2011年水耕容器製作とトマト苗セット
今年の栽培予定本数は5株です。
栽培に使えるベランダ領域は1間幅と変わりないのですが、栽培株数は毎年増えています(果たして大丈夫だろうか、笑)。
去年が4株なので、4株までの水耕容器は去年のをリフォームするとして、新たに1株分の水耕容器を作らなければなりません。
そこで近所のスーパーから適当なトロ箱を頂いてきました。
よく見ると、これは去年使用したトロ箱と全く同じタイプのもの、W26cm×L38cm×H20cmの内容責19リットルの箱です(下写真)。・・・4/12日
これが苗と培地を入れるザルで、去年も使った物で、100円均一での購入です。
金属製だけれど、しっかりプラスチック皮膜で覆われているので、サビ等の心配はありません。
トマト苗の根はこのザルの網目から飛び出して、液肥まで伸びていきます。
結構太い根も出来ますから、これくらい網目が大きい方が根の伸びを制限しないでいいです(下写真)。
発砲スチロールの蓋にこのザルをセットする穴をカッターで開けます(下写真)。
液肥を入れたり、根の状態をチェックしたりするために、蓋の一部を開閉出来るように切ります(下写真)。
100円均一のアルミ蒸着のレジャーシートと両面テープを使って、丁寧に遮光します(下写真)。
遮光の目的は保温ではなく、盛夏の液肥温度上昇を防ぐことです。
これをいい加減にすると、炎天下に根が煮えて、一発で枯れてしまいます。
トマトが大きくなるにつれ、株の重さも相当重くなり、この培地をいれるザルごと容器内に落ちてしまいますから、おでん串をこのように刺しておき、落ち込みを防止します(下写真)。
なおおでん串も100円均一で購入し去年使った残りです。
これは去年使った「どんとキャット」という野良猫防止グッズ。これも去年の残りがあったので使います。
野良猫を防止したいのではなく、これを裏側から容器に結束バンドで止め、これに吸水布を結びつけ、沢山垂らそうという寸法です。
結束バンドはプラスチック製のものでこれも100円均一のものです。
ザルの網目は大きいので、このままでは培地に使うバーミキュライトがこぼれます。
冷暖房機用のフィルター(ポリエステル100%)を適当に切って敷き、結束バンドで固定します(下写真)。
このフィルターも100円均一での購入品で、黴たり途中で朽ちたりしないように、ポリエステル製であることが重要です。
植物の根はこのフィルターを簡単に突き抜けて伸びます。
吸水布は100円均一のポリエステルのマイクロファイバータオルです。
色々な素材を試しましたが、これが最も優れたものでした。
素材自身が吸水性のあるものは、綿やレーヨンなどの天然素材で、これらは吸水性は良くてもすぐ黴て短期間に腐食してしまいます。
ポリエステルは天然素材では無いので腐食しないのですが、素材自身の吸水性はありません。
しかし素材の吸水性は無くとも、織り方で吸水性を出すことは可能です。
極細のポリエステル繊維を織ってその毛細管現象で抜群の吸水性を実現した、このマイクロファイバータオルが、水耕栽培の給水布として極めて優れていることは、以前の記事に書きました。
いつも使っているポリエステル100%のマイクロファイバータオルが生憎品切れで、これはポリエステル80%、ナイロン20%のものですが、問題はないでしょう。
このマイクロファイバータオルを2.5cm幅位に裁断した帯を沢山作ります。
カッターで敷いたフィルターに穴を開け、真ん中は2本の帯を通し、軽く結んで培地に液肥を与えるメインの給水布とします。
同様に回りにはそれぞれ1本の帯を同心円状に通し、軽く終端を結んで抜け落ち防止。これらはサブの給水布になります。
これらの給水布が容器内の液肥を吸い上げ、培地のバーミキュライトを常に湿った状態にします(下写真)。
裏返しにして、「どんとキャット」のあちこち、丁度培地のザルから飛び出してきた根を捕まえられるような位置に、沢山吸水布を結び付けます(下写真)。
表に戻してみればこんな具合に沢山の吸水布が液肥に垂れ下がります。
この沢山吸水布をぶら下げるやり方が私のやり方で、この方式はPETボトル栽培でも大変良い結果をだしていますが、トロ箱を使ったトマト栽培においても、ベランダの1間幅の領域で、一昨々年は外壁修繕のため9月末までというハンディがありながらシシリアンルージュ767個/1株(これはトロ箱ではなくバケツ)、そして一昨年は20kg、去年は23kgのトマトを収穫した実績のある方式です。
[吸水布沢山ぶら下げ方式の理由]
さてこの沢山ぶら下げた吸水布の目的は培地に対する給水ではありません。
単に培地に対する給水なら中央の1本でも大丈夫で、ダメ押しでも2~3本もあれば十二分です。
培地から飛び出した根は容器内の液肥に到達して、一気に液肥を給肥します。
でも多くの場合は、これら培地から飛び出した根は、液肥に到達する間に、空気中で乾燥して、途中で枯れてしまいます。
沢山吸水布を垂らす理由の一つは、これらの根を乾かさずに液肥までガイドをするためです。
吸水布が沢山垂れていれば、培地から飛び出した根は、これらのうちのどれかの吸水布に纏わりついて、液肥を吸いながら、乾燥しないで液肥まで到達できます。
そしてこの吸水布が多ければ多いほど、液肥まで到達する根量は多くなり、根を充実させることが出来るのです。
地上部の充実は、実のところこの根部分の充実にかかっています。
さてこの株元、特に培地から飛び出して液肥に浸るまでの中間領域は、吸水布から液肥を吸いながら、同時に空気に直接暴露されて十分に空気を取り込むことが出来る理想的な水気耕領域と言えます。
この部分が充実することは大抵の植物にとってとても重要なことであって、この部分が十分ならパッシブ水耕(ブクブク等のように電気を使用しない)でも十分栽培可能です(一応私はブクブクは使用しますが)。
沢山吸水布を垂らす理由の二つ目は、この水気耕領域できるだけ大きく形成したいためです。
[ 去年方式の反省 ]
昨年はこの吸水布を沢山垂らす方式をさらに進化させ、「給水カーテン螺旋ぐるぐる巻き方式」なるやり方を取ったのでした。
この方法は、実際にはトマト23kgの収穫を得たのですから、失敗ではなかったのです。
でも給水カーテンで螺旋ぐるぐるにされた内側は、ブクブクで酸素を供給している外側とはこのカーテンで遮断されてしまい、液肥の流れが殆どありませんでした。
結局この内部はブクブクを使用しないパッシブ水耕状態であったような気がします。
基本の方式が水気耕領域を十分に形成する方式のため、パッシブであってもあまり悪影響がなかったのが幸いして、失敗は免れたのだと考えています。
そこで今年は元々のシンプルな吸水布を沢山垂らす方式(一昨年と同じ)に戻しました。
さて製作の続きです。
容器の上縁に両面テープを貼り、 容器内側にPEゴミ袋を入れて広げ、容器の上縁に貼った両面テープで止め、余まった部分はカッターで切り取ります(下写真)。
これで容器の内側はPE袋貼りとなり、トロ箱に穴が開いていても大丈夫だし、来年また使うときも、この内側の袋を貼り代えるだけで綺麗に使えます。
さて、いよいよ苗のセットです。
中央の給水布で苗の根を挟んで(下写真)、
培地のバーミキュライトを入れていきます(下写真)。
バーミキュライトの上から液肥を少しかけて、バーミキュライトを湿らせた状態で、少し上から押してちょっと固め、苗を安定させます。
株元を除き、培地部分も遮光して完成です(下写真)。
この株元の遮光がないと、培地のバーミキュライトに藻が発生したり、雨が大量に入り込んだり、天気のいい日は液肥が蒸散したりと、いいことが有りません。
後でエアー供給用の穴を半田ゴテで開けるけれど、まだこの時点では大丈夫。
残りの4個は去年使用のものを、中のゴミ袋を新しいものに張替え、外側の遮光で痛んでいるところは部分的に張り直し、吸水布を取り替えてリフォームし、5株分が出来上がりました。
下写真の手前から奥へ、今期から新しく加わったタイ・ピンク・エッグ(Thai Pink Egg)、そして昨年同様今期も栽培するサンマルツァーノ・ルンゴ(San Marzano Lungo)、エバグリーン(Evergreen)、グレイトホワイト(Great White)、コストルート・ジェノベーゼ(Costoluto Genovese)です。
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