続18 ・賄いパスタ7種
で、作らざるを得ないその休日の、特に昼食を、私は「賄い」と言っているのですが、そんな賄いで作ったものの中で、これまで掲載機会がなかった、それもパスタだけを7つ集めるシリーズです。(先回は続17・賄いパスタ7種)。
賄いですから、冷蔵庫内の残り物や、在庫食材などで作るのがルールです。
いつもの通り、パスタ名には怪しげなイタリア語名も付けていますが、添削大歓迎です(笑)。
※全ての写真はクリックすることで、大きなサイズで見ることができます。
我が家ではイカを捌いた際、墨袋に墨が溜まっていたら、破れないように丁寧に墨袋を外し、隠れるくらいの塩をまぶしてタッパウエアなどに入れ、冷蔵庫に保存しています。
こうしておけばいつでもイカ墨パスタやアロスネグロ(イカ墨パエリヤ)を作れます。
わらびさんの白樺湖山荘で行われた「キノコの会」に参加した折にも、onoさんが持ち寄った長井港のアオリイカを捌いた際、墨をタップリ持っていた墨袋を塩漬けにして頂いて来ていました。
これは、そのアオリイカの墨を使ったイカ墨のスパゲッティです。
[ イカスミのスパゲッティ ]
Spaghetti al nero di seppia.
スパゲッティ・アル・ネーロ・デ・セッピア
- 鍋にオリーブオイルを入れ、ニンニクスライス、刻んだ自家製ベーコン、刻んだ鷹の爪を入れて炒め、オイルに香りを移す。ニンニクは焦がさない。
- アンチョビー魚醤を加え(小さじ0.5/1人当り)、弱中火で炒め魚醤臭さを飛ばし旨みだけを残す。
- 塩漬けしていた墨袋を流水で表面の塩を落とし、鍋に加え、へらで潰しよく混ぜる。
- 缶詰のホールトマトをマッシャして鍋に加え、少し油が分離し始めるまで煮詰め、塩、胡椒で味を調える(ベーコン、魚醤、イカスミの塩分で、多分塩は不要の筈)。
- スパゲッティは1%の茹で塩で茹でる。
- 茹で上がったスパゲッティを湯きりしてソース鍋に投入し、30秒程過熱して、スパゲッティにソースを吸わせる。
- 皿に盛り、刻んだ香り葉(この日はイタリアンパセリとフェンネル)を飾り、香り高いEx.V.オリーブオイルをタラリとかけて完成(下写真)。
前日にサンマとレンコンを使って、南インド風のカレーに仕立てたのです(これ)
このカレーは想像した以上に絶品カレーに仕上がったのですが、この残りを使って翌日の昼に賄いパスタにしたのです。
パスタを茹でて、残りカレーと合わせただけの手抜きパスタですが、カレー自体はしっかり作った本格カレー、美味い、簡単、早いと三拍子揃った賄いの王道とも言えますな(笑)
[ サンマとレンコンのカレースパゲッティ ]
Spaghetti con costardella e radice di loto con salsa di curry.
スパゲッティ・コン・コスタルデッラ・エ・ラディーチェ・デ・ロート・コン・サルサ・デ・カッリ
- スパゲッティは1%の茹で塩で茹でる。
- レンコンとサンマのカレーを暖め、一旦サンマは別に取り置く(崩れやすいので)。
- パスタが茹で上がったら、湯切りをして、カレーソースの鍋に投入し、30秒程過熱して、スパゲッティにカレーソースを吸わせる。
- 皿に盛り、取り置いたサンマを乗せ、イタリアンパセリを飾り完成(下写真)。
2010年から毎年、グレイト・ホワイト(Great White)という超大玉の白いトマトを栽培しています。
栽培を始めた初年度に、収穫したその白トマトで白いトマトソースの瓶詰めを作りました(その記事)。
瓶のシールを見ると瓶詰め日は2010.08.08ですから、この日で瓶詰めから3年3.5ヶ月経過しています。
でもさすがに長期保存仕様の瓶詰めです(方法はこちら)。
まだビクともしないもの。v(^^)v
とは言え、そろそろ使い切るべきですから、この日のお昼にこれを使って、白トマトクリームソース仕立てのパスタを作りました。
[ リガトーニの白トマトクリームソース仕立て ]
Rigatoni con crema di latte e pomodoro bianco.
リガトーニ・コン・クレマ・デ・ラッテ・エ・ポモドーロ・ビアンコ
- 鍋にオリーブオイルを入れ、微塵切り玉葱、自家製ベーコンを入れ強火で炒める。
- 弱火に落としニンニク微塵切りを加え、香りを出す。ニンニクは焦がさない。
- 鍋にアンチョビーの魚醤を加え(小さじ1/1人当り)、弱中火で魚醤臭さを飛ばし旨みだけを残す。
- 瓶詰めしていた白トマトソースを鍋に加え、パスタにしっかり絡むように煮詰める。
- リガトーニは1%の茹で塩で茹でる。
- リガトーニの茹で上がり直前に、ソース鍋に生クリーム、下ろしたパルミジャーノレッジャーノを加え、塩、胡椒で味を調える。
- 茹で上がったリガトーニを湯きり、ソース鍋に投入し、30秒加熱しながらパスタにソースを絡める。
- 皿に盛り、下ろしたパルミジャーノレッジャーノをかけ、胡椒を粗く挽きかけ、刻んだ香り葉(この日はチャービル)を飾って完成(下写真)。
美味しいけれど、白いのにトマトソースのパスタって、やっぱり変ですネ(笑)
寒い日はパスタもスープ仕立てが一番。
でもこの日は、特別な素材もなくて・・・、でもそんな時は在庫の乾燥ポルチーニ茸。
キノコの季節に採集した国産ポルチーニを、虫出し後乾燥させて、沢山保存しています。
ポルチーニ茸自体はフレッシュなものの方が美味しいけれど、香りは断然乾燥物。
お湯で戻して、戻し汁ごとスープに入れればとても香り高いスープになります。
この日の賄い昼食はそんなポルチーニ茸のスープにコンキリエを入れてみました。
[ コンキリエのポルチーニスープ仕立て ]
Conchiglie in zuppa con funghi porcini.
コンキリエ・イン・ズッパ・コン・フンギ・ポルチーニ
- 乾燥ポルチーニはボウルに入れヒタヒタの熱湯を注ぎ、ラップで覆って30分くらい置くいて戻す。
- 玉葱は櫛に切ってさらに横半分、ニンニクは微塵切り、人参、ジャガイモは皮を剥きそれぞれ半月に切る。
- 鍋にEx.V.オリーブオイルを入れ、ニンニク、刻んだ鷹の爪を入れて炒め、香りがオイルに移ったら、刻んだ自家製ベーコン、人参を入れて1分程炒め、湯剥きして細かく刻んだ完熟トマトを加え、トマトが潰れるまで炒める。
- 鍋に戻し汁ごとのポルチーニ、ブロード(無ければ水&固形ブイヨンなどで代用も可)を加え、鍋が沸騰したらコンキリエ、ジャガイモ、タマネギを入れて所定時間煮込む。
- 煮上がりの直前に、塩胡椒で味を調える。
- コンキリエが煮上がったら、器に盛り、香り葉(この日はイタリアンパセリ)を散らして完成(下写真)。
冬の日の昼食はやっぱり温かいものに限ります。
この日の賄いパスタも、このところ何にでも入れるレンコンとサツマイモのスープパスタにしました。
[ オレキエッティのレンコンとサツマイモのスープ仕立て ]
Orecchiette in zuppa con radice di loto e patata dulce.
オレキエッティ・イン・ズッパ・コン・ラディーチェ・デ・ロート・エ・パタータ・ドルチェ
- 玉葱は櫛に切ってさらに横半分、ニンニクは微塵切り、キャベツは2cm程度のザク、レンコンは2~3mm厚程度のスライス、サツマイモはタワシで皮をゴシゴシ洗って、皮ごと乱切り。
- 鍋にEx.V.オリーブオイルを入れ、ニンニク、刻んだ鷹の爪を入れて炒め、香りがオイルに移ったら、刻んだ自家製ベーコン、1分程炒め、さらに湯剥きして細かく刻んだ完熟トマト(サンマルツァーノ)を加え、トマトが潰れるまで炒める。
- 鍋にブロード(無ければ水&固形ブイヨンなどで代用も可)を加え、鍋が沸騰したらオレキエッティを入れて所定時間煮込む。
- 煮上がりの10分前にレンコン、6分前にサツマイモ、3分前にキャベツを加え、煮上がりの直前に、塩胡椒で味を調える。
- オレキエッティが煮上がったら、器に盛り完成(下写真)。
そろそろ食べ切りたい豚挽肉があったので、この日の昼食はポルチーニと豚挽肉でラグーパスタ。
考えてみれば、随分久しぶりのラグーパスタです。
[ 豚とポルチーニのラグースパゲッティ ]
Spaghetti col ragu di maiale e funghi porcini.
スパゲッティ・コル・ラグー・デ・マイアーレ・エ・フンギ・ポルチーニ
- 乾燥ポルチーニはボウルに入れヒタヒタの熱湯を注ぎ、ラップで覆って30分くらい置くいて戻した後、細かく刻む。
戻し汁は取り置く。 - 完熟トマト(サンマルツァーノ)を湯剥きしてFPで潰す。
- 玉葱、人参、セロリをFPで細かい微塵にし、少し多めのオリーブオイルで揚げるように、色が着くくらい強火でしっかり炒めて(15分程度)ソフリットを作り、一旦ボウルに取り置き、油を鍋に戻す
- 鍋に豚挽き肉をいれ、強火でカリカリになるまで炒める。
多少鍋に焦げ付いても、ソースでこそげ取るので構わない。 - 鍋に刻みニンニクを加えて炒め、ニンニクが焦げないうちに、取り置いたソフリット、潰したトマト、刻んだポリチーニ、ポルチーニの戻し汁を加えて煮詰め、塩、胡椒で味を調える。
鍋に焦げ付いている挽肉は、煮詰めている間、丁寧にへらでこそげ取ってソースに溶かし込む。 - パスタは1%の茹で塩で茹でる。
- 茹で上がったパスタを湯きり、鍋に投入し、30秒加熱しながらパスタにソースを絡める。
- 器に盛り、おろしたパルミジャーノ・レッジャーノをかけ、刻んだ香り葉(この日はイタリアンパセリ)を飾り、香り高いEx.V.オリーブオイルをタラリとかけて完成(下写真)。
久々のジビエです。
cononさんの山形のお知り合いから、狩猟した猪の半頭分くらいがわらびさんの所へ送られて来たそうで、私もまぜて頂いて、その日の夜に猪の後足を使った原木生ハムの仕込みと、猪肉パーティを行ったのです(この記事)。
送られてきた猪は後ろ足が2本、各部位の肉、それに加え何と頭までありました。
猪の頭は結構グロテスク(笑)。
さすがにこんなものを見るのは全員初めてで、みんな引き気味(爆)。
とりあえずcononさんが大鍋で煮て、付いていた猪タンは焼いて食べたけれど、さて残りはどうしたものか?
外観は猪の頭蓋骨だけれど、頬の部分とか要所要所に肉が付いています。
猪ロースとか猪ヒレとか猪バラとか、真っ当な肉が沢山ありますから、猪パーティではこの頭蓋骨から肉をほじって食べる機会もなく、折角ですからこのまま我が家で頂いてきました。
あっ、勿論真っ当な方の猪肉も頂いてきたのですが、この記事は猪頭蓋骨の分だけです。
さて翌日。
この猪頭蓋骨に付いている肉をほじってみたら、結構取れました(下写真左)。
あらかた肉をとった猪頭蓋骨は再度煮出して出汁を取りました(下写真右)。
出しがらの頭蓋骨はようやく廃棄だけれど、こんなものを見られた暁には絶対怪しい奴と思われるに決まってます(笑)。
中身が見えないように何重に覆ってゴミに出しました。(^^;ゞ
さてこの取れた肉と出汁を使って、まずお昼にラグーパスタに仕立てたのです。
[ 猪のラグーで和えたリガトーニ ]
Rigatoni col ragu di cinghiale.
(リガトーニ・コル・ラグー・デ・チンギアーレ)
- 猪肉は1cm角くらいに刻む。
- 玉葱、人参、セロリをFPで細かい微塵にし、少し多めのオリーブオイルで揚げるように、色が着くくらい強火でしっかり炒めて(15分程度)ソフリットを作り、一旦ボウルに取り置き、油を鍋に戻す 。
- 鍋にオリーブオイルを入れ、ローズマリーをを少々、刻んだ猪肉を加え、表面がカリッとするまで炒める。
- 鍋に刻みニンニクを加えて香りがつくまで炒め、取り置いたソフリット、赤ワイン、湯剥きして細かく刻んだ完熟トマト(サンマルツァーノ)、猪出汁を加え、程よく煮詰め、下ろしたパルミジャーノ・レッジャーノを加え、塩、胡椒で味を調える。
る。 - パスタは1%の茹で塩で茹でる。
- 茹で上がったパスタを湯きり、鍋に投入し、30秒加熱しながらパスタにラグーソースを絡める。
- 器に盛り、下ろしたパルミジャーノ・レッジャーノをかけ、香り高いEx.V.オリーブオイルをタラリとかけて完成(下写真)。
香り葉はこの日は切れていて使えなかった。
残った肉と猪出汁を使って、夕食に豚汁ならぬ猪汁(下写真)。
臭くもなく、かといってどこか野生的な香りもほのかにあって、なんとも美味しい猪汁でした。
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