2011’07.08・Fri

トルテッリーニ(Tortellini)を作る

久しぶりの生ショートパスタを作るシリーズです。これまでの記事は

   カサレッチェ(Casareccie)を作る
   ガルガネッリ(Garganelli)を作る
   カヴァテッリ(Cavatelli)を作る

トルテッリーニ(Tortellini)は小さな帽子の形をした下写真のようなショートパスタで、中に詰め物がしてあります(下写真)。
これは北イタリアのエミリア・ロマーニャ地方のパスタですが、トルテッリ(Tortelli)と呼ばれたり、カッペッレッティ(Cappelletti)とも呼ばれたりします。
同じようなパスタが色々な名前で呼ばれ、その違いがよく判らないのは、イタリアならよくあること。今となってはイタリア人だって判っていないものは随分多いに違いない(笑)
さて、このパスタにどうして三つもの名前があるかです。
基本的にこのパスタは、エミリア・ロマーニャ地方の詰め物パスタ「トルテッリ」の一種なので、こまかく拘らなければトルテッリと呼ばれます。
トルテッリには色々なバリエーションがあって、その中でこの帽子型の小さなパスタには別に、トルテッリーニという呼び方とカッペッレッティと呼ぶ2つの呼び方があるようです。
トルテッリーニという呼び方は、-ini(単数形は-ino)が「小さい」という接尾語なので、小さいトルテッリという意味(Tortellini=Tortelli-ini)からきていますし、そしてカッペッレッティという呼び方はカッペッロ(Cappello:帽子)からきているようです。
トルテッリーニとカッペッレッティの違いは現在ではもうないようですが、伝統的にはボローニャを含んでエミリア地方ではトルテッリーニ、ロマーニャ地方ではカッペッレッティと呼ばれ、また形状ではトルテッリーニが丸型にくり抜いた生地を半円に折り包んで帽子型に丸めるのに対し、カッペッレッティは4角に切った生地から三角に折り包んで帽子型に丸めるスタイルだったのだそうです。

IMG1107055.jpg


このトルテッリーニを大きくしたパスタもあって、それはエミリア・ロマーニャ州の南に隣接するトスカーナ州のパスタで、トルテッローニ(Tortelloni)と呼ばれるパスタです(こんなやつ

さてトルテッリーニ自体は、それ程紛らわしくはないのですが、元のトルテッリはなかなかに紛らわしいのです。
この帽子型のトルテッリーニもトルテッリなら、詰め物を乗せて、三角形や半円に半折りに包んだ形のものもトルテッリであるし、1枚の生地に小分けに詰め物を乗せていき、もう1枚の生地を重ねて貼り付け、四角形に切り分けたり、丸型にくり抜いたスタイルもあります。
この2枚の生地で詰め物を挟むスタイルのパスタは、まさにラビオリ(Ravioli)とソックリであって、形上の違いはよく判りません。
一方このラビオリだって、基本は2枚の生地で詰め物を挟むスタイルだけれど、色々調べるとトルテッリと同じように半折りで包むスタイルも出てきたりします(笑)。
ここまで来ると形状や包み方でトルテッリとラビオリを定義分けするのは無理なことだし、中にどんなものを包むかだって、基本的にはどちらも自由でバリエーションも多いのですから、これ又無理です!。
ラビオリはラビオーレ(ジェノヴァ地方の方言で残り物や価値のないものの意味)からきており、昔ジェノヴァの船乗りたちが肉の切れ端や野菜くずをパスタで包んで茹でて食べたのが始まりなのだそうです。
ジェノバといえば、トルテッリのエミリア・ロマーニャ州の西端に隣接するリグーリア州の州都です。
エミリア・ロマーニャ州の詰め物パスタであるトルテッリは、元々は1枚の生地で詰め物を包むスタイルだけれど、でもマンマの数だけ作り方や形があるイタリアですから、時代とともにバリエーションも増え、隣のリグーリア州のラビオリスタイルが混じってきたってなんの不思議でもない筈です(マンマだって入り混じるんだもの)。
そしてそれは、ラビオリの側だって同じことで、こちらの基本は2枚の生地で挟むスタイルだったけれど、現在は包むスタイルもバリエーションとして取り入れられてきたのでしょう。

だから、作る側がラビオリを作ったつもりなら、挟む形でも包む形でもそれはラビオリであって、トルテッリを作ったつもりなら、挟む形でも包む形でもそれはトルテッリなのでしょう・・・何やら判ったような判らんような、禅問答みたいで、哲学的ですらありますナ(爆)。

ついでに、このラビオリの発祥のジェノバがあるリグーリア州の北に隣接するピエモンテ州には、アニョロッティ(Agnolotti)という、またまたラビオリやトルテッリと紛らわしいパスタがあるのですが、長くなるのでその話はまた別の機会で。

さて、題は「トルテッリーニを作る」なのですが、実は今回の目的は詰める中身の方の処理が主目的だったのです。
ガルバーニ社のリコッタチーズ250gが賞味期限間近のため70%オフの330円で売られていたので、迷わず購入したのです。
リコッタチーズはフレッシュチーズですから、急いで消費しなければなりません。
そこで、何時でも使えるようにパスタの詰め物用に仕立てて、冷凍保存してしまおうという作戦だったのです。
パスタを打つのが面倒だったら、例えばトルテッリに仕立ててから、小分けに冷凍という手もありますが、私にとって粉仕事は別段面倒ではないので、中身だけを冷凍にします。それに中身だけなら、ディップとしても使えます。
同じ味だけでは飽きますから、今回は3種類の詰め物を作って見ました。

1.[ リコッタチーズ+パルミジャーノ・レッジャーノ+カシューナッツ ]
カシューナッツを軽く炒ってから、すり鉢で摺り、パルミジャーノ・レッジャーノのおろしたもの、刻んだバジルと混ぜ合わせ、リコッタチーズと合え、塩、胡椒で味を調える。
リコッタチーズのミルキーさとパルミジャーノのコクをベースに、さらにカシューナッツのナッティなコクで補強することを意図しました。
2.[ リコッタチーズ+パルミジャーノ・レッジャーノ+筍+ケーパーベリー ]
筍水煮の微塵切り、パルミジャーノ・レッジャーノのおろしたもの、ケーパーベリーの微塵切り、刻み大葉を混ぜ合わせ、リコッタチーズと合え、塩、胡椒で味を調える。
リコッタチーズのミルキーさとパルミジャーノのコクをベースに、食べている最中に時々コリッっとくる食感を筍で、そして味のアクセントとしてケーパーベリーの酸味を加えることを意図しました。
3.[ リコッタチーズ+パルミジャーノ・レッジャーノ+ベーコン&挽肉+ニンニク ]
鍋にオリーブオイルを入れ、微塵切りのニンニク、刻んだ自家製ベーコンを入れて炒め、オイルにニンニクの香りが十分移ったら、挽肉、ローズマリー葉を加え炒め、しっかり火を通した後冷ます。
鍋の中身とパルミジャーノ・レッジャーノのおろしたものを混ぜ合わせ、リコッタチーズと合え、塩、胡椒で味を調える。
リコッタチーズのミルキーさとパルミジャーノのコクをベースに、さらに挽肉&ベーコンの肉の旨みが加わります。
勿論リコッタチーズを入れないで、肉系だけで攻めてもいいのですが、今回は元々の目的がリコッタチーズの処理ですから、必ずリコッタチーズが入ります(笑)
どれもなかなか美味しい味に出来上がりました。
この3種類の詰め物は、何時でも使えるようにラップの上に板状に伸ばし、そのままラップで包んで冷凍します。
使う分だけを折って解凍して、詰め物パスタやディップに使えるので、とても便利です。

さて、折角作ったのですから、3種類とも冷凍分とは別に少し取り置いて、トルテッリーニで使って見ました。・・・ということで、やっとお題に辿り着きました。(^。^;)ゞ フウ

生地(2人分)
国産強力粉「春よ恋」100g
卵黄(2個)30g
26g
オリーブオイル大匙1/2
小匙1/2

捏ねて30分程寝かせた生地をパスタマシンで一番薄い厚みで伸ばし、丸くくり抜く(下写真)。
勿論、四角に切るやり方もありで、そちらの方がずっと楽なのですが、冒頭の記述からすると、それではカッペッレッティになってしまいそうなので、丸でいきました。

IMG1107050.jpg


それぞれの真ん中よりちょっと上目に作った詰め物を乗せ、生地を半円に折って被せます(下写真)。

IMG1107051.jpg


詰め物の周囲は少し押してしっかり密着させ(下写真)、

IMG1107052.jpg


底辺の真ん中をちょっと凹ませて(下写真)、

IMG1107053.jpg


両端を重ねてくっつけて完成!(下写真)

IMG1107054.jpg


この手はスープ仕立てにするととても美味しいのです。
そこでミネストローネ仕立てにすることにしました。今回はトマトを使わないミネストローネです。
食べたかったので、事前に水に漬けていたグリーンスプリットピーを入れています。

[ トルテッリーニのミネストローネ仕立て ]
Minestrone di tortellini( ミネストローネ・ディ・トルテッリーニ )

    [ ミネストローネ ]
  • グリーンスプリットピーは半日くらい水につけておく。
  • 玉葱、人参、ジャガイモ、セロリは1cm角くらいに刻んでおく。
  • 鍋にオリーブオイルを入れ、自家製ベーコン、ニンニク微塵切りをを炒める。ニンニクは焦がさない。
  • 鍋にアンチョビー魚醤を加え(小さじ1/1人当り)、弱中火で1、2分、魚醤臭さを飛ばし旨みだけを残す。
  • 刻んでおいた玉葱、人参、セロリを加え少し炒め、グリーンスプリットピー、ブロードを加えてグリーンスプリットピーが柔らかくなるまで(30分位)煮る。
  • 途中でジャガイモを鍋に加える。加える時期は出来上がり時に少し煮崩れる位が目安(10~15分前くらい)
  • 塩、胡椒で味を調える。
ブロードが無ければ、魚醤とグリーンスプリットピーで旨みは出ているので水で代用しても可。この場合旨みが少し不足気味なら、1人当りミニトマトサイズ1個程度でイタリアントマト(加熱で旨みが出るトマト)を刻んで入れて煮込むと旨みが補える。
ブロードも魚醤も無ければ、水と固形ブイヨンで代用する。

    [ トルテッリーニのミネストローネ仕立て ]
  • トルテッリーニを茹で塩1%で茹でる。
    茹で時間はパスタが浮き上がって(2分位で浮き上がり)から1分半位。
  • 茹で上がったトルテッリーニを湯切りして器に盛り、ミネストローネを注いで完成


IMG1107056.jpg


中身の詰め物の違いによる印はつけていませんから、外観からは判りません。食べてのお楽しみです。
案の定、これは大正解!
おぉ!これはカシューナッツのやつだ!とか、あっ!挽肉のやつだとか、食べながら味に変化があって、とても楽しいパスタになりました。
どの詰め物も素晴らしく美味しいです♪

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(*'▽'*)わぁ♪ 美味しそう!

カシューナッツ大好き♪(というか、ナッツ類が大好き ( ̄∇ ̄*)ゞエヘヘ)
ミネストローネも大好き。

ああ、イタリアに生まれてきたかった(笑)
いや、日本人も捨てがたいので、日本人でイタリアに住みたいっていうのが本音かも (´m`)クスクス

NORF:2011/07/08(金) 15:58 | URL | [編集]

楽しそう!お鍋の巾着みたいですね♪

我が家のキッチンは狭くて、粉物を扱うのは、どうしてもリビングになってしまうもんだから…なかなか (^-^;
だけど、たまーにピザ生地なんかを自家製にすると、美味しいんですよねぇ~~((((*´ー`)
パスタにも挑戦してみようかな、冷凍しておけば小分けで使えるし。

ちなみに、今我が家の冷凍庫には、ストック食材皆無で、ガリガリ君「梨味」だけが入ってます(爆)

Naomi:2011/07/08(金) 20:33 | URL | [編集]

おいしそ~! 我が家は作ってもラビオリどまりですね~。こんな形につくる知恵さえなかったです(爆)
うちは強力粉を25kg単位(でしたっけ?茶色い大きな袋入りのやつ)で買っているんですけど、1万円超えると送料無料になるので、その時色々買うんです、使わないようなものまで。(正直、送料を払った方が安くすむんじゃないの?という感じです、はい。笑)
で、その時に手打ちパスタ用にセモリナ粉も注文するんですが、うち、パスタマシンがないんですよね~(笑)
手延べですよ、もううどん屋さんな気分(爆) 
いつかパスタマシンを買って、我が家も均一に美しく伸びたパスタでこんな素敵なトルテリーニを冷凍できるほど作ってみたいです!!!

creamat:2011/07/09(土) 01:46 | URL | [編集]

> NORFさん
カシューナッツを入れるこの詰め物はかなりいけます♪
パスタ以外でもディップで何にでも使えますよ~!(^^)

そうそう、イタリアだけじゃなくても、地中海とかアドリア海とかエーゲ海とかそちらの海の傍でのんびりと住んでみたいものですね~!
馬鹿政治家ばかりの日本は、もういやだ~!(笑)

duckbill:2011/07/10(日) 09:49 | URL | [編集]

> Naomiさん
この詰め物パスタのスープ仕立て、かなり美味しいですよ♪

我が家もキッチンでの粉仕事は全然無理です。
いつもダイニングテーブルの上に粉専用の板(60cm角)を置いて、その上でやります。
ピザも自家製生地だと端ももっちり膨らんで、美味しいですよね。
ロングパスタは私は乾麺の方が好きだけれど、ショートパスタは絶対生パスタに限ります。
生ショートパスタを作るようになってから、「パスタはやっぱりショートパスタだよなぁ!」って思うようになったもの。
だからイタリアでは、圧倒的にショートパスタは種類が多い!
ぜひショートパスタに挑戦を♪

我が家の冷凍庫にもガリガリ君は常備(勿論それだけじゃないけれど、笑)!

duckbill:2011/07/10(日) 09:50 | URL | [編集]

> creamatさん
粉仕事って粘土細工と一緒で、形を作る楽しさもあって、こういうのは苦になりません(笑)
25kg袋で購入は凄い~!
HB開発時代はスーパーキングを業務用の25kg袋で買っていました。茶色い大袋の(笑)
当時はスーパーキングなんて専用粉は小分けで一般市販されていなかったから、これで買うしかなかった。
でも一般家庭でそれは凄~い!一体どれだけパンを焼いているの o(@.@)o ヒョエ~!
以前讃岐うどんの専用粉を数種類合わせて15kgほど仕入れたら、数年たってもなくなりませんでした。(笑)
パスタマシン便利ですよ。
最近楽をして手打ちうどんや、手打ち蕎麦にも使っちゃうもの(爆)
特に一番薄く延ばす時に楽です。
今回のトルテッリーニなんか生地の厚みが厚いと味は半減するし、ワンタンなんか薄くなきゃ美味しくないし。

duckbill:2011/07/10(日) 09:52 | URL | [編集]

素晴らしいパスタをお作りに
最高に美味しそうです

見ていてここから嬉しくなります

ありがとうございます。

ryuji_s1:2011/07/10(日) 20:33 | URL | [編集]

> ryuji_s1さん
ryuji_s1さんの素晴らしいイタリア料理で、いつも刺激を頂いています。

生ショートパスタが特に好きなのですが、詰め物もバッチリでとても美味しいパスタになりました。
好評価頂き、とても嬉しいです♪有難うございました。(^^)

duckbill:2011/07/11(月) 01:21 | URL | [編集]

コメント有り難うございます

嬉しいです

ryuji_s1:2011/07/11(月) 08:18 | URL | [編集]

> ryuji_s1さん
こちらこそ!大変嬉しいです♪
有難うございました。

duckbill:2011/07/11(月) 20:30 | URL | [編集]

わ~~ また美味しそう~~

これは絶対に粉物教室の開催して下さいね。

ポメマル:2011/07/11(月) 23:38 | URL | [編集]

> ポメマルさん
ふふ、このパスタ美味しいです♪
格安のリコッタチーズが手に入った時は、この手のパスタに限ります。
粉物捏ねるのは好きだけれど、教室までは無理!(^ ^;)ゞでへへ

duckbill:2011/07/12(火) 12:03 | URL | [編集]

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