新規採用の給水布は不適
鷹の爪がセットした時よりは伸びてはいるのですが、まだ蕾のカケラもなく、開花まではまだまだ時間がかかりそうです(下写真)。
去年はセット後は、もっとぐんぐんだった印象があります。
ハバネロなんかもっと遅く、PETボトルにセットしてから殆ど成長がありません(下写真)。
こちらの砂培地の予備苗(下写真)と較べれば一目瞭然。
もともと成長が良い方をPETボトルにセットした訳ですから、一番小さいのが予備苗の筈なのですが、もう完全に逆転しました。
納得がいかないので、中では最も成長が良いスィートバジル(下写真)で、根の状態を確認してみました。
私のPETボトル水耕容器の形式は給水布を沢山ぶら下げるやり方です。
培地により沢山の液肥を供給するのが目的ではなく、培地から飛び出した根を液肥までガイドするのが主目的です。
地上部の成長は根量に比例します。限られた体積で栽培するのですから、できるだけ大株にして、収穫量を上げるためには、PETボトル容器内に根が無いただの空間があるのは、実に勿体無いのです。
PETボトル内は根でぎゅうぎゅう詰めであるべきだというのが、私の自論で、その状態がPETボトルで実現できる最大根量です。
上部の培地容器から飛び出した大抵の根は液肥に辿りつくまでに乾いて枯れてしまいます。
上容器から多数の給水布を垂らすことによって、培地容器から飛び出した根はその給水布に纏わりついて、吸肥しながら乾くことなく、液肥まで到達し、結果PETボトル内を根で一杯に満たすことが出来ます。
そして、培地から飛び出して液肥に漬かるまでの空間は給水布から吸肥できると同時に直接空気に触れて酸素を取り込める水気耕領域です。
この水気耕領域の充実は、エアーを供給しないパッシブ水耕であるPETボトル栽培には特に重要なのです。
さて成長が思わしくない原因は一目瞭然でした。
真ん中だけは根が液肥までは伸びているのですが、周囲の給水布には1本も根が纏わりついていません(下写真)。
根は上容器から飛び出しているものの、何故か給水布を忌諱しているようです。
もっと成長の遅れている小さい苗では、本来とっくに培地外へ根が飛び出しているくらい十分な期間が経っているのに係わらず、殆ど根は成長していません。
明らかに根の成長自体も阻害されています。
給水布に綿やレーヨンなど天然素材を使用すると、すぐカビて腐食してしまい役に立ちません。
人工素材のポリエステルはカビたり腐食したりしないものの、吸水性はありません。
給水布として去年まではポリエステル100%のマイクロファイバータオルを使用していました(下写真)。
これはポリエステル自体に吸水性はない代わりに、極細繊維の編みこみが作る間隙の毛細管現象で抜群の吸水性を出したもので、去年まで素晴らしい実績を上げています。
一方今回の根が忌諱して纏わりつかない吸水布は、実は今年新しく使ってみたもので、まだ実績のない不織布です(下写真)。
去年までのマイクロファイバータオルは、性能は抜群だったのだけれど、織り布なので、裁断した際に細かい糸くずが発生しました。
こういった細かい糸くずは大抵静電気であちこちくっついたりするので、結構やっかいです。
今年新規に使ったこのキッチンクロスは、不織布なので糸くずは発生せず、それが魅力で変えてみたものです。
100%ポリエステルで吸水性抜群なら、本来問題が無い筈です。実際吸水性はなかなか良いものでした。
でもこの吸水性抜群な100%ポリエステル布を何故根が避けるのでしょうか?
普通なら根はただでさえ水分のあるところに張り付く筈です。
ポリエステルという材種に問題が無い以上、着色に使われているインクに原因があるのかも知れませんし、キッチンクロスという性格上、殺菌剤や除菌剤、抗菌剤等の含浸があるのかも知れません。
ポリエステルの不織布は、通常市販されているポリエステルのフェルトをみても、通常そんなには吸水が良いものではありません。
吸水効果をあげるため何か親水性の薬剤を含浸しているのかも知れません。
どれかは判りませんが明らかにこのキッチンクロスには、根の成長を阻害する、そして根が忌諱する薬剤が含まれているように思えます。
・・・という事で、やはり
マイクロファイバータオルが最適で、このキッチンクロスは給水布としては不適
です。
あるいは使用前に良く洗ってから使用すれば問題を軽減することができるのかも知れませんが、少なくとも購入したそのままで使用するのは不適です。
当ブログを参考にして頂いて、このキッチンクロスを既に使用された方もいらっしゃるかと思います。
誠に済みませんでした。m(_ _)m
次回からは従来通りマイクロファイバータオルをご使用下さい
残念ながら、既にこのキッチンクロスを使用して作ったPETボトル水耕容器は、苗の根がある程度伸びており、入れ替えはもう無理な状態ですから、このまま育てようと思います。
でもこのまま栽培しても致命的という訳ではありません。
給水布を多数下げる方式のメリットはいかせないようですが、真ん中の穴からの根は液肥まで到達しますので、普通のPETボトル栽培程度の成長はすると思います。
あるいは何度も液肥を追加しているうちに、根の成長を阻害しているであろう薬剤が殆どなくなって、その後順調になるのかも知れません。
実際、イタリアンパセリとスィートバジルもそこそこは順調になってきました(下写真)。
このイタリアンパセリはPETボトルにセット後数日で、それまで元気だった苗に酷いチップバーンが大量に発生して、葉が枯れてきました。
こんなことはこれまでありえなかったことです。
そして殆どの葉が枯れて入れ替わったあたりからようやく根も伸び始め、青々としてきています。
まさに、根の成長を阻害しているであろう薬剤が薄まってきたせいなのかも知れません。
とすれば、既にセットしているものなら、何度か水を入れては捨ててを繰り返して、洗い流すことが効果があるかもしれません。
実際、シソもそこそこは順調(下写真)。
PETボトル水耕栽培用の給水布に対する重要なポイントとして、天然素材でないことと、そして吸水性をあげてきました。
今回それらに加え、インクなどの形で、根の成長を阻害する薬剤が含浸されていないことという観点も、必要なことが新たに判りました。
話は変わって、先回セットした水耕栽培のリーフレタスが大分成長してきました。
11株セットした水耕容器のリーフレタス状況(下写真)。
横型PETボトル容器にセットしたリーフレタス苗の状況(下写真)。
ベランダのPETボトル菜園の全体状況です(下写真)。
P.S.
給水布に不適だったキッチンクロスに関して、その後掲載した記事です。
不適な給水布その2
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