧は鮮度が落ちるとすぐ匂いが気になる魚でもあって、特に天麩羅の場合はそれが目立つようです。
でもこの鱧は鮮度も抜群で大変美味しい天麩羅となりました。
少しだけつるむらさきの花も天麩羅にしてみましたが、これもなかなか美味しいです。
先回同様に、梅のフルールドセルで頂きました。
そしてやはり名残の鱧といえば鱧の土瓶蒸しでしょう。 私は鱧料理ではこの土瓶蒸しが一番好きです。
土瓶蒸しの詳しい作りかたや、鱧出汁の取り方は先回の記事に記述しています。
本当は松茸を使用するのですが、中国産松茸はいやなので、今回も椎茸とシメジで代用です。
酢橘は勿論送って頂いたものです。
土瓶蒸しは本当に美味しいです。食べた後も口の中に鱧の香りと旨みがずっと残って、本当に口福です。
今回は鱧を使った飯物は作らなかったのですが、名残の鱧を十分堪能しました。
翌日、天麩羅に使った残りのつるむらさきの花をおひたしにしました。
つるむらさきの花のおひたし。
このつるむらさきの花は今回が、食べたのも、見たのも初めてです。
味はつるむらさきそのままなのですが、何だか不思議な食感が良いです。
そしてうおぜ(エボダイ)は塩焼きで頂きました。
通常関東では、エボダイは開きや干物で出回ります。生のエボダイは、焼いて見ると結構肉厚。
正に鯛系の味で美味しかったです。(写真は取リ忘れ)
さて送って頂いた新生姜。実は丁度新生姜の細工を本で見かけて、作って見たいと思っていた矢先だったので、これを入れて下さったのはグッドタイミングでした。
で、早速その細工[ 木の葉生姜 ]に挑戦してみました。
新生姜をブロックずつ切り離し(下写真)、
ブロックの形を出来るだけ生かしながら、上面、底面を平らに落とし、周囲を木の葉型に成型します(下写真)。
周囲に木の葉のように切り込みを入れます(下写真)。
根元を残して水平に均等幅でスライスを入れていき、出来上がったものを酢取ります。
盛るときに曲げてカーブをかけ葉先を開いて盛ります。
今回は甘酢で酢取ったので、いわゆるガリ味です。
これは焼き物やお造り、寿司等のちょっと洒落たあしらいとして使用します。
下写真は焼き物が皿にあると仮定して、あしらいとして置いてみたものです。
甘酢に漬けた状態で、長く保存できるので、沢山作って在庫しておくと、いざという時に使えます。・・・などど考え、やってみたのですが、初めてのトライと言うこともあって、結構大変で、4個作って正直飽きました(笑)。
その上、本で見た程は綺麗に出来ていません。
あと何回かやれば、もっと手早く、綺麗に作れるそうですが、今回は4個で気合を使い果たしました。残った新生姜は普通に消費しましょう。(笑)
さてこの新生姜の細工、木の葉の形に切り出す際に、たくさんの切りくずが発生します。この切りくずを捨てるなんて、勿体無い。針生姜のように薄く刻んで、ガリを作りました(下写真)。
[ 新生姜の切りくずで作るガリ ]
保存瓶、蓋を煮沸殺菌をする。
新生姜の切りくずは薄く刻み、火を止めた熱湯に入れ、すぐにザルにあけ、湯切りをする。
湯切りをした熱々の新生姜を保存瓶に入れ、熱々の甘酢を注ぎ、蓋をする。甘酢は酢:砂糖の比率が2:1。
甘酢に漬けるとすぐ自然にピンクに色づきます。作って10分後くらいでもうガリとして食べられます。
温度による殺菌もしているので、このまま長く保存も出来るけれど、美味しいので、大抵すぐになくなります。
ちなみにこのガリ一瓶、2日で完食でした。・・・わざわざ殺菌している意味がまるでありません。(爆)
巨峰も無花果も美味しかったです。無花果は私の家内が無花果好きなのを知って、わざわざ家内用に入れて下さったものでした。
これは家内の独占かとも思われましたが、少しだけ私の口にも入りました。(笑)
入れて頂いた楽子さんお手製の手作り味噌、熟成の進んだ2008年版を、味噌汁で頂いていますが、これが赤だしのような味で大変美味しくてビックリしています。
私は赤だし好きなもので、この味噌、私には ど真ん中ストライクです。
楽子さんにお聞きしたら、味は大豆ではなく麹が決め手だそうで、その麹を多めに使用していることも教えて頂きました。
こんなに美味しく出来るものなら(勿論、楽子さんだから出来てるのであって、私にも出来る保証はありませんが)、今年の冬から味噌の仕込みもトライしてみようかなぁ・・・などど思っています。
と以上、鱧尽くしから新生姜の細工や、手作り味噌まで大変楽しませて頂きました。改めて感謝申し上げます。楽子さん<(_ _*)> アリガトォ
下のランキングに参加しています。記事がまあまあ良かったから応援しようという方、それ程でもないが今日は気分がいいから応援しようという方、俺ゃー心が広いから応援ばしちゃるという方、 是非クリックして応援お願い致します。m(_"_)m |