続6・野のキノコ
MAPに無い道や獣道のような細い道、耕作放棄され道が殆ど埋もれている谷戸、何処に続くのか、どんな景色が出てくるのかどうにも気になって、必ず分け入っては、あっちへウロウロ、こっちへウロウロと、かなりアップダウンのある里山道を早足で15km、4時間くらい歩いて(さまよって?)帰ってきます。
散策中は色々な動植物を目にします。
常々キノコに詳しくなりたいと思っているので、それが食べられるキノコであろうと、食べられないキノコであろうと、散策に見かけたキノコは写真を撮って、後でNETや図鑑で調べ、できるだけ何のキノコであるか推定をしています。
勿論まだ知識が無いので、推定できなかったり、推定間違いだったりすることも多い筈です。
掲載したキノコのそんなケースで、正しいキノコ名をお判りの方がおられましたら、ぜひにも教えて頂けると大変嬉しいのです。・・・宜しくお願いいたしますm(_ _)m 前回はこちら
7/6日
この日は、昼休みの散策に近所の公園まで、キノコ探索に行きました。
公園まで行く途中の土手に白い傘状のキノコが出ていました。
傘径は5cmくらい。柄はツバもツボもなく、中空。
ホウライタケ属のオオホウライタケにしては、ヒダが細かいです。
つい抜いてしまったけれど、よく見たらツボがあって、地面に残ったのかも知れません。
ツボがあったとすれば、テングタケ科のシロツルタケのように見えます(下写真2枚:傘表、傘裏)。
さらに、イグチ系の小さなキノコが数本(下写真3枚)。
傘裏は白い密な管孔、色変性はなし、極太の薄茶色の柄の全般に網状模様。
匂いは香り高い良い匂い。
この傘色と軸の汚さは、キンチャヤマイグチでしょうか?
だとすると食菌だけれど、こんな小さなうちから、もう全体が虫食いだらけ、柄も一部にカビが発生していて、いずれも食べられる状態ではありません(下写真)。
公園に着いて、いかにもハタケシメジのようなキノコを発見。
あちこちに随分生えています(下写真2枚)。
傘径は6~10cmくらい、傘中央が少し盛り上がった形で、結構もろい。
傘裏はヒダ面でやや疎。ヒダ色は白く、ほんの少しだけピンクっぽい感じです
柄は白く、縦に裂ける繊維状だが、写真のようにささくれが沢山あります。
柄内部は中心部分がすこしグズグズな構造で、中実とも中空とも決めにくい。
少し齧って(齧って味を見るだけで、全部吐き出します)確かめた味は、苦味はなく無味。匂いは穏やかな良い匂い。
似ているものは、ハタケシメジ(食菌)だけではなく、ウラベニホテイシメジ(食菌)、クサウラベニタケ(毒菌)など。
「齧ってみると食菌のウラベニホテイシメジの方が苦く、毒菌のクサウラベニタケは苦くない」との記述がWEB上にあります。
苦味は無いですから、傘裏が少しピンクがかっているのと合わせれば、クサウラベニタケ(毒菌)である可能性も捨てられません。
でもこれらのキノコには、写真のような柄のささくれはあるのでしょうか?WEB上の写真では見たことがありません。
場合によっては、少しだけ味見をしようと採集してきたのですが、かなり怪しげなので廃棄しました。
枯葉の間から、正体不明のキノコ(下写真3枚)。
形がモコモコでよく判らなかったのですが、裏返しして見たら、幼菌で未だ内側に随分巻いている状態です。
開いてくる頃には結構大きなキノコになりそうだし、偏心生に見えます。
ムレオオイチョウタケ(毒菌)の幼菌のような気もするのですが、よくは判りません。
ベニタケの仲間はあちこち何処にでも生えてます。
これはカワリハツなのでしょうか?(下写真)。
ベニタケの仲間の細かい同定は、難しい上に、メリットが無い(あまり美味しいキノコが無い)ので、興味が沸きません(笑)。
これもベニタケの仲間。
一見シロハツやシロハツモドキ、ツチカブリの類に見えるけれど、ヒダが粗いので、ヒビワレシロハツとかそんな類のやつなのでしょうか(下写真2枚)。
さらにこれもベニタケの仲間。
ニオイコベニタケかもしれないし、ドクベニタケかもしれないし、カワリハツかもしれないし・・・ベニタケの仲間の同定は難しいです(下写真2枚)。
ホコリタケの仲間のノウタケを発見(下写真)。
半分に割った感触はまるでマシュマロのよう。
中が白いうちは食べられるそうだけれど、あまり食欲は沸きません(下写真)。
7/7日
この日は高尾の方にちょっと遠出の散策に行ったのですが、散策中はあまりキノコには出会えず、帰り途中の自宅傍で、見つけました。
まず公園脇の道端にテングダケの群生(下写真)
何時見ても綺麗なキノコですが、有名な毒キノコ(下写真)。
道脇の柵外雑木斜面に25cmくらいの巨大なキノコ。
柄も太く、重さもズッシリです(下写真)。
傘裏は白いヒダで、柄はささくれ等はなく縦に繊維状。
偏心生の2つのキノコが合わさっています(下写真)。
匂いは穏やかで、悪い匂いではなかったけれど、ちょっと齧ってみた味では少し苦味がありました。
土から生えており、ムレオオイチョウタケ(毒菌)と推定しました。
そのムレオオイチョウタケと思われるキノコの近くに、いかにも美味しそうな不明なキノコがあちこちに(下写真)
径は2.5~3cmくらいで、傘裏は白い超密なヒダ。柄は密で縦に裂けます。
匂いは悪くは有りません。
枯れ木が埋まっていたのかも知れませんが、土から生えているように見えました。
外観はチャナメツムタケ、クリフウセンタケなどの類の外観ですから、カキシメジ(猛毒)にも似ています。
でも、どれも季節的には早すぎるような気もします。
判らないので、廃棄しました。
7/14日
近くの自然公園に散策を兼ねたキノコ採取に行きました。
早速、落ち葉の影に茶色い傘のキノコが何個も覗いているのを発見(下写真)。
採って見ると、傘は少しヌメリがあって、脳みそみたいなシワシワ模様。
柄もヒダも薄茶でいかにも美味しそうです(下写真2枚)。
でも、この如何にも美味しそうってのが、何だか怪しいゾ(笑)。
調べてみたら案の定、オキナクサハツという毒菌の幼菌でした。(; ̄Д ̄)ウーン、やっぱりネ!
さて、毒キノコには用は無い。
この日のターゲットは国産ポルチーニであるヤマドリタケモドキです。
自分の近くの公園などに、意外にあることが判ってから、有りそうな場所のパターンが判るような気がしていて、この公園に来たのです。
感に従って探したら、そう時間もかからず発見!ほら~♪(下写真)
こちらは2個~!
しかし、片方のこの巨大さはどうだ!(下写真)
さすが、この巨大な方は大きくなりすぎで虫にも随分たべられ、廃棄。
小さい方(と言っても十分大きいけれど)は、十分綺麗です(下写真)。
また別の場所で、発見したこれも大きくなりすぎで、虫にも随分たべられ、廃棄(下写真)。
さらに、別の場所で、3個。
これはどれも、十分綺麗です(下写真)。
これが、この自然公園での成果(下写真)。
傘裏は管孔で、色は白~クリーム色で密、柄は上から下まで網状、傷つけての変色性はなし。
香りはまさにポルチーニのような良い香り(笑)。そして齧った味は、全て苦味は全く無く、バターっぽい特有の風味。
何れも、綺麗なヤマドリタケモドキだと思います。
遠くに行かなくとも、近くで採取できるものです。
これらは塩水に漬けて虫だしをした後水洗いし、水分を切ってスライスし、自作ディハイドレーターで乾燥。
乾燥国産ポルチーニの完成(下写真)。・・・いい匂いです♪
さらに、自宅近くの街路樹傍で、イグチ系キノコを2個発見。
まず、こちら(下写真2枚)。
傘色は濃い茶色で傘径4cm、管孔は白で密、柄は傘と同じ濃い茶色で、網状ではなくビロード状。 傷つけての変色性はなし。
齧って確かめた味では、苦味は全くなし。
クリイロイグチ(又はビロードクリイロイグチ)(食菌)と思えますが、虫食いなので廃棄。
でもう一個の方は、傘径8m、管孔はクリーム色で密、柄の網目が少し細かすぎて不明瞭ぎみだけれど、多分網、傷つけての変色性はなし。
柄の網目が少し不明瞭ぎみなのが気になるけれど、やっぱりヤマドリタケモドキなのでしょうか?それともこれはモドキの無い方?(下写真)。
齧った味は、苦味は全く無く、バターっぽい特有の風味です。
7/15日
この日はちょっと遠出の散策というか、山歩きに出かけました。
何処へ言ったかと言えば、陣馬山、標高857m。
この山の頂上には白馬像があります(下写真)。
家内も一緒だったので、陣馬高原下から和田峠を経由して陣馬山頂上、そこから景信山方向へ尾根に沿って、奈良子峠、明王峠、底沢峠、その底沢峠から下山して、スタートした陣馬高原下へ戻るという、少し手ぬるい散策ルートです。
珍しいこともあるもので、偶然、奈良子峠付近で、反対側から走ってきた我が家の長男に会ったのです(笑)。
彼は高尾山-陣馬山往復のトレイルランニングをしていたようです。
往復で31kmの山道ですから、やるもんですな。ヽ((◎д◎ ))ゝヒョエ~
下山途中の中腹で、絵に書いたようなタマゴダケの幼菌を発見(下写真)。
周りを見たら、傘が開いているタマゴダケも数本ありましたので、全て採集してきました。
タマゴダケは猛毒菌が沢山あるテングダケの仲間。
何故かこれには毒が無いけれど、他と間違えたら大変危険です。
よく似ているベニテングダケとは傘上のぶつぶつが異なっていて、ベニテングダケにはぶつぶつがあるけれど、タマゴダケはツルっとしていてぶつぶつが無い。
ところが、雨でぶつぶつが流されて、ぶつぶつの無いベニテングダケもあると、怖い記述をしているWEBもあります。
でも、ベニテングダケの柄の色は白に対し、採集してきたものは、オレンジ色のダンダラ。
どうやら、タマゴダケで間違いないようです。
山羊のクリームチーズも使ったクリーム系スープで頂きました。・・・元々美味しいキノコと評判のタマゴタケ、ほんとに超まいう~な茸です。
7/17日
クライアントさんと打ち合わせをした帰り道の土手に見つけたイグチ系キノコ。
カメラを持っていないので、とり合えず採集し、帰宅してから写真を撮りました。
大きい方が傘径6cm、小さい方は3cmで傘表面は濃い茶色でひび割れ。
柄も濃い茶色の表面はひび割れてささくれています。ささくれているので良く判りませんが網状ではないように見えます。
傘裏は明るい黄色~クリーム色(下写真)。
傷つけての変色性は無いようです(下写真)。
齧って見たところ、苦味は全くなしです。
ひび割れしやすいイグチ、例えばアヤメイグチなどは、青変性が無いので一致しません。
今日は関東は梅雨明け。一気に炎天下になりました。
日頃はひび割れないクリイロイグチが、急激な炎天下の乾燥で、ひび割れたもののような気がします。
※後日、ムラサキヤマドリタケのひび割れたものと判りました。
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