クリスマスイブの夕食
燻製は作るのに時間がかかります。
12/21日の夜からソミュール液で塩漬けして、12/23日の夜に塩抜き、乾燥、燻製まで行い、一晩乾燥でイブの朝に完成しました(この詳細は一つ前の記事)。
後は仕事が終わってから急いでバタバタっと、なんとかクリスマスイブの夕食をでっち上げました。
当家ではこういうものはいつのまにか、私の役目になってしまって・・・何だか変だなぁ!
写真左上はサラダ、これだけは家内の作ったもの。中上が雉燻製、右上がシチュー、そして手前がパエリア。
チキンローストのときはスタッフィング出来たのですが、今年は燻製なので、スタッフィング代わりとして、パエリアを作りました。
肝心の力作、雉の燻製が写真の上部で欠けてしまって、その勇姿は、一つ前の記事の写真で見てください。
雉の燻製を初めて食べたのはやはり随分以前のクリスマス。知人が鳥羽国際ホテルの雉の燻製を送ってくれて、随分美味しいものだと思いました。
その後、雉を燻製以外で食べる機会は何度かあったけれど、やっぱりこのときの燻製の味が一番で、随分時間は経っているけれど、その舌の記憶はずっと残っています。
何度か雉のような風味を持った地鶏に出会うと、丸鶏燻製にしてみて、その舌の記憶と比較してきたけれど、多少は似ていても鶏は鶏、やっぱり味は違うなぁと思っていました。
今回、雉を燻製にしてみて、「おー!これこれ!この味!」と大変納得がいきました。
鶏は胸肉に比べモモ肉が珍重されるけれど、雉は胸肉量が体に比して多く、そして味も胸肉が大変美味しいのです。
家族も絶賛でした。
パエリアは前回に引き続き、具合のいいスペイン土産のパエリア鍋を使って作りました。
何時もなら国産活きムール貝を入れるところですが、仕事前の早朝に市場に仕込みに行く気力はなかったので、アサリで代用。
パエリアの作り方はこちら。
この作り方には記述していないけれど、蛸は事前に麺棒で叩いてから使うと、柔らかくなります。
なお今回はアジでとったブロードがあったので、固形ブイヨンやウエーパではなく、それを使って作っています。
しかしパエリアは何時作っても順当に美味しい♪
サラダは、レタス、キュウリ、スモークサーモン、ベランダトマト(コストルート・ジェノベーゼ)、モッツアレッラチーズに、EX.V.オリーブオイル、バルサミコ、塩、胡椒をかけたもの。
トマトにモッツアレッラチーズ、EX.V.オリーブオイルとくれば、ベランダのスイートバジルを入れたくなるけれど、これは家内の作なので、彼女の感性で。
そう言えば、フレッシュタイプのモッツアレッラを久々食べるような気がします。
この日の料理には、雉以外にもう一つちょっと特別な食材がありました。
それはこれ、国産豚のホホ肉です(下写真)。
一頭からわずかしか取れない食材なので、普通のスーパーなどにはちょっと出回りません。
実はこれ、自家製グアンチャーレを仕込もうと、わざわざ府中卸売市場の中の肉屋さんに頼んで、仕入れてもらったもの。
パンチェッタが燻煙をかけない生のバラベーコン(塩漬け熟成バラ肉)とすれば、グアンチャーレは豚バラの代わりに、豚ホホ肉を使ったそれです。
でも折角仕入れてもらったのだけれど、一目瞭然、この肉はグアンチャーレ用の肉ではありません。
この手違いは日本とイタリアでの肉の部位名が何処を指すかの微妙な違いから来ています。
グアンチャーレは豚のホホ肉で作るとされているけれど、どうやらそれは日本では、首からホホにかけた豚のネック肉(首肉)と呼ぶ、いわゆる豚トロの部位を指すようです。
グアンチャーレはパンチェッタよりさらに脂が乗っていて、だからこそ価値があるのですが、日本でいうホホ肉は、そのままホホの部分だけの肉のようで、脂が殆どありません。
豚のネック肉(首肉)にしても、あまり脂肪層が厚いと商品価値が無いと日本では考えるようで、皮下の分厚い脂肪層を、少し削ぎとって成形しているようです。
このグアンチャーレ用のネック肉(首肉)を、脂肪層が厚いまま仕入れてもらえるかどうかは判りませんが、これは再度市場で仕入れてもらうとして、今回せっかく仕入れたホホ肉の処理です。
じつはこのホホ肉、牛でも豚でも大変美味しい部分です。なので、これはクリスマスの食材に廻すことにしていました。
で作ったのがこれ、「豚ホホ肉のシチュー」です(下写真)。
豚ホホは大きくゴロゴロに切る。人参は大きく乱切り、ジャガイモ、玉葱は4分割に切る。 キャベツは芯を切り取り、芯は1cm厚みで斜め小口に、葉の部分は5cmサイズくらいでザク切りか手でちぎる。 椎茸は石突を取って2分割。ベランダのサンマルツァーノトマトは皮を湯剥きしてザク切り。
- 圧力鍋にオリーブオイルを入れ、微塵切りニンニクを炒め、脂に香りが移ったら、豚ホホをいれ表面に焼き目をつけ、トマトを加え少し炒める。
- ブロード(なければ水にブイヨン)を入れ、月桂樹、ローズマリー、クローブ、生姜スライスを入れ、沸騰したら、丁寧にアクをすくう。
- 塩を入れて(まだ薄めに)まず圧力高で10分。
- 次に人参を加え圧力高で5分。
- さらにジャガイモと玉葱、椎茸、シメジ、キャベツ芯を加え圧力高で5分。
- 芯以外のキャベツを加え、圧力は加えず、キャベツに火が通ったら、塩コショウで味を調えて出来上がり。
案の定、ホホ肉が素晴らしい味です。他の部位より筋肉が発達する部分なので、筋繊維にそって口の中でバラっと崩れる食感と、そしてジワジワっと広がる旨みも随分あるのです。
スープにもとてもいい味が出ていて、冬はこういう体の温まる料理は最強です。家族にも大変好評でした。
ホホ肉はドミグラスソースやブラウンソース系のシチューに仕立てても相性のいい味です。
仕入れた分の半分は冷凍保存したので、次の機会にはブラウンソース系で作ってみようかと思います。
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