今期も自家製カラスミ作り開始
カラスミといってもボラの卵にこだわらず、カラスミになる色々な魚卵で作っています。
ボラ卵以外の魚卵で作るカラスミを「偽カラスミ」とか「カラスミもどき」とか、「なんちゃってカラスミ」とかいう人がいますが、歴史上からも、世界のカラスミ事情からもこれは間違いです。
ボラ卵で正しく作ったものもカラスミならそれ以外の魚卵で正しく作ったのも本物のカラスミです。
これに関しては「ボラ以外のカラスミに対する弁護」に記述しました。
この自家製カラスミ作り、去年は助宗鱈卵、真鱈卵、マコガレイ卵、真鯛卵、黒鯛卵、胡麻サバ卵、ブリ卵と多種に渡って、生の魚卵総重量で4,885g、仕上がったカラスミの総重量で2,392gを作りました。
これの詳細は「今期の自家製カラスミ作り終了」で見ることが出来ます。
又、ブログを始めてからの分のカラスミ製作記事はカテゴリ[自家製カラスミ]で見ることが出来ます。
さて、いよいよ今期も恒例の自家製カラスミ作りのスタートです(12/16日)。
去年は年が明けてからのスタートでした。
大抵開始の時期は助宗鱈卵で、ブリ卵などの大物は4~6月頃です。
なので今期はゆっくり開始しようと考えていたのですが、実は思いがけない大物が手に入ってしまっての早いスタートとなりました。
これまでボラ以外の魚卵の弁護をどれだけしたのやら・・・なので、このブログではボラ以外の魚卵でカラスミを作ることに重点を置いていたのですが、
今期の開始はな~~~~~んと!ボラ卵からの開始です!それも大物3腹も!!!(下写真)
ぼら!・・・あっ、いやいや、ほら!ボラ卵でしょ(^^)
和歌山県産のボラ卵で、サイズも充分です。
これは私もはじめての大変珍しいケースです。
何が珍しいかと言えば、まず時期。ふつうボラ卵が出回るのは10月です。大分遅れたこの時期にボラ卵が手に入るとは思いませんでした。
次に流通。これはなんと、普通のスーパーに出回ったものです。
通常ボラは卵だけに価値のある魚です。従って卵は最初からカラスミ用に、卵を破らないように腹皮の一部ごと切り取られ、専用の流通ルートで高~~い価格で出回ります。
私のところでは10月に築地場外市場か、府中卸売市場で入手することが可能です(勿論、買いませんが、笑)。
普通のスーパーにボラ卵が出たのは、今回初めて見ました。おまけに一腹580円と格安です。
10月に府中卸売市で見つけたときは一腹で3700円くらいでした。
まあもっともカラスミ専用に取られたのではなく、たまたまボラをおろしたら出てきたらしく、どれもザックリ、それも両腹とも切られています。
これでは余程慣れていないと、カラスミに作るのもちょっと大変な状態ですから、いくらボラ卵だからといって、そう高値はつけられないでしょう。
片腹ザックリは大抵そうなのですが、両腹ザックリとは、たいした腕前です。 ┐(-。ー;)┌ヤレヤレ
それにしても、もう少しこましに取ろうよ!魚屋さん!こんなにザクザクにしなきゃ卵が取れないんじゃ恥ずかしいよ!
なお鮮度は十分でした。
さて、NO.1は281g(下写真)。
NO.2は361g(下写真)。
NO.3は335写真)。
これまでの通り、まずは塩水の中での血抜きです。
[ 血抜き工程 ]
ザックリ切られている魚卵は、この中であまり粗く取り扱うとバラバラ崩れてしまいますので、そっと取り扱います。
竹串などを使ってとよく言われますが、私は良く切れる100円均一のデザインナイフを使って血抜きを行います。これで取り立てて不都合なことはありません。
デザインナイフの先端を血管に引っ掛け、血管だけを傷つけます。先の滑らかで引っかかりの無い塗り箸等で、血管内の血を破れ目の方へしごいて、中の血液を外に出します。
[ 塩漬け工程 ]
血抜きが終わったら、表面の水分をキッチンペーパ等で吸い取って、塩漬けです。
塩漬けの塩の量は、去年までは適当にやっていましたが、今年から目安としての塩量を決めて見たいと思います。
ここで塩の量を決めたからといって、後々のアバウトな塩抜き工程を考えれば、出来上がりの塩分濃度を一定に作れる訳では無いのだけれど、何にでも目安は必要です。
取り合えず今回は魚卵重量の12%の塩量での塩漬けとしましたが、この量は今後変える可能性はあります。(下写真)。
あまり塩がきつくないカラスミを作りたいという目的でこの塩漬け工程での塩を少なくするのは、本末転倒です。
ここの工程は、雑菌に大変弱い水分の多い現状から、出来るだけ速やかに水分活性を下げ、内部に塩分濃度の高い、雑菌が生息し難い環境に持っていくという工程です。この工程だけでは有りませんが殺菌工程でも有ります
塩量をおさえれば、その目的が果たせません。カラスミの好みの塩分濃度は塩抜き工程の塩抜き具合で実現します。
この塩漬けしたボラ卵をリードペーパータオル(不織布)で包み、さらに外側をキッチンペーパ(紙)で包み、冷蔵庫で保管します。 リードペーパータオルはそれ自身が水分を保持するというより通過させる機能のほうが高いように思えます。
つまり内側のリードペーパータオルが出た水分を通過させ、その外側のキッチンペーパで水分を吸い取ることを意図しています。
塩漬けした当初は水分がどんどん出るので、頻度良く数回包み変えて、出来るだけ速やかに脱水させます。あまり出なくなったら包み変えは一日一回程度で良いと思います。
包み変え時に内側のリードペーパータオルまで取り替えると、一緒に塩も落ちてしまうので、包み変えは外側のキッチンペーパだけでいいと思います。
この塩漬け工程、固さと色の変化で水分の抜けを見ながら、当家では5日間くらい塩漬けします。
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