磯くさ蕎麦3種
[ 花巻蕎麦 ]
江戸時代から食べられていた江戸っ子の「花巻蕎麦」。
単にかけ蕎麦に、手で揉んだ海苔を散らしただけのものだけれど、これがなかなかどうして、馬鹿にならないのです(笑)。
海苔は上等なもので、かつ直前に炙って香り高くなきゃ駄目だし、必ず蒸らし用の蓋(かけ蓋)をして出しますが、これがとても重要です。
その理由は、蓋を取った瞬間にすぐ判ります。
「海苔ってこんなに磯臭かった?」と思うくらい、ふわ~っと磯臭さが立ち昇って、何とも言えず食欲を刺激しますナ(下写真)。
江戸っ子に好かれたこの蕎麦は、通好みを称する蕎麦屋なら、メニューには入れたいもの。
でも結構、蕎麦屋泣かせの蕎麦でもあるのです。
この蕎麦には薬味は不要で、そんなものを入れた日にゃ、せっかく磯臭さが立った海苔の香りが台無しで、蕎麦通には、半可通な蕎麦屋と馬鹿にされます。
かと言って、海苔だけで出せば、きっと大方のお客さんからは、「何の工夫もなく、海苔を乗っけただけの蕎麦が、なんでこんなに高い!」と、文句を言われますナ(爆)。
でも上等な海苔を沢山使うと、その分の原価も結構高いのです。
この蕎麦、メニューにない蕎麦屋さんがほとんどですが、メニューに入っている蕎麦屋さんでも、結局は大方のお客さんに合わせ、ネギを付けたりワサビを乗っけたりと、色々余分なものを付けるところが殆ど。
質実剛健に海苔だけタップリ散らした正統派の花巻蕎麦を出す店は、滅多にありません。
その点、自分で作る分には、海苔だけ散らした正統派の花巻蕎麦は簡単だし、いつだって食べられますナ(笑)
[ 生メカブ蕎麦 ]
磯臭さと言えば、この季節、生のメカブは外せない。
黒くてグルングルンと螺旋状のこの異様な食材は、ワカメの根元部分にある生殖細胞部分。
でもワカメと同じような味と考えたら大間違い!
この強烈な磯臭さ旨さは、一度食べたら病みつきです。
結構痛みも早いので、買ってきたらすぐ、メカブは洗わないで、乾いたまな板、乾いた包丁、洗った手はしっかり水分を拭いて、メカブの芯以外を千切りにします。
もともとヌルヌルつるつるで刻みにくいのですから、水になんか濡らそうものなら、あっちへツルン!こっちへツルン!となって、間違えて手を刻みそうです(笑)。
刻んだメカブはZIPロックなどに入れて冷凍してしまえば、年中新鮮なメカブが食べられます。
さてこの刻んだ生メカブに、熱々のソバツユをひたひたにかけて、さ~っと鮮やかな緑色に変わったら、箸でしっかりかき混ぜ、粘りが出たところを、熱ソバにトッピングしたら、生メカブ蕎麦の出来上がり(下写真)。
ところで、メカブの芯の部分は固いので、薄くスライスして、佃煮などにして食べられますし、もし透けるくらい薄くスライスできるなら、芯以外の部分と同様の食べ方でも大丈夫です(我が家はそう)。
[ 生青海苔蕎麦 ]
先日、逗子の方に散策に行き、タイドプールで綺麗な青海苔を見つけたのです。
結構沢山生えていたので、採って帰って、蕎麦にでも入れたかったのですが、ビニル袋や保冷バックなどを持ち合わせておらず、断念したのです。
一旦沸いた青海苔ソバに対する食欲をどうしてくれようかと思っていたら、日を置かず、近所のスーパーで生青海苔を見つけたものだから、早速買って、ソバに入れましたナ(笑)。
食べ方は至って簡単。
さっと洗って水気を切り、刻んで熱々の蕎麦にトッピングするだけ。
磯風味一杯で美味しいです♪(下写真)。
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