2011第2回自家製アンチョビ&魚醤作り
今回は4パック全部で910gです。
このシコイワシを使って前回に続いて今期2回目の自家製アンチョビ仕込みです。
シコイワシは冷水の中で表面を指の腹で優しく擦るようにしてウロコ、汚れを落とします。
次にスプーンを使ってフィレにします。
胸鰭の根元からスプーンの側面を入れて、背骨に沿ってそのまま尻尾側にスライドさせて身をこそげ取ります。
反対側も同様に行って、いわゆる三枚おろしにします。
出来上がったフィレは冷水で汚れを洗い、水を良く切ります。
自家製アンチョビを作っている大方の人は、このフィレだけを塩漬けにするのですが、我が家では残った頭、骨、内臓も一緒に漬けるのが、今年の方式(その理由は前回の記事に書きました)。
左のボウルが洗ったフィレ、そしてし右のボウルが頭、骨、内臓です(下写真)。
使用する塩の量は捌く前の重量に対し、25%~30%程度。25%では既に過飽和の筈ですから、それ以上入れても溶けずに残るので、出来上がりのアンチョビがより塩辛くなることはありません。
だから、心配ならもっと塩量を増やしても問題ありません(塩が無駄になるだけです)。
頭、骨、内臓に重量割でしっかり塩を混ぜ、キッチンの排水口用の水切りゴミ袋にいれて、タッパウェアの底に入れます(下写真)。
次に塩をまぶしたフィレをその上から隙間なく詰めていきます(下写真)。
最後に、上から全体に塩を振って、タッパウエアの内側のサイズに合わせ、リードペーパータオルを切って、落とし蓋のように被せます(下写真)。
半日~一日で魚醤が上がってきて、被せたリードペーパータオルはすっかり濡れています。
この魚醤に濡れたリードペーパータオルがフィレを覆い、フィレを空気から遮断するため、黴の発生を防止します。
従って、フィレとリードペーパータオル間に空気が入っている場合は、スプーンなどなどを使い、周りに押し出し、空気を抜きます(下写真)。
タッパウエアの蓋をして、このまま室温で半年ほど常温発酵熟成させます。
冷蔵庫の中ではあまり発酵熟成は進みません。室温での発酵熟成にしても、寒い時期ではあまり発酵熟成は進まず、気温が高くなった時期に一気に進みます。
だから室温での発酵熟成では、塩漬け期間が何ケ月というのはあまり意味の無い数値で、温度が高い期間をどれだけ含むかで全く違ってきます。
実際この時期なら1月に漬けても3月に漬けても、出来上がりは同じように初夏頃の筈です。
内臓も一緒に漬けて、さらに常温で発酵というと、何だかドロドロと腐ったような状態になるのではと、抵抗を感じられる方が多いようですが、そんな修羅場な状態(笑)にはなりませんし、泡がブクブク出たりする訳でもありません。
塩漬けされた内臓はタッパウエアの中で黒く固まった状態のままですから、かき混ぜたりしなければ、十分発酵が進んだ状態でも、上の写真と殆ど変わりなくこのままで、魚醤も琥珀色には色づくけれど、澄んでいます。
でも、見かけは一見同じでも、十分発酵熟成したアンチョビは、指で潰すと、簡単にペーストになるくらい柔らかくなっており、香りもただの塩漬け鰯からもう一段昇華した良い香りを持っています。
魚醤にしたって、十分発酵熟成していなければ、ただの生臭い魚汁であって、魚醤にはなり得ていません。
内臓の酵素の働きで、十分に常温発酵熟成した魚醤は、生臭さはすっかり消え、良い香りと、強烈な熟成旨みを持った、琥珀色の液体に昇華します。
この魚醤はかき混ぜないで、そのままペパーフィルターを使ってコーヒードリッパーで漉すと、澄んだ琥珀色の綺麗な魚醤となります。
この魚醤、本当に素晴らしいもので、今や私に取っては、魚醤がメインで、むしろアンチョビの方が副産物に変わりました。
今回漬けた分が910g、先回とあわせて1538g、まだ予定量の1/3くらいです。
全部で4~5kg程漬けたいので、まだまだ仕込みは続きます。
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