黒豚で2本目の原木生ハム仕込み
その1本目の状態がなかなか順調なのに気を良くして、ハモンイベリコのように、今度は黒豚でもう1本仕込んでみたいと、鮮度の良い状態の黒豚が入手できるか探してみたところ、埼玉県、彩の国の黒豚を入手することが出来ました。
今回は、新たにonoさんのご主人もメンバーに加わって4人となり、骨付き腿もどど~~ん!と4本。
すっかり生ハム工房と化したわらびさんちで2本目の生ハム製作です。(下写真)・・・2/2日
各自、自分の骨付き腿の血抜きです。
出てきた血をキッチンペーパーで吸い取りながら、すね側から肉の切断面の方へ扱いては血を絞り出します。
これがなかなかどうして、結構難しくて大変。(下写真)
ハモンセラーノのように、寛骨は取らない方式だけれど、寛骨についてきた余分な骨を、鋸で切り取ったり、余分な脂を削ぎ取ったりして整形します。
あちこちに黒い毛が付いていて、間違いなく黒豚です(笑)。(下写真)
整形が終わったところで、4人で記念撮影。
1本10kgちょっとありますので、やっぱり男子の作業ですナ。(下写真)
さて大事なことを少々。
血抜きが出来るということは、その血を出した血管の内側が外界に開放されているということであり、当然その血管の内側は、沢山雑菌を含んでいる外界の空気に暴露されたということです。
雑菌の繁殖による腐敗は、雑菌が付着した表面から始まって中に進んでいきます。
骨付き腿肉の外側表面は、直接塩を刷り込むのですから、雑菌はなかなか繁殖できません。
問題は外界の空気に暴露され雑菌が付着した血管の内側です。
細い血管の奥に直接塩を刷り込むことはできません。
刷り込んだ塩によって内部から出てきた水分が塩水となって、たまたまこの血管の中に流れ込み、血管内を塩漬けするような幸運もあるかも知れませんが、そんな偶然に頼る訳にもいきません。
外側表面に刷り込んだ塩が、この内部の奥にある血管まで浸み込むまでに10日程度かかります。
つまりその部分は、屠畜から入手までの日数に加え、塩が浸み込むまでの期間を、雑菌が付着した塩気のない状態で放置される訳ですから、傷み始めます。
勿論、塩が到達した時点で腐敗菌は死滅し、傷みの進行は止まるでしょうが、傷んだ部分の状態は戻りません。
鮮度の良い骨付き腿を入手することは、血抜きをするためにも重要(血がまだ固まっていない)ですが、傷む可能性のある期間を短くする意味でも重要です。
塩漬け直後から内部に塩が浸み込むまでの間は、出来るだけ低温環境に置いて、傷みが進まないようにすることも重要です。
でもこんな大きい骨付き腿を保管するような、大型の冷蔵庫など家庭にある訳もないのですから、低い温度で保管すると言っても限界があります。
さて、1本目の原木生ハムの塩漬けでは、これらのことを考慮して、湿塩法で1週間ほど漬け、その後乾塩法に切り替えました。
塩水に漬け込みちょっと揉んでやることで、外界に開放された血管部分にまで塩水が入り込み、そのまま1週間程漬け込むことで、外界に暴露されたすべての部分とその表面から一定深さまで塩漬けが進み、血管内からの腐敗を防止できるのではないかと考えたものです。
この湿塩法は悪くはないのですが、塩が随分無駄になるのが玉に瑕。良い海塩は結構高価です。
2本目になる今回の黒豚原木生ハムでは、又別の工夫をしてみました。
注射器に細いチューブを付けて、血が出てきた穴など、チューブが入っていくような部分へ挿入し、飽和食塩水を注入しました(下写真)。
外に染み出た塩水をキッチンペーパーで吸い取り、隅々に海塩をしっかり刷り込んで(下写真)、
ケースの蓋を閉め、4、5日毎にひっくり返しながら、2週間程、出来るだけ温度の低い所に置きます。(下写真)
生ハムの処理が終われば、いつもの宴会の始まりです。
まずは、onoさんが長井港の長井水産から仕込んできた魚類から。
金目鯛の刺身、金目鯛のシャブシャブ、金目鯛の兜煮、活け締め平目のカルパッチョなど(下写真)。
魚類が終わった所で今度は、生ハム用骨付き腿と一緒に宴会用に仕込んだ、黒豚シャブシャブ用3種(ロース、肩ロース、バラ)でシャブシャブです。
この黒豚、なかなかいけます♪(下写真)
わらびさんが広島産の生牡蠣を沢山お取り寄せしたらしく、帰りに1袋頂いたのです。
袋には牡蠣がタップリ入っていて、次の日の夕食に、湯牡蠣と牡蠣のチャウダーで頂きました。
この牡蠣のチャウダーが何とも美味しかったのです♪
[ 牡蠣のチャウダー ]
- 玉葱は粗微塵、ニンジン、ジャガイモは8mm程度のサイの目切り、牡蠣は薄い塩水で洗い水を切っておく。
- 鍋にヒタヒタの水を入れ、沸騰したら、牡蠣、白ワイン(又は日本酒)加え、牡蠣にギリギリ火が通ったらすぐ火を止め、牡蠣、煮汁を別々取り置く。
- 鍋にオリーブオイルを入れ、小さく切った自家製ベーコン、玉葱、ニンジンを入れ炒め、玉葱がしんなりしたら、自家製アンチョビー魚醤を加え(小さじ1/1人当たり)、魚醤臭が飛ぶまで中火でさらに炒める。
- 鍋に牡蠣の煮汁、ジャガイモを加え5分程度煮る。
- 鍋に牛乳を加え、沸騰したら、取り置いた牡蠣を加え、塩、胡椒、生クリームで味を調える(下写真)。
ところで、この牡蠣のチャウダーを夕食で食べた日の昼食も、それは沢山牡蠣を食べたのです。
この日、つまり生ハム作りの会の翌日は、塩漬けにした自分の分の原木生ハムと、前日置いていった車を取りに、わらびさん宅に伺うことになっていたのですが、「お昼に来て一緒に牡蠣フライをどうぞ」と誘って頂き、お昼にも牡蠣をタップリご馳走になったのです。
カメラを持っていかず、写真で紹介出来ず済みません。(^^;ゞ
凄く美味しかったです。それに一度にあんなに食べたのは初めて。
わらびさん、ふみえさん、ご馳走様でした。m(_ _)m
塩漬け直後から2日程、急に陽気になり、気温が上がって心配な状況になりました。
取りあえず、塩漬け生ハムを入れたケースに板氷を入れて対処したけれど、事なきを得たのやら、得ないのやら、 結果は随分先にならないと判りませんナ。(^^;ゞ
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